鳥海山の登山前に祓川ヒュッテに泊まろうと思う。どんなとこだろう?
そんな方に向けて、実際に利用した筆者が、設備や費用について紹介します。
この記事を書いているのは写真家兼ライターの「とも」です。全国を旅しながら風景を撮影しています。
そんな筆者はアウトドアも大好きで、北は北海道の利尻山、南は屋久島の宮之浦岳にも登頂しました。
今回は鳥海山へ登るため祓川ヒュッテに宿泊したので、その際の情報をお伝えします。
ということで「鳥海山の祓川ヒュッテってどんなとこ?」というテーマでお話します。
鳥海山の祓川ヒュッテってどんなとこ?
祓川ヒュッテの立地・アクセス
鳥海山の祓川(はらいかわ)ヒュッテは矢島口ルートの起点にある山小屋です。
矢島口ルートは9つあるルートの中でも比較的簡単なルートなので初心者にもおすすめです。
上の赤い屋根の建物が祓川ヒュッテ。目の前に登山道があるので、前泊すれば当日早朝から登山が可能です。駐車場も徒歩1分なので、不要なものは車に積んでから登山へ出発できます。
祓川ヒュッテからは鳥海山山頂が見えます。この日の天気は曇りでしたが、雲の隙間から山頂が顔を出してくれました。
祓川ヒュッテから日の出を待っていたときの写真です。見晴らしがとても良く、日の出も山頂も見えるのでとても贅沢な立地です!
祓川ヒュッテまでのアクセスについてですが、最寄駅は由利高原鉄道の矢島駅で、そこから約22km(45分)をタクシーでの移動となります。
鉄道の本数も限られているので、費用や時間を考慮して移動手段を確保してほしいと思います。
次に、祓川ヒュッテの宿泊費用や設備について紹介します。
祓川ヒュッテの宿泊費用や設備は?
祓川ヒュッテの宿泊費は1人1,800円です。
「山小屋に泊まるのに1,800円もかかるの?」という方もいるかもしれませんが、実際に泊まって部屋や設備を確認した私としては格安です。
ヒュッテでは電気が使用可能(自家発電で9時消灯)なので、スマホの充電もできますし、調理場ではガスコンロや鍋・フライパンなどの調理器具、食器類も使えますし、冷蔵庫もあります。ワイングラスまであったのには笑いましたが、宴会に大いに役立ちました。
トイレや洗面所もあります。水道には山水を使用しているようなので、念のため煮沸すれば飲み水として利用可能とのこと。水を持ってこなくて良いだけでかなり荷物も減るはずです。
あと、1人500円でシャワーも利用できますし、管理人さんが宿泊しているので、何かあったときは安心。カップ麺なども少量ではありますが販売していました。
肝心のお部屋ですが、宿泊するのは建物の2階で、とても見晴らしが良いです。畳の和室と、2段ベッドの部屋があり計6部屋ほどだったと思います。
毛布はありますが敷布団は無いので、敷マットとシュラフ程度は持参したほうが良いと思います。
車で来ているなら、シュラフや寝間着は車に置いて登山に出発すれば良いです。
防音や空調などを言えばどうしようもないですが、小屋やテントに泊まったことがある人からすれば十分どころか贅沢すぎる山小屋だと思います。
ここからは鳥海山矢島口ルートについて、かかる時間や景色の紹介をしていきます。
鳥海山矢島口ルートの紹介
鳥海山矢島口ルートにかかる時間
矢島口ルートにかかる時間は、上り4時間下り3時間30分の計7時間30分前後です。これは途中休憩(昼食等の長時間休憩以外)を含めていますし、年齢や経験値で時間は前後すると思います。
ちなみに私が登った際は、20代、30代、60代という年齢層バラバラのメンバーで臨み、長時間休憩もすべて含めて8時間という結果でした。
鳥海山は独立峰なので、祓川ヒュッテ1,212mから山頂2,236mの標高差約1,000mを上りは上りっぱなし、下りは下りっぱなしといった感じ。 上りは体力が必要だし、下りは身体への負担が大きいです。
次に、矢島口ルートで見られる景色を実際に行って撮った写真で紹介します。
鳥海山矢島口ルートの風景
鳥海山矢島口ルートで見られる風景をご紹介します!
先ほど話したとおり、鳥海山は上りは上りっぱなし。おかげで標高はみるみる上がっていくので、振り返るたびに絶景度が増していきます。
9月中旬に鳥海山を登りましたが、道中のいたるところに深い青色が特徴のリンドウの花が咲いていました。夏でも涼しい鳥海はリンドウの生育に最適のようで、由利本荘市では「秋田鳥海リンドウ」としてブランド化されているのだとか。
道中には崩れ落ちた岩が堆積した河原がいくつかあり、初夏までは雪渓が楽しめます(9月中旬でもところどころ雪が残っていました)。夏から秋にかけては雪が融け、鳥海山特有の草花が咲いて素晴らしい景色が広がります。
標高2,229mの七高山からの眺めです。七高山から最高地点の新山(2,236m)は目の前に見えるのですが、ここ七高山を最終目標にする人も多いです。その理由は…
1.七高山から新山までは急崖が多く危険だから。
2.標高差が7mしか無く七高山でも十分の達成感だから。
3.標高差7mなのに往復50分と体力を使うから。
七高山から新山に向けてはクレーターを一度下り、また登らなければならないため、体力的にも精神的にもデメリットが目立ちます。私も七高山の満足感のせいで「あれ、新山登る必要ある?」と正直悩みました。
なんだかんだ言いながら登った新山からの眺めはやはり素晴らしかったです!天気も良かったので、うっすらではありますが秋田県北の男鹿半島まで見えました。
ただ、山頂のスペースは非常に狭いので、次の人に譲るためすぐ撤退し、七高山で昼食のカップ麺を食べました。
最高地点まで制覇して大満足。下りもずっと絶景を見ていられるので素晴らしい。ただ、下りは体力は要らない分、足腰への負担が大きかったです。
以上、鳥海山の祓川ヒュッテについての記事を書きました。祓川ヒュッテは山小屋としてはかなり設備が充実していて、コスパも高い利用価値十分ありの山小屋です!