RAW現像って写真加工のことですよね?良い写真は撮りたいけど手は加えたくないな。
そんな方に向けて、RAW現像とは一体何かを解説します!
RAW現像について勘違いしている方も結構多いようなので、この記事でしっかり理解しておきましょう。
この記事の筆者は写真家兼ライターの「とも」です。
全国を旅しながら、風景写真を撮影して生活しています。
そんな筆者はもともと
「RAW現像?よくわからないけど加工は悪!」
などと考えていましたが、仕組みを理解することでそんな発想は無くなり、今では
「RAW現像は、実際に見た景色に近づけるための必要な手法」
という考えに変わりました。
紆余曲折して答えを見つけた筆者なので、皆さんに役立つ情報をお伝えできると思っています。
ということで今回は「RAW現像とは一体何?【加工は悪と思ってた筆者が語る】」というテーマでお話していきます。
RAW現像とは一体何?
早速、RAW現像とは一体何かを解説していきます。
お話する順序は下記のとおり。
- 1.スマホ写真も元は生データ
- 2.あなたの写真は勝手に加工されてます
- 3.生データを自分で加工するのがRAW現像
それでは解説していきます!
スマホ写真も元は生データ
RAW現像とは写真の生データ(RAWデータ)に処理を加えることです。
皆さんがスマホやデジカメで撮影した写真は、主にJPEGファイルとして保存されると思いますが、実はこれ、生データから変換された後の姿。
カメラのセンサーから受け取った生の情報を画像処理エンジンが加工して、JPEGファイルとして保存されているのです。
加工というのは、色味やコントラストの調整、ノイズ低減、画像ファイルの作成などで、RAW現像でも同じような処理を行います。
つまり、皆さんが使っているスマホなどでも、RAW現像と同じことが行われているのです。
あなたの写真は勝手に加工されてます
撮影した生データが残らないので「自分の写真は何も加工されていない」と勘違いする方もいます。
しかし、JPEGとして保存されている時点で、機械によって勝手に加工されているというのが現実。
しかも、画像処理エンジンも完璧ではなく、「実際に見た景色」と「画像処理エンジンで処理された写真」が必ずしも近くなるわけではありません。
むしろ、人が見た色や質感に近づけるためには、人の手による画像処理が必要とも言えるのです。
生データを自分で加工するのがRAW現像
まとめると、RAWデータの画像処理を機械に任せず、人の手によって処理するのがRAW現像ということになります。
筆者がRAW現像を例えるのに、よく料理の話をします。
今夜は料理好きの友人と鍋。食材は自分が買ってきて、味付けは友人に任せます。
「醤油かな、味噌かな?水炊きもアリか。いや意外とキムチとか?」
楽しみに待ってて出てきたのは自分の嫌いなトマト鍋でした。
楽しいハズの食事はご愁傷さま状態。自分も味付けに加われば良かった、、、みたいな。
写真も同じで、自分が見て感じたものを反映させないと、「あれ?こんなつもりじゃなかったのに」という写真が出来て当たり前。
それを避け、自分が見た物により近づける方法としてRAW現像があるのです。
RAW現像とは何か?に対する答えは以上になります。
せっかくなので、RAW現像をすると写真がどう変わるかがわかる作例も紹介したいと思います。
RAW現像の成功例と失敗例
RAW現像の成功例と失敗例を使って、RAW現像で写真がどう変わるか解説します。
早速いきましょう!
2-処理前
まずは処理前の写真。
玉ボケが背後にあって綺麗ですが、逆光なのでモミジが暗く写っています。
私が見たモミジは光で透けて、もっと明るかったのですが、カメラの性能上、明るく撮ると背後が白とびする恐れがあったので、やむなく暗めに撮ったのです。
成功例
こちらが、処理後の写真です。
モミジが明るくなり、うっすらですが光が透過しています。背後が白とびすることもなく上手く現像できたと思います。
続いて同じ写真の失敗例を紹介します。
失敗例
モミジが光で透き通ってはいますが、背後の玉ボケは真っ白で輪郭も分からなくなっています。
木漏れ日の中で撮影した優しい写真だったハズなのになんだか物々しい感じ。
原因は、コントラストを上げすぎたことです。
コントラストを上げると、明暗の対比が強まって、迫力ある写真にもなるのですが、加減が上手くいかないとこんな写真になってしまいます。
妙に彩度が高かったり、影が全く無かったりと、過度な調整をすると、違和感のある写真になるので要注意です。
RAW現像の一例をお見せしました。
撮影と同じようにRAW現像にも答えはないので、自分の感性を信じて処理を行なっていきます。
答えはないけど、自分なりの表現ができたときの達成感は素晴らしいものがあるので、ぜひチャレンジして欲しいと思います。
ということでここからは、RAW現像を行うのに必要なものを紹介していきます。
RAW現像に必要なもの
RAW現像に必要なものということで、筆者が実際に使用しているソフトや機器を紹介します。
RAWデータの保存が可能なカメラはもちろん必須ですが、他にも必要なものがいくつかあるので確認しておきましょう。
紹介するのはこちら。
- 1.現像ソフト(Adobe Lightroom)
- 2.メモリ12GB以上のパソコン
- 3.快適な作業環境
それでは紹介していきます!
現像ソフト(Adobe Lightroom)
写真現像には現像ソフトが必要です。
ソフトの種類はたくさんありますが『Adobe Lightroom』が1番有名で、PhotoshopやIllustratorとの互換性もあるのでオススメ。
筆者はPhotoshopで記事のサムネ(タイトル)画像を作ったりするので、「フォトプラン」というセットプランを使っています。
メモリ12GB以上のパソコン
現像ソフトの使用中はパソコンに結構な負担がかかります。
メモリの小さなパソコンだと処理に時間がかかるどころか、固まってしまい強制終了するハメになるかも。
ということで、現像ソフトはメモリの大きなパソコンで使用しましょう。
具体的にはAdobeが推奨する12GB以上のものが良いですが、GPUという画像処理用の装置が付いていればもう少し小さくても大丈夫。
筆者も8GBのメモリにGPUが付いたMacBook Proで作業しています。
快適な作業環境
現像作業中は、色や質感をじっくり確認するために、長時間パソコンと睨めっこ状態になります。
姿勢が悪い状態だと、すぐ体が悲鳴を上げて作業に集中できませんので、できるだけ姿勢良くできる環境にしましょう。
パソコン画面が目の高さと一致するよう「パソコンスタンド」を使ったり、猫背にならないよう「ワイヤレスのキーポードやマウス」を使うなどすれば首や肩の負担がかなり減ります。
RAW現像とは一体何? まとめ
今回はRAW現像とは一体何?というテーマでお話しました。
簡単にまとめると下記の通りになります。
- 1.写真生データを調整して写真にするのがRAW現像
- 2.スマホ写真は機械が勝手に調整している
- 3.RAW現像は目で見たものに調整するための手法
また、RAW現像に必要なものについても解説しました。
必要なのはRAW形式で写真保存が可能なカメラと、下記の3つです。
- 1.現像ソフト(Adobe Lightroom)
- 2.メモリ12GB以上のパソコン
- 3.快適な作業環境
「快適な作業環境」で紹介した、PCスタンドやワイヤレスキーボード・マウスはRAW現像に限らず、パソコン作業で体に負担をかけないための必須アイテムですので、ぜひ持っておきましょう。
以上、この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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