ZV-E10を買いたいけど、キットレンズはあった方が良いのかな?
「ZV-E10L」にはキットレンズがついているので、購入後すぐに撮影を楽しめます。
でも人によってはキットレンズが不要な場合もあります。
この記事を読めばキットレンズの性能を理解したうえで「ZV-E10」と「ZV-E10L」のどちらを買うべきか判断できると思います。
この記事を書いているのは写真家兼ライターの「とも」です。全国を旅しながら風景を撮影しています。
そんな筆者はSONY ZV-E10の愛用者。キットレンズの「SELP1650」も使ってたっぷり撮影中なので、ユーザー目線で役立つ情報をお伝えできればと思っています。
ということで今回は「VLOGCAM『ZV-E10』と『ZV-E10L』どっちが良い?【キットレンズの性能】」というテーマでお話します。
VLOGCAM ZV-E10とZV-E10Lの違い
VLOGCAM ZV-E10とZV-E10Lの違いはキットレンズの有無です。
つまり、キットレンズの性能に満足できそうならZV-E10Lを選べば良いし、他のレンズを使いたいならZV-E10を選ぶと良いです。
ということで、キットレンズである「SELP1650」のスペックについて解説しておきます。
スペックの概要は次のとおりです。
- 焦 点 距 離:16-50mm
- 開 放 F 値 :F3.5-5.6
- 解 像:あまり良くない
- 手ぶれ補正:有り
- 重 さ:116g
これに加えて、レンズの価格についてもお話します。
では、それぞれ詳しく見ていきましょう!
焦点距離
SELP1650の焦点距離は16-50mmです。ズームレンズなので焦点距離を変えられます。
焦点距離は映像の画角を決める大事な要素で、小さければ広角、大きければ望遠レンズということになります。
焦点距離についてよくわからないという方は、先にコチラの記事を読んでおくのをおすすめします。
16-50mm(換算24-75mm)は広角から標準域まで映すので汎用性は高めです。
どんな画角なのか、SELP1650で撮影した写真を見てみましょう。
ちなみにカメラは「α6300」を使っています。ZV-E10と同型センサーなので、違いはほぼ無いと考えてOKです。
まずは広角端16mmの写真です。
手前は大きく奥は小さく映すので、奥行きや立体感が出やすいです。動画では周囲の景色がどんどん流れて躍動感が感じられます。
歩きながらの撮影は広角を基本にするのが良いと思います。
続いて望遠端50mmの写真を見てみましょう。
16mmと同じ地点から撮影した、50mmの写真です。
フルサイズ換算75mmなので奥行きや立体感が無くなる「圧縮効果」も少し出てきます。被写体に注目した映像が撮れますが、少しの動きがブレに繋がるので歩きながらの撮影にはあまり向きません。
物や人にクローズアップする時に使うと良いですね。
分かりやすくするために、16mmの写真の中に50mmの画角を載せてみました。
数字を見てもわかるように、SELP1650は3倍のズーム性能があります。
望遠域は撮れませんが、動画撮影では望遠の使用頻度は少ないし、色んなシーンで使えるレンズなのは間違いありません。
開放F値
SELP1650の開放F値はF3.5-5.6です。焦点距離を変えると開放F値も変わります。
開放F値は映像の明るさやボケの強さを決める要素。小さいほど暗い場所に強いし、大きなボケを出すことができます。
開放F値について詳しく知っておきたい方はコチラの記事をどうぞ。
ということで写真を確認しましょう。
比べる対象がないと分かりづらいので、「SEL50F25G」というレンズと比べます。先に言っておくと「単焦点」かつ「Gレンズ」であるSEL50F25Gが勝って当たり前ですが、分かりやすくするためにあえて選んでます。
ではまず、暗所性能を比べます。
くもりの日に暗い木陰で撮影した悪条件の写真です。
ブレないシャッタースピード(SS)を確保するためISO感度を6,400まで上げる必要があり、ISO感度を上げたことでノイズがかなり発生しています。
続いてSEL50F25Gの写真を見てみましょう。
SEL50F25GはF値を2.5まで下げられるので、同じSSでもISO感度は1,600で済みました。
ノイズは出ていますが、このくらいなら許与範囲ではないでしょうか。
ということで、やはりSELP1650は暗い場所が苦手のようです。と言っても今回は悪条件で撮影したので、日中の屋外撮影なら基本的にノイズは目立たないと思って大丈夫ですよ。
続いて、ボケの確認をしてみましょう。
まずはSELP1650のボケです。
50mmの開放F5.6で撮影したところ、小さいですがちゃんと玉ボケが出ました。全然出ないと思っていましたが試してみるものですね。
形は円形に近いですが「年輪ボケ」が見えてちょっと残念。(玉ねぎボケとも言ったりします)
続いて、SEL50F25Gのボケを見てみましょう。
開放F2.5で撮影した玉ボケです。少し絞ってボケを小さくしても良いくらいですね。
年輪ボケも無く形も綺麗で良い感じ。さすがGレンズです。
ということで、SELP1650が暗い場所やボケが苦手なのはお分かりいただけたと思います。しかし、比べた相手が優等生だし悪条件で撮影しているので、しょうがないとも言えます。
ちなみに、ZV-E10とSELP1650で玉ボケを使った映像も撮影しているので良ければご覧ください。
解像度
SELP1650の解像度は良いとは言えません。
初めてのレンズであれば気になりませんが、良いレンズを使った後だとピント合わせの時点で気がつきます。
ということで、写真を見て解像度を確認しましょう。
SELP1650には申し訳ないですが、またSEL50F25Gと比べちゃいます。
まずはSELP1650の写真です。レンズは中心より周辺部の方が解像度が落ちるので、意地悪にも隅に写した時計を拡大して見てみます。
数字はさすがに確認できますが、滲んだような感じでパリッと解像しませんね。
続いて、SEL50F25Gの写真を見てみましょう。
こちらはかなり綺麗に解像していますね。完璧ではないですが、周辺部の写りにしては十分です。
やはりSELP1650の解像度は良いとは言えませんでした。ここまで嫌がらせ的に解像度を求める場面は無いですが、他のレンズと比べると良くはないと理解しておきましょう。
手ぶれ補正
SELP1650には「光学式手ぶれ補正」機能があります。
ZV-E10に搭載されているのは「電子式手ぶれ補正」で、この2つを組み合わせることでより強力にブレを抑えられます。
また、ZV-E10の手ぶれ補正は静止画撮影では使えないので、レンズの手ぶれ補正があるとかなり安心です。
重さ
SELP1650の重さは116gで、非常に軽いレンズだと言えます。
開放F値が大きかったり広角寄りのレンズは軽くなりやすいというのもありますが、手ぶれ補正ありのズームレンズでこの軽さはメリットです。
特に、長時間の動画撮影は腕や肩に負担がかかります。ZV-E10と合わせても459gにしかならないこの軽さはかなり重宝しそうですね。
単体価格
SELP1650単体での価格は3万円前後です。このレンズ自体は2013年に発売されたものなので価格は結構バラバラ。中古だと1万円前後という感じでしょうか。
ここで、ZV-E10とZV-E10Lの値段差からキットレンズとしての価格を出してみます。
Amazon価格でZV-E10は71,000円、ZV-E10Lは81,000円でした。
つまり、SELP1650のキットレンズとしての価格はたったの1万円です。これはかなりお得感ありますね。
以上、SELP1650のスペックについてお話しました。
簡単にまとめるとこんな感じです。
- 汎用性の高い画角
- 暗所撮影やボケを出すのは苦手
- 解像度はあまり良くない
- 手ぶれ補正は静止画撮影でも安心
- ZV-E10と合わせても500g以下
- ZV-E10Lのキットレンズとしてはたったの1万円
以上を踏まえて、ZV-E10とZV-E10Lのどちらを買うべきか考えていきます。
ZV-E10とZV-E10Lのどちらを選ぶべきか
いよいよ、ZV-E10とZV-E10Lのどちらを選ぶべきかについてお話します。
「ZV-E10を選ぶべき人」と「ZV-E10Lを選ぶべき人」で分けて、それぞれ解説していきます。
ZV-E10を選ぶべき人
ZV-E10を選ぶべきなのはこんな人です。
- 夜景撮影やボケを楽しみたい
- 超広角や望遠で撮影したい
- より高品質の映像を撮りたい
SELP1650の明るさや画角が物足りない人は、ZV-E10と一緒に他のレンズを購入した方が良さそうです。
実は筆者もZV-E10と合わせて「SEL1018」を購入しました。アクティブモードは画角が狭くなるので、16mmでは足りないと判断したからです。
また、SELP1650の解像度は高くないので、最初からGレンズなどを買っちゃうのも良いと思います。
ZV-E10Lを選ぶべき人
続いて、ZV-E10Lを買うべきなのはこんな人です。
- コンパクトさを大事にしたい
- まずはカメラに慣れたい
- とにかく手軽に撮影を始めたい
SELP1650の1番の強みはコンパクトさです。手ぶれ補正がついたズームレンズで116gしかないので、旅行や登山などに重宝します。
また、明るさや画角について撮影しながら勉強したいという人もZV-E10Lを選んで良いと思います。よく分からないまま高いレンズを選んでも失敗する可能性があるし、実は賢い選択かもしれません。
あとは、とりあえずすぐ撮影できればOKという人もZV-E10Lを選んで良いです。APS-Cセンサーを積んでるだけで他のVlogカムより高品質の映像が撮影できるし、3倍ズームがあるだけで自由度は高いです。
VLOGCAM ZV-E10とZV-E10Lの選び方についてお話しました。どちらを選ぶか決められそうでしょうか?
決められない方に向けて、筆者のをおすすめがどちらなのかもお話しておきます。
また「そもそもZV-E10の性能がよく分かってない」という方は、こちらの記事を読むのをおすすめします。
筆者のおすすめはZV-E10L
筆者はキットレンズありのZV-E10Lをおすすめします。
静止画用のカメラだったら間違いなく「キットズームじゃなくて単焦点を買いなさい」と言うのですが、動画用になるとちょっと話が変わります。
動画は静止画と比べて体の負担が大きいので、コンパクトさが特に重要となります。
筆者はもともと静止画ばかり撮っていたので「明るさは正義!」と言いながら明るくて重い単焦点レンズばかり使っていました。
しかし動画を始めてから、明るいレンズの重さが負担になってきたので「軽さは正義!」と言いながらジワジワ軽量化を進めているところなのです。
また、ジンバル撮影ではレンズ交換の都度バランス調整が必要になってしまうので大変です。レンズを変えずに画角を変えられるズームレンズは動画でこそ重宝すると思っています。
もちろん夜景撮影や強いボケが必要なら明るい単焦点なども使いますが、撮るものが明確に決まっていないならキットレンズから始めるのが良い選択だと思うのです。
しかも、本来なら3万円前後するレンズを1万円で買えるというチャンスでもあるので、逃す手はないという感じです。
今回はVLOGCAM ZV-E10とZV-E10Lどっちが良いの問題についてお話しました。
筆者のおすすめはZV-E10Lでしたが、今回紹介したSELP1650のスペックを参考に判断してもらえればと思います。そして、ZV-E10での撮影を存分に楽しみましょう!
以上、最後までご覧いただきありがとうございました。この記事がみんさんのお役に立てば幸いです。
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