こんにちはともです。今回は北海道に移住して2年経った感想というテーマでお話していきます。
僕は北海道の自然を写真や映像で撮るために移住しました。
想像していた以上に美しくて広大な自然の中で撮影ができているので、ざっくり結論から言うと北海道に来て大正解だったなと思っています。
ただ出身が遠く離れた九州ということで、気候であったり習慣の違いに慣れることができるか不安でしたし、実際困ったことも結構ありました。
なので今回は、北海道への移住を考えている方や北海道での暮らしが気になる方に向けて、移住して2年の感想として寒さについて、風景や自然について、文化や習慣についてお伝えします。
北海道に住んでいる人からしたら当たり前だったり、主観も混じってるのでちょっと違うということもあるかもしれませんがご了承ください。
ちなみに今回の記事は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
北海道の寒さ
まずは北海道の寒さについてお話していきます。
北海道に移住する上でやっぱり一番気になるのは冬の寒さじゃないでしょうか。
北海道と言っても場所によって結構寒さは違っていて、南に位置する函館あたりでは最低気温は-6℃前後で一番寒いと言われる内陸の陸別あたりでは-20℃前後と結構差はあります。
とはいえ基本的に寒いというのは間違いないですし、僕が住む街も特別寒いと言われるところではありませんが-20℃を下回ることもちょこちょこあります。
この寒さに耐えるために、地元ではやってなかったような対策が色々必要なので紹介しておきます。
北海道の家
まず家についてですが、僕が住んでるマンションだと窓は二重になっていて、灯油ファンヒーターが備え付け、水道関係には水抜き用の栓がたくさんついています。
二重窓
二重窓については東北あたりでも使われていて、最近は全国的にも使われるようになっているようですが、窓と窓との間の空気層があるだけで断熱効果が全然違うようです。
灯油ファンヒーター
そして灯油ファンヒーターが多くのアパートやマンションで備え付けで、これは寝てる間と外出している時以外は常につけている状態です。
エアコンも付いてますが、温まり方が全然違うので冬の間は基本ファンヒーターで、エアコンは春か秋くらいにちょっと暖房、夏は涼しいので冷房はほぼ使わなくて良いくらいです。
灯油ヒーターなんて給油するのが面倒だしこわいという方もいると思いますが、北海道では建物の外に給油用のタンクがあって、業者さんが給油してくれます。
そして使った量は業者さんが検針してその請求が来るので、給油関係の手間は一切かからずとても楽です。
ただ古いアパートだったり、場合によっては自分で給油しないといけないかもしれないので、物件探しはそのあたりも気をつけた方が良さそうです。
水抜き栓
あと水道関係の設備は、使っていない期間が数日あると凍ってしまう可能性があります。
日中仕事に行ってる間とか寝ている間くらいであれば問題ないと思いますが、旅行や出張などで数日あけると水が凍って膨張して水道管を破損して水漏れということになりかねないようです。
これを避けるために、水抜き栓が至る所についています。
元栓を閉めて水が出なくなった状態で、洗面所やお風呂、台所などについている水抜き栓を開けて水を抜きます。
今までやったこともなくて、最初は不安だったり面倒な気持ちにはなるんですが、1回ちゃんとやったらすぐに慣れるという感じです。
北海道の車
家につづいて車のことなんですが、雪かきと解氷、タイヤとワイパーの交換が必要で、あとウォッシャー液やクーラント液で注意が必要です。
雪かきと解氷
まず雪かきですが僕は屋外の駐車場に停めているので雪が降った都度、雪かきはしないといけないです。
車に乗っている雪をどけるだけじゃなくて公道に出るまでの区間も除雪することになります。
とりあえず車の上はスノーブラシでどければよくて、公道までの区間は雪かき用のスコップを使ったり、量がある場合はスノーダンプを使います。
僕の場合はスノーダンプまでは使わないです。ちなみにスノーダンプは「ママさんダンプ」と言ったりするみたいで初めて聞いたときは全く意味がわかりませんでした。
雪をどけても窓が凍ってたりするので、急いでる時は「解氷スプレー」を使ったりもしますが、解氷スプレーはアルコール類が主成分でワイパーのゴムを劣化させてしまうといったデメリットもあるようです。
あとエンジンをかけて車内を温めて溶かすというのも基本になってくるかなと思いますが、車の外から遠隔でエンジンをかける「エンジンスターター」を使っている人も北海道では結構多いです。
これなら先に車内を暖めておいて乗る頃には氷も溶けているという状況にできます。
タイヤとワイパー
そしてタイヤについてですが、当然冬用タイヤに変えておく必要があります。
大体11月から4月くらいまでの半年間は冬用タイヤという感じではないでしょうか。
僕は学生時代や仕事で九州外にも住んでいたことがあるので、タイヤ交換はしていたんですが、ワイパーの交換については知りませんでした。
北海道では冬には「雪用のワイパー」を使う人がほとんどで、寒さで硬くならないように通常のワイパーより柔らかめの素材で作ってあったり、可動部分が凍らないように雪が入らないつくりになってたりします。
なので、北海道に限らず雪が多いところでは冬用ワイパーに交換する人が多いということなんですが、北海道にくるまで知りませんでした。
ウォッシャー液
そして、ウォッシャー液やクーラント液についても寒冷地だと凍ってしまう恐れがあります。
ウォッシャー液は水で薄めずに原液で使ったり、クーラント液の濃度も変えないといけません。
車に関しては特に知らなかったことが多いなと思います。
2輪駆動で大丈夫?
ちなみに僕が使っている車は地元から持ってきた2輪駆動の車で、雪道を走ったりするうえで4駆じゃないと危ないかなと不安だったんですが、とりあえず2駆でもなんとかなっています。
ただスタックした時抜け出すのにかなり苦労はしたので、4駆の方が安心というのはありそうですし、脱出用のラダーなんかは必ず積んでおくようにしています。
こんな感じで北海道の雪や寒さによって結構やることは多いですし、今年の冬は外で撮影している時間が長かったせいか、寒暖差アレルギーというのも出てしまったりしてなかなか大変でした。
目に見える負担もありつつ、気づかぬうちに体の負担になっている場合もあるので注意が必要だなと思います。
北海道の自然
ここまで北海道の寒さについてお話したので、つづいて自然についてお話します。
冒頭でもお話したとおり、僕は北海道の自然が撮りたくて北海道に来たので、ここまでお話した厳しい部分をカバーして余りあるくらい、北海道の自然を満喫しています。
ということでここでは、北海道の「動物」と「風景」の大きく2つに分けてお話します。
北海道の動物
北海道には本州では見ることができない固有の動物たちがいます。
エゾリス、キタキツネ、エゾナキウサギ、エゾモモンガ、シマエナガあとヒグマもいます。
見た目が可愛らしい動物がとても多いので道外から撮影に来るカメラマンもとても多いです。
僕も北海道に来て動物撮影に大ハマりしています。
動物の種類があまりにも違いすぎて、なんでこんなに違うんだと思うわけですが、北海道と本州の間の津軽海峡には「ブラキストンライン」という動物の分布を分ける境界線があるようです。
イギリスの学者であるブラキストンが考えた線なのでブラキストンラインなんですが、北海道はもともと樺太・千島側から陸続きになっていたのに対して、本州は朝鮮半島と繋がっていました。
北側と南側とで入ってくる動物の種類が大きく違ったのが現状に至るという説になっています。
なので、北海道では本州で見かけない動物を見ることができますし、逆に本州にいるイノシシ、ツキノワグマ、モグラ、ニホンザル、カモシカなどは北海道にはいなかったりします。
そんな固有の動物たちを僕は基本的に冬場に撮影しています。
冬場の動物たちは冬毛でフワフワなのでより可愛らしくなるというのと、冬は草や葉っぱなんかがなくて見通しが効いて撮りやすい、あと夏場に山手に入っていくのは色々リスクがあるというのが理由です。
そして何より、夏場は魅力的な風景だらけになるのでそっちに気を取られているというのがあります。
北海道の風景
ということで北海道の風景についてお話します。
北海道の風景は道外の方が想像している通り本当に絶景だらけです。
富良野のラベンダー畑や美瑛の丘のある風景、十勝のどこまでも続くような広大な景色など上げていくとキリがないです。
そんな中で、僕は主に花のある風景を撮影していて、北海道の絶景がラベンダー畑を始め花がセットになっていることが多いので花の見頃についてもお話していきます。
3〜4月
北海道の平地では3月中旬から下旬頃にようやく雪解けです。
4月頃にはクロッカスやスノードロップが咲いたりして、春の近づきを感じはしますが、まだまだ花は少なめです。
4月下旬頃になってやっと函館でソメイヨシノが見頃になって、ここから5月中旬頃にかけては北海道では主流のエゾヤマザクラが咲いたり、水仙、ムスカリなんかも見頃になります。
カタクリやエゾエンゴサクの花が一面に咲き誇る景色を見れるのもこの頃です。
道内のガーデンも4月下旬頃から開園するところが多いので楽しみな時期です。
5〜6月
5月中旬あたりにはチューリップや芝桜が見頃を迎えてくるので道内各所が一気に華やいでくる感じがします。
「東もこと芝桜公園」や「芝ざくら滝上公園」「かみゆうべつチューリップ公園」なんかが名所ですが、オホーツク地方に集中しているので札幌あたりからだとなかなか行くのは大変だったりします。
道外からの旅行であれば道東の空港を使うのもアリかもしれません。
そして5月中旬から6月上旬あたりはライラックの花の季節になります。
ライラックは「札幌の木」に選ばれているだけあって市内の公園など至る所で見かけることができます。
本州にもある木なんですが涼しい気候を好むので、西日本ではほとんど見られませんし、僕も北海道にきて初めて見ましたが今ではお気に入りの花の1つです。
色や形がとても綺麗なんですが、優しくて甘い香りがあるので香水の原料としても使われるので、見るだけでなくぜひ香りも嗅いでほしい花です。
そしてこの頃はスズランが花を咲かせる季節でもあります。
公園や庭園で見かけるスズランのほとんどはドイツスズランというものなんですが、北海道には日本の在来種である日本すずらんが自生していて、平取町(びらとりちょう)には日本一の鈴蘭自生地もあったりします。
なんだかんだで僕もまだ行けてないスポットなので今年こそはと思っています。
7〜8月
6月中旬から7月上旬にかけてはバラの季節なので、西洋式の多い北海道の庭園はこの時期がとても見栄えする季節だと思います。
オススメの庭園や公園がたくさんあってここでは紹介し切らないくらいなのでこれは別の機会にまとめて紹介したいと思います。
あとこの頃は「じゃがいもの花」が咲く頃でもあるので、富良野や美瑛、あと十勝地方なんかをドライブして景色を眺めるだけで楽しくなります。
そして7月中旬から下旬頃はラベンダーが見頃になります。
富良野には有名なラベンダー畑がいくつかありますが、やはり規模や施設の充実具合で言うと「ファーム富田」が一番ではないでしょうか。
斜面に続くラベンダー畑は絶景ですし、ラベンダーソフトや富良野メロンなど飲食も魅力的なものがたくさんあります。
ただ、ラベンダーシーズンは平日でも人が凄いですし、土日の昼間は車を停めるのも大変なので、僕は基本平日の朝8時とか9時くらいには着くようにして昼頃には出るというような感じにしています。
ファーム富田が大混雑する時間帯でも他のラベンダー畑は意外と混んでいなかったりするので、時間帯を考えて計画的に回るのをおすすめします。
8月上旬あたりは北竜町のひまわり畑が満開になったりします。ただ夏休みはどこに行っても人が多いので、個人的にはあまり出かけたくない時期ではあります。
9〜11月
9月になると一気に気温が下がってきて、秋バラやダリア、そこからコスモスや赤コキアの季節になります。
この時期は夏の観光客が落ち着いてる時期なんですが、まだまだいろんな種類の花が楽しめますし、10月になると紅葉も混じって庭園に秋の哀愁みたいなものも感じられてとても良い季節です。
なんなら一番良い季節と言っても良いかもしれません。
庭園は10月いっぱいでシーズンを終えるところが多いですし、ここから新たに花が咲くこともないので花のシーズンは10月いっぱいまでという感じです。
ただ11月上旬は本州では高山地帯でしかなかなか見られないカラマツの黄葉を楽しめたりします。
結構短い時期なんですが、美瑛あたりのカラマツ紅葉の景色はまさに絶景なので、ぜひ一度は見ていただきたいです。
北海道の文化
最後に北海道の文化や習慣についてお話します。
2年間住んでいて気づいた他の都府県にはなかったり少ないのでは?と思ったことを簡単にお話します。
北海道弁
まず言葉なんですが、基本的には標準語のような気がしていて、ただちょこちょこ「あれ?」と思うことはあります。
僕は東北に数年間住んでいたことがあるんですが、東北弁に結構近い部分があるなと思いました。
捨てるを「なげる」
寒いを「しばれる」
疲れたことを「こわい」
そしたらを「したっけ」
かわいいを「めんこい」
こんばんはを「おばんです」
なんとも言えない気持ち悪さを「いづい」と言ったりするのは東北でも聞いたことがあるなと思いました。
あとはとてもの「なまら」や触るの「ちょす」、手袋をつけるのを「履く」と言ったり、北海道弁を探していくと色々あるみたいではあります。
雪関係
続いて雪関係なんですが、一軒家を持っている方の中には小型の除雪機を持っている方がいたりして、これを歩道までかけてくれたりしているのを見かけます。
何も言わずに人のためになることをしてくれているのを見かけると凄いなと思ったりします。
そして公道の雪なんですが、やっぱり完全に無くすのはできないので道路の脇にどんどん積み上がって壁になっていきます。
夏場は4車線で広々している道路も実質2車線くらいになってしまうこともありますし、元々2車線の道路が実質交互通行みたいになることもあります。
そういう状況でも「我先に」とならないで順番を待ってスムーズに通行できるのは経験でもあるし、人柄なのかもしれません。
ただ夏場の運転は他所より荒くて早い気はします。
北海道の方の人柄なんですが、広い北海道なので内陸なのか沿岸なのか北なのか南なのか、都会なのか田舎なのか、などでたぶん口調や気性も違うんだろうと思います。
とりあえず、僕が感じた印象だと基本的にカラッとしていて裏表がなくおおらかという良い印象があります。
ただつまらないことを言ってしまうと、どこでも人によるというのが結論のような気もします。
エキノコックス検査
続いて最近あって面白いなと思ったことなんですが、健康診断の項目の中にエキノコックス検診というのがありました。
エキノコックスというのは、主にキタキツネが感染源である寄生虫なんですが、人に寄生すると10年くらい症状が出なくて発見した時には重篤になっているというとても怖い寄生虫です。
感染源がキタキツネなのでキタキツネを触ったり近づいたりしないというのが基本だったり、川水などをそのまま飲んではいけなかったりします。
ただもしもの場合もあるので、エキノコックスの検査も実施しているようです。
方法は血液検査で毎回無料ではないようですが、僕は初めての受診ということで無料で受けることができて、無事陰性でした。
北海道に移住してある程度経ったら念のため受診しておくのをお勧めします。
ということで今回は北海道に移住して2年の感想をお伝えしました。
北海道では寒さの違いから車や家、習慣などにも色んな違いがあって、最初は不安なことが多かったんですが、1度経験してしまえば案外怖くなくなります。
北海道の自然も探せば探すだけ魅力が出てきて、毎年ここも行けなかったあの動物が撮れなかったいう感じで、来年の予定が増えていくばかりです。
実は北海道で2年くらい過ごしたら、そのあとはまた別の場所で活動したいなと最初は思っていたのですが、やりたいことが毎年増えていくので、出ていく気配が全くない状態です。
今後も北海道ならでは魅力などたっぷり紹介していけたらと思います。
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