今回は「7Artisans AF 27mm F2.8」のレビューをしていきます。
開放F2.8で換算40mmの軽いレンズということで、α6700でのスナップ撮影に使ってきました。
性能についてはこれから解説するんですが、簡単にまとめると驚くほど良い部分と使う人を選びそうだなという部分があります。
描写やAF性能、使い勝手など詳しくお話するので機材選びの参考にしてみてください。
中心部の解像性能
早速性能の確認からです。
まずは解像感を見ていきます。
開放F2.8で画像の中心や周辺部の解像感を見てみます。
RAWで撮影して、ノイズ除去やシャープネスなどの処理は行なっていません。
掲載しているのはF2.8の写真だけですが、F4とF5.6でも撮影しており、変化も確認しています。
全体(26MP)
まずは全体の印象から確認です。
F2.8では周辺減光が結構強めに出ている印象。ここから1段絞ってF4になると一気に無くなります。
全体の印象としてはシャープに写っている感じです。
4K(8.3MP)
続いて中心部を拡大して解像感を見てみます。
まず4K830万画素にトリミングした状態。
周辺減光で少し暗めですが、解像感に関してはF2.8でも十分だと思います。
F4.0やF5.6で撮影しても中心部では解像感の変化はあまりなさそうです。
FHD(2.1MP)
今度はFHD207万画素まで拡大しました。
ここまでトリミングすることもそうないわけですが、それでも綺麗に解像していて驚きです。
HD(0.9MP)
思い切ってHDの92万画素までトリミングしました。
さすがに画素数による粗さは感じるところですが、解像性能としてはかなり良いと思います。
四隅の解像性能
四隅の画質も見たいので写真右下を拡大してみます。
4K(8.3MP)
まずは4Kからです。
F2.8だと四隅は減光が大きいので、見やすくするために編集で少し明るくしています。
解像感に関しては良好のようで、四隅でも十分使えそうです。
FHD(2.1MP)
今度はFHD解像度です。
かなり強いトリミングをした状態ですが、白樺の樹皮の質感や草の一本一本が綺麗に解像しているのがわかります。
HD(0.9MP)
そしてHD解像度です。
四隅をHD解像度までトリミングしてここまで綺麗なのは驚き。
ただ右下を見ると少しぼんやりしていて、F値を上げるにつれて解像していきます。
左側の草は比較的シャープな写りなので、被写界深度の問題ではなさそうです。
意地悪なくらいまで拡大すると周辺部の画質低下が見られましたが、写真全体でいうと全く影響しないレベルだということがわかりました。
解像性能はかなり高いです。
逆光性能
続いて逆光で撮った時にどんな画質になるか確認します。
フレア
F2.8の状態では、中心部と太陽周辺がオレンジっぽくなっていて、F値を上げるとそれが一気になくなります。
このレンズは開放で逆光撮影するとフレアが盛大に出るということです。
パープルフリンジ
続いて写真の左下の方をHD解像度まで拡大してみます。
F2.8では枝の周辺が少し紫がかっていて、絞るにつれて無くなります。
今回確認したかったのはパープルフリンジで、逆光や明るい背景で撮影した時に輪郭が紫色になる現象です。
パープルフリンジはレンズによっては盛大に出ますし、編集で除去するとそこだけ色が抜けてしまうこともあります。
今回、HD解像度まで拡大してやっとわかったくらいなのでかなり優秀だと思います。
写真全体を見て一番目立ったのがここだったので、フリンジへの心配も要らなそうです。
AF性能
続いてAF性能の確認もやっておきます。
検出対象を人物に設定して、遠くにいても検出してAFを合わせてくれるか確認します。
最初は手前(三脚上のカメラ)にピントがあって、人物を認識すればピントが移ってくれます。
かなり遠くにいる人物でも認識することがわかりました。
マスクをした状態ですが顔も認識しますし、近づくと瞳も検出してくれます。
サードパーティだと被写体検出できなくなるみたいなことはなさそうで、検出次第すぐにピントを合わせてくれます。
ただ、AFが移った瞬間に画角が少し変わっているのでブリージングはあって、滑らかなフォーカシングではないようです。
使い勝手
あと使い勝手についてもお話しておきます。
重さ
このレンズの重さは173gでかなりの軽量です。
僕が持っているAPS-C用レンズだと「SEL15F14G」の219gや「SELP1020G」の178gより軽量。
小さなポーチで持ち出して、気軽に撮影が楽しめるコンパクトさです。
外観・質感
レンズにはフォーカスリングがついていますが、絞りリングやAF,MF切り替えスイッチはついていません。
かなりシンプルな作りです。
金属製なので質感に安っぽさがなくて綺麗だと思います。
最大撮影倍率
最大撮影倍率は0.1倍とのことでかなり小さいんですが、APS-C用なので、フルサイズ換算で0.15倍と考えて良いと思います。
それでも小さい倍率なのでマクロ的な使い方は厳しいですが、比較的小さなレンギョウの花でも印象的に写すことはできました。
性能まとめ
ということで内容をまとめると、このレンズはかなり高い解像力があって、開放でも周辺部まで綺麗に写せます。
ただ周辺減光があるので、これを抑えたい方は1段絞って撮るのが良さそうです。
そして逆光ではパープルフリンジをしっかり抑えてくれますが、代わりにフレアが思いっきりでます。
AFの方もしっかり働いてくれますが、ブリージングがあるので動画で前後の動きがある場合は気になるかもしれません。
173gの軽量で、作りはシンプルで質感も良いです。
作例の解説
続いて今回撮影した作例の解説をやっていきます。
ここまでにお話したとおり、このレンズは解像力があってフリンジも出にくいけど、フレアと周辺減光が強いという特性です。
フレアと周辺減光については面白い写真の材料にもなるので、むしろこの特性を活かして撮った方が良いんじゃないかと思いました。
フレアを利用する
逆光で撮る時には、無理にフレアを避けずにしっかり入れています。
太陽を直接入れる必要はなくて、本当に簡単にフレアが出ます。
あとはフレアの向きも含めて構図を整えて撮影という感じ。
周辺減光についても後からわざわざ付け足したりするくらいなので、個人的には全く問題なくて、むしろ雰囲気が出て良いと思います。
AFを利用する
AF対応レンズなので、あらかじめフォーカススポットを配置しておいて、そこに被写体が入ったら撮るということもできます。
小物や植物を撮るときはMFだと体の前後の揺れでピントが外れたりするので、AF-Cが使えるのはやっぱり良いです。
開放F2.8で特別明るいわけではないんですが、ボケを活かした写真も撮れます。
開放や逆光で撮るのも面白いですし、順光だと解像感のあるしっかりした写真が撮れます。
カラープリセット
せっかくなのでカラープリセットもフィルム感が出る「FL」にしています。
今回はRAWで撮って現像でFLを適用してフェードを加えるという処理をしました。
JPEGで撮る場合もパラメーター調整でフェードを+1か+2くらいにすれば似た写真になると思います。
ちなみに「ST」にするとこんな感じになります。
「IN」にフェードを加えるとこんな感じ。
「VV2」だとこんな感じです。
個人的にはやっぱりFLにフェードを加えると良い雰囲気になるなと思うんですが、好み次第で色々試してみると良いと思います。
夜景
夜景の方も撮影したんですが、車のライトや街灯、照明など光源がたくさんあるので、フレアで柔らかい質感になりやすいです。
写真は手持ちで手ぶれ補正を使ってSS1/20秒くらいで撮影しましたが、ブレもなさそうです。
F2.8だと感度は上げてもISO1000くらいですみました。
動画
検証でもわかった通りこのレンズはブリージングがあります。
動画ではMFのパンフォーカスで風景を撮るくらいにとどめています。
まとめ
ということで今回は7Artisans AF 27mm F2.8のレビューでした。
解像性能が高いレンズですが、逆光の開放だとのフレアや周辺減光が出るのでクセがあるレンズではあります。
ただ手頃な値段で使い勝手も良くて撮ってて楽しいレンズだなと思ったので、スナップ入門に使ってみると良いんじゃないかと思います。
機材選びの参考にしてみてください。
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