相変わらず『最高のカメラ』|SONY ZV-E1の「1年レビュー」!ZV-E10IIが出たら買い替えは?

相変わらず『最高のカメラ』|SONY ZV-E1の「1年レビュー」!ZV-E10IIが出たら買い替えは?

今回はSONY ZV-E1の1年レビューをやっていきます。

ZV-E1の発売日が昨年の4月21日だったので発売から1年が経ちました。

発売日当日から使い始めましたが相変わらず一番のお気に入りで、おそらく一番使っているカメラです。

今回は1年の長期レビューなので、基本的なところから細かい部分までしっかり理解してもらえる内容にしたいと思います。

今までお伝えした内容も結構出てきますが、再確認のつもりでぜひ最後までご覧ください。

ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。

目次

スペック紹介

まずはスペック紹介からサッとやっていきます。

画素数

ZV-E1の画素数
ZV-E1の画素数

ZV-E1には1210万画素のフルサイズセンサーが乗っています。

最近のスタンダード機は2000万画素を越えているのがほとんどなので、かなり少ない画素数です。

最大常用ISO感度

ZV-E1の最大常用ISO感度
ZV-E1の最大常用ISO感度

暗所性能の目安である最大常用ISO感度は102400で、標準が51200前後なので、かなり高い数値になっています。

画素数が少ない代わりに暗い場所に強いカメラということです。

解像度とフレームレート

動画の解像度とフレームレートは4Kで120P、FHDで240Pまでです。

4Kだと最近は60Pまで撮れるのが標準的で、4K120Pまで撮れると5倍スローも撮れて、動画機としてのランクがかなり上がると思います。

手ぶれ補正

手ぶれ補正は光学式の5段で、動画ではアクティブモードと、さらに強力なダイナミックアクティブモードが使えます。

ダイナミックアクティブは現状α9IIIとZV-E1の2機種でしか使えません。

動画性能

動画性能として4:2:2 10bit撮影ができて、フォーマットはXAVC S、HS、SIの3つが使えるので選択肢が多いです。

4:2:2 10bitで撮れると編集でも安心ですし、フォーマットの種類が多いと、ファイルサイズを抑えたり、色んな視聴環境に対応できたり、編集に強くしたりと用途に応じた使い分けができます。

内蔵マイク

ZV-E1の内蔵マイク
ZV-E1の内蔵マイク

マイクについてはほとんどの機種ではできない指向性の変更ができて、カメラの前方、背後、全体から録りたい方向を選べます。

ウィンドジャマーで風切り音も防ぎやすいので、まずは内蔵マイクで初めて音質にも拘りたいとなったら外部マイクも検討するという形で良いと思います。

操作性

ZV-E1のモニター
ZV-E1のモニター

操作性についてですが、ファインダーがないので写真も動画も基本はモニターを使うことになります。

日中屋外では反射でモニターが見えづらくなることもあると思います。

モニタースペックも103万ドットの3.0型ということで正直控えめです。

ダイヤルも2つしかないので、F値、SS、ISO感度をそれぞれ割り当てておきたいという方には厳しいです。

グリップの形状も優れているとは言えなくて、中指の引っ掛かりが小さかったり深さもあまりありません。

重さ

重さは483gということで、コンパクト機種のα6700やα7CIIよりも軽くなっています。

どのカメラもそうですが、良いところと悪いところ、合う合わないがあるので、カメラ選びはトータルで考える必要があります。

実性能

続いて実性能についてお話します。

暗所性能

ZV-E1の暗所性能
ZV-E1の暗所性能

まず暗所性能についてですが、先ほどお伝えした通りかなり高い性能があります。

ノイズを抑えた撮影ができるベース感度が2つあって、静止画では80と1600、動画では640と12800です。

ZV-E1のノイズ(Log,ISO10000)
ZV-E1のノイズ(Log,ISO10000)
ZV-E1のノイズ(Log,ISO12800)
ZV-E1のノイズ(Log,ISO12800)

日中では低い方のベース感度を積極的に使って暗い環境では2つ目の感度を使うことでノイズをかなり抑えた撮影ができます。

F4レンズで夜景が撮れるくらいなので、ZV-E1には「SELP1635G」をつけていれば昼も夜も綺麗に撮れてしまいます。

僕は自撮りでVlogを撮ったりするので広角ズームが良いですが、同じくF4レンズのSEL2070Gもかなり相性が良いだろうとは思います。

注意したいところとしてはベース感度手前の感度つまり静止画だと1200あたり、動画だと10000あたりだとノイズが目立ちます。

とにかく2つ目のベース感度まで上げてNDやF値などで露出調整するようにしてください。

Logの基本は露出オーバーなので、ここもお忘れなく。

環境や被写体にもよりますが僕は+1.7か+2くらいで撮ることが多いです。

暗い場所に強いハズと思って適当な設定で撮ってしまうとノイズまみれになります。

歪み耐性

ZV-E1のローリングシャッター歪み
ZV-E1のローリングシャッター歪み

続いて歪み耐性についてです。

動画やサイレント撮影などで電子シャッターを使う場面では、「ローリングシャッター歪み」という現象が発生します。

ほとんどのカメラでは歪みを抑えるために静止画ではメカシャッターを使います。

積層型センサーのα9シリーズやα1については電子シャッターでもほとんど歪みません。

ZV-E1にはメカシャッターがなくて積層型センサーでもないので、歪みについては特にしっかり考えておく必要があります。

そして、実際の性能はどうかというと、積層型以外のセンサーの中ではかなり優秀です。

動画に関しては歪みが気になることはほぼないですし、静止画に関しても素早い被写体を撮らなければ特に問題にはならないと思います。

ただ、静止画の動体撮影用として使うのは心もとないので用途についてはしっかり考えておいてください。

熱耐性

続いて熱耐性についてです。

カメラには内部で発生した熱が悪さをしないように熱停止する仕組みがあります。

熱で異常をきたして停まるわけではなく、異常を出さないためにカメラがあえて停止しています。

熱暴走と熱停止を混同して使われていることも多いので注意してください。

そしてZV-E1は4K120Pやクロップなし4K60Pなども撮れる高い動画性能がありますが、熱を放出するための機構がありません。

具体的にはFX3やFX30にある空冷ファンでであったり、α7SIIIやα1などのグラファイト素材を使った放熱構造です。

これらがないので、基本的に熱には弱くて、長回しを前提にするのはあまりおすすめできません。

ただ25度の室内で熱停止検証をしたところ、4K60Pでも1時間30分以上撮影できていますし、僕自身YouTubeの撮影をバッテリーが切れるまで撮りっぱなしにしたりもしています。

結局、検証以外で熱停止したことがないんですが、熱停止を避けたい場面では

  • モニターを開く
  • 自動電源OFF温度を「高」にする
  • 低めのビットレートを使う

この3つは基本にしてください。

あとは外部給電しながらの撮影は温度が上がりやすい感じがしますし、HDMIの外部出力でも熱は出るので注意してください。

基本的なところですが、室温を下げたり、直射日光を避けたり、外付けの空冷ファンを検討してみるのも良いかもしれません。

AF性能

ZV-E1のAF性能
ZV-E1のAF性能

続いてAF性能についてです。

ZV-E1には「AIAF」があるので、ない機種と比べると被写体検出性能が全然違います。

AIAFは使えばすぐにわかる本当に大きなメリットです。

遠くにいる被写体を見つけてAFを合わせてくれたり、横向き、後ろ向きでも認識したり、マスクをしてても顔を認識して瞳にAFを合わせてくれます。

検出対象も人、動物、鳥、昆虫、乗り物と豊富になっています。

日常使いではこれ以上の性能が必要になることはほぼないと思いますが、高速の被写体を捉えるようなAFの速さについてはα9シリーズやα1の方が上になります。

向いてる用途

続いて向いてる用途についてお話します。

静止画

まず静止画についてですが、1210万の少ない画素数なのでトリミング前提で野鳥や動物を撮ったりするにはあまり向いていません。

ファインダーがなくて望遠でのフレーミングが難しいというのもあります。

あとメカシャッターがないので歪みが出るスポーツなどの動体撮影にも向かないと思いますし、フラッシュの同調速度もかなり遅いです。

ZV-E1の作例1
ZV-E1の作例1

ただ、SNSにアップしたりA4印刷くらいであれば1210万で画素数は十分ですし、無駄に画素数が多くてストレージを圧迫することもありません。

日常使い程度なら動体撮影も特に問題なくできます。

ZV-E1の作例2
ZV-E1の作例2

高い暗所性能を活かして夜景や暗い室内での撮影もできるので、日常使いで写真を撮るには実はかなり使いやすいカメラです。

動画

続いて動画についてです。

まず前提として熱停止やシングルスロットでのリスクを許容できる環境が望ましいです。

チームで仕事をしてたり、再現が難しくて繰り返し撮れないものを撮る場合、熱停止やデータに関する失敗はあってはいけないので、そういう環境にはおすすめできません。

ただ逆に個人撮影だったりある程度リスクを許容できるならこれ以上ないくらい使いやすいカメラです。

先ほどもお伝えしましたが、YouTubeの撮影はもうほとんどZV-E1で撮ってますし熱停止もしたことがありません。

シングルスロットだからといってデータに関して失敗したこともないので、考え方次第なところはあります。

日没後の動物撮影では暗所性能とAF性能の組み合わせが他の機種ではできないレベルなので本当に重宝しています。

まとめると、画素数の少なさとメカシャッター、ファインダーがないことが問題なければ静止画でも使えます。

ファイルサイズが小さいことや暗所性能などむしろメリットになることも多いです。

動画では熱停止やシングルスロットに問題がなければ、これ以上ないくらいの動画機になるという感じです。

ZV-E10II

続いてZV-E10IIが出るとしたらについてお話します。

ZV-E10が発売されて3年ほど経ってIIの噂が出てきているので、触れておこうと思います。

どんなカメラになる?

どんなカメラになるかですが、SONYのカメラがセンサーを流用してボディや機能で差別化していることを考えると、α6700のセンサー流用になるんじゃないかと思います。

α6700は2600万画素のAPS-Cセンサーで光学式補正あり、4K120Pも撮れるカメラで、ここからファインダーを削ったりして重さや値段を抑えてくるのかなという感じです。

ZV-E10シリーズはあくまでエントリー機なので、APS-Cのハイエンド的ポジションのα6700からどのくらいスペックを落として、ZV-E10からどのくらい値段が上がるかはポイントになると思います。

もちろん、α6700のスペックダウンと言われてもアピールにならないので新機能も出てくるんだろうとは思います。

なので、ZV-E1というよりα6700やZV-E10と比較される機種になるんじゃないかなと思っています。

おすすめ機材

最後におすすめ機材についてです。

レンズ

レンズは相変わらずですが「SELP1635G」が一番のおすすめです。

「SEL2070G」も標準領域まで撮れて良いと思いますが、インナーズームでパワーズームもあるという部分がポイントになっています。

ジンバルを使う時にレンズの長さが変わるとバランス調整し直しになるので、インナズームが良いということ、指一本で一定速度のズーム表現ができるというのが1635Gのメリットです。

室内のYouTube撮影では「SEL24F14GM」を使っていて、最近は「SEL35F14GM」で屋外撮影しています。

NDフィルター

F1.4で日中屋外だとSSが限界になったりするので、Nisiの可変NDで減光しています。

安い可変NDだとX字のムラが出たりしますが、Nisiのフィルターは出ないのでおすすめです。

これにNisinのブラックミストフィルターなども組み合わせられるとシネマティクな雰囲気が出やすいと思います。

ジンバル

ジンバルは相変わらずRS3miniを使っていますが、これ以上のスペックのジンバルは本当に要らないなという感じです。

実はちょっと前に水平機能に不具合を起こしたんですが、サポートに連絡したら無償で修理してもらえました。

ちなみにZV-E1はRS3miniの対応機種に入っていないんですが、普通にBluetooth接続して操作できています。

ということでZV-E1の1年レビューでした。

デメリットもありますが、自分に録ってはメリットが圧倒的に上なので、とても重宝しています。

カメラ選びは○×や0か100かではなくてトータルで考える必要があるので、じっくりカメラ選びしてもらえたらと思います。

機材選びの参考にしてみてください。

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