今回は、カメラ選びで一番大事な考え方についてお話します。
カメラが発表されると公式情報や、インフルエンサーのレビュー、ユーザーの口コミなど色んな情報が流れてきます。
情報がたくさんあるのは良いですが、評価がバラバラで、どれを信じれば良いのかわからないという方も多いと思います。
僕もカメラを10台以上使ってきてますが、それでも勘違いするような情報も流れています。
今回はそういった情報に惑わされずにカメラ選びするための「大事な考え方」についてお話するのでぜひ最後までご覧ください。
カメラ選びで一番大事な考え方
ではまず、一番大事な考え方についてお話していきます。
用途を掘り下げる
カメラ選びで1番大事なのは用途を掘り下げることです。
当たり前かもしれませんがカメラ選びは結局用途次第。
同じカメラを見ても、人の用途次第で評価が変わります。
用途の例
例えば「動物撮影」が中心のAさんはファインダーやグリップ、AF性能、連写速度などに重点を置いてカメラ選びをしています。
それに対してBさんは「ストリートスナップ」が中心で、コンパクトさやカラープリセットのカスタマイズ性、デザインなどにも重点を置いています。
用途が全く違うAさんとBさんが「AF性能」についてそれぞれ評価したら、Aさんはシビアな評価をするし、Bさんは甘い評価になります。
デザインについて評価をすると、Aさんはこだわりがなく、Bさんは細かい評価ができるかもしれません。
どちらが正しいということではなく、用途が違うと必要な性能も違うので評価が変わるということなんです。
なのでまずは、自分自身の用途は何なのか、目の前の意見は何の用途について話されているのかを考える必要があります。
ネット上では極端な意見も多いので、鵜呑みにはせず俯瞰して見るようにしてみてください。
用途に応じた必要な性能
続いて、用途に応じた必要な性能についてお話します。
実際の用途としては数えきれないほどあると思うんですが、大きく4つに分けて、必要とされる性能をあげていきたいと思います。
素早く動く被写体
まずは素早く動く被写体です。
野鳥や動物、スポーツ、乗り物などの動体撮影に必要な性能をあげていきます。
このあたりの用途では、大きくて重い望遠レンズを使うのがほとんどです。
深くてホールド感のあるグリップが望ましいですし、フレーミングのしやすさを考えるとファインダーも欲しいです。
AFについては被写体を見つける検出性能もそうですが、素早い動きでも機敏に追いかける高い追従性能も求められます。
AI検出だけあっても高速処理がないと、素早い動体には厳しいということです。
あとは撮り逃しがないように20枚を超えるような連写速度も欲しいです。
トリミング耐性も欲しいですが、SSを上げるために高感度耐性が必要になることもあります。
画素数と感度のバランスは一概に言いづらいです。
あと、歪みが出てはいけないのでメカシャッターや積層型センサーが必要になります。
動体撮影用のカメラは特に高い性能が必要になるので、高額になりやすいと思います。
動きがゆっくり目の被写体
続いて動きがゆっくり目の被写体です。
日常づかいでペットを撮ったり、ポートレート、野鳥や動物のとまっているところを撮る場合です。
望遠や大口径レンズを使うこともあると思うのでグリップやファインダーはあったほうが良いですし、こだわっても良いと思います。
AFについては被写体検出がしっかりしていれば、追従性能は特別高くなくていい場合が多いです。
ポートレートにフラッシュを使うならメカシャッターはほぼ必須で、歪みのことを考えてもあった方が良いと思います。
中望遠から標準あたりだと手ぶれ補正がないレンズも多いので、ボディには手ぶれ補正があった方が良いと思います。
大判印刷や強いトリミングをするなら画素数が多い方が良いですが、そうでないなら2000万画素くらいで十分じゃないでしょうか。
動きがゆっくり目の被写体はスタンダードモデルくらいでも撮れることが多いです。
動きのない被写体
続いて動きのない被写体。風景や物撮りなどです。
これらには必須の機能、性能はあまりなくて自由度が高い選び方になると思います。
グリップやファインダーは不要という人もいれば、機能よりもデザインという人、スペックよりもカラープリセットが大事という人もいます。
値段的にも手頃なものが選択肢に入ってきそうです。
ただ夜景、星景、暗い屋内などでは感度に振ってある低画素機の方が撮影のハードルが下がったりもします。
やっぱり細かい用途も考えながら選ぶに越したことはないです。
動画
最後に動画についてもお話しておきます。
今までの用途も踏まえつつ、動画独自の性能も考える必要があります。
まず解像度は4Kで撮れれば困ることはほぼないです。
6K、8Kは具体的な用途、目的が出てきてから考えれば良いと思います。
60Pや120Pあたりの高めのフレームレートは、滑らかな映像やスローモーションを撮るのに必要です。
逆に24P、30P撮れれば十分という人もいますし、スローを撮らなければ4K120Pは使わないと思うので、4K60Pが選ぶ境目になりやすいです。
フレームレートについてよくわからないという方は念の為4K60P撮れるカメラにしておくと、無難かもしれません。
あと、1時間を超えるような長時間の記録をするなら熱耐性についても考えたほうが良いです。
放熱構造が十分でない小型機は長時間撮影で熱停止しやすくて、逆に空冷ファンを搭載しているようなカメラは熱停止しづらいです。
これも用途次第なところがあって、涼しい屋内なら小型機でも長回しできたり、逆に真夏の日中屋外だと10分で止まったみたいな話もあります。
使う環境は人それぞれなので、熱停止についてはとにかくたくさん情報収集するのをオススメします。
Logで撮ったり動画を編集するなら編集耐性も考えておくと良いです。
色の調整をするならできれば4:2:2 10bitで撮れた方が良くて、調整しないのであれば4:2:0 8bitで十分です。
編集には静止画以上にPCスペックが求められるので、カメラの予算はその辺りも含めて決めた方が良いと思います。
用途が決まってない場合
続いて用途が決まってない場合についてお話します。
エントリー・スタンダードモデル
ここまでに、用途を考える重要さをお話してきましたが、用途なんて決まってないという人も大勢いると思います。
「スマホより綺麗に撮りたい」とか、「とりあえずチャレンジしてみたい」という人も多いはずです。
実際、僕も「スマホより綺麗な写真が撮りたい」というところから始めました。
今では動物、植物メインの写真に加えて、動画も撮るようになりました。
用途が決まってない方は、カメラ選びが一層悩ましくなると思いますが、個人的には手頃なエントリーモデルや選択肢が多いスダンダードモデルを買うのが一番良いんじゃないかなと思います。
変に尖ったスペックの機種は少なくて、浅く広く撮れて、値段的にもリスクが小さいです。
高いカメラの注意点
逆に高いカメラを買っておけば間違いないだろうと思う人もいるかもしれませんが、これにはいくつか注意点もあります。
重さ
まず、重くて大きいカメラだと持ち出すのが億劫になるかもしれないということです。
フラッグシップやハイエンドのカメラは機能や操作性に不足がないように色々詰め込んで、大きく重いものが多いです。
機能や操作性も大事ではありますが、気軽に持ち出してたくさん撮って、設定や構図を勉強していくのはもっと大事なことだと思います。
重さが理由で使わなくなる人も結構いるので、機能よりも軽さ重視でカメラを選ぶのも大いにありだと思います。
得意・不得意がある
注意点2つ目は、高いカメラにも得意不得意があるということです。
高いカメラならなんでもできるというわけではありません。
画素数が多いけど、暗い場所には強くなかったり、暗い場所に強いけど、画素数が少なかったり。
高いカメラなのに最新の機能がなくて、新しいスタンダードモデルにはついていたり。
高いカメラほど、専門分野に特化していて、日常づかいには向いてないということもあるので注意してください。
画質
注意点3つ目は、画質についてです。
画質にも要素が色々あるんですが、高いカメラは画質が全然違うということはあまりないと思います。
高いカメラはどちらかというと、厳しい条件でも撮影できたり、撮るのが難しい被写体も撮れるので高価になっていることが多いです。
日中屋外で風景を撮ったりしても画質に差を感じることはほぼありません。
「どのカメラを使っても同じ」という意見を目にすることもありますが、良い条件で難しくない被写体を撮る分にはそう感じる方もいるだろうと思います。
もちろん、センサーサイズによって画素数、暗所性能、ボケの強さは変わったりしますが、それを分かった上でフォーサーズやAPS-Cを選ぶ人もたくさんいるんです。
そもそも画質という言葉が幅広いので、最初は難しいかもしれませんが時間があるときにでも画質について掘り下げて知っておく必要もあると思います。
おすすめカメラ1選
最後におすすめカメラを1つだけ紹介しておきます。
これまでお伝えしたとおり、用途が決まっている方はそれに応じてカメラ選びをすれば良いので、決まってない方向けです。
初心者用で、たくさんの用途で使えて値段も上がりすぎないものを選びました。
SONYα6700
ということでおすすめカメラですが、SONYのα6700です。
このカメラは20万円ほどで購入できて、メカシャッターもファインダーも光学式手ぶれ補正もあります。
AIの優れた被写体検出と、2600万の画素数でストレスなく静止画撮影できます。
動画性能についても、4K60Pどころか4K120Pまで撮れて、4:2:2 10bitのLog撮影もできます。
僕自身はα6700に「SEL70350G」という軽い望遠レンズをつけて、動物撮影のサブ機として使っています。
動体撮影もするのでα9IIIがメイン機なんですが、止まりものならこっちがメインで良いくらいですし、動画を撮るなら軽いα6700を使います。
もちろん、レンズ次第で風景、物撮り、ポートレートにも使えるので、とにかく値段に対する選択肢の多さが魅力です。
APS-C機なので、そこが気になる方にはα7CIIもおすすめですはあります。
ただ、ファインダーとグリップが望遠撮影には向いてなくて、使えるフレームレートもα6700の方が上なので、この辺りはじっくり比較すると良さそうです。
ということで今回はカメラ選びで本当に大事な考え方についてお話しました。
カメラ選びの参考にしてみてください。
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