今回はLUMIX「S9」とSONY「α7CII」のローリングシャッター歪みを確認していきます。
発売前にカメラ界隈をざわつかせたLUMIX S9ですが、実際の性能はどうなのか確認していきます。
特に気になる人が多いと思うローリングシャッター歪みについて今回確認します。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。
S9とα7CIIの歪み比較
前置きはなしで早速、S9とα7CIIの歪みを比較します。
いつも通り、扇風機の羽の歪み具合を見ていきます。
歪みが大きいと右側の羽が長くなって、左側の羽が短くなります。
被写体ブレがあると歪みの比較ができないので、SSは1/4000まで短くして撮影します。
感度が数万まで上がっているのでノイズについてはご了承ください。
まずは静止画ですが、LUMIX S9の方が歪みは少ないようです。
続いて動画でも確認します。
設定ですが、まずはどちらも4K24Pで撮影してS9は6Kが使えるので6K24Pでも撮影します。
ということでまず4K24Pですが、やはりS9の方が歪みは少ないです。
そしてα7CIIは4K24PのままでS9は6K24Pにしますが、結果は全く変わらすです。
S9は4K24Pと6K24Pで歪み具合が同じなので、4K24Pは6Kオーバーサンプリングということもわかります。
ということで、S9とα7CIIでは、同じフルサイズの裏面照射型センサーですが、画素数が多いα7CIIの方が歪みやすいという結果です。
S9とα6700の歪み比較
続いてα7CIIよりも歪みに強い、α6700とも比較をします。
早速静止画から確認しますが、どうやらα6700の方が歪みは少ないようです。
今度は動画の4K24Pで比較をしますが、6K24Pは歪み具合が同じだとわかっているので省略します。
結果はやはりα6700の方が歪みは少ないです。
つまり、LUMIX S9はα7CIIより歪まないけど、α6700よりは歪むということです。
過去の検証結果から考えると、S9はNikon Zfと同じか少し良いくらいで、ZV-E10やα7RVと比べるとかなり歪みにくいです。
ただα6700と同じセンサーと言われるFX30より歪みやすくて、低画素機のα7SIIIやZV-E1とはさらに差があります。
α6700はAPS-C機ではありますが、4K120Pが撮れて値段もα7CIIやS9より安いので、かなりオススメのカメラではあります。
S9の歪みがどう影響するか?
続いて、S9の歪みが実際の撮影でどんな影響をするか考えていきます。
メカシャッターがない
先ほどの検証結果から、α7CIIなどより歪みにくいとう結果はでたものの、これはあくまで動画やサイレント撮影で使われる電子シャッターの場合です。
S9より歪みやすいα7CIIにもZV-E10にもα7RVにもメカシャッターという選択肢があって、メカシャッターがあれば静止画では歪みを考える必要はほぼありません。
動画やシャッター音を出せないような場面ではS9にメリットがありますが、それ以外の場面ではメカシャッターがある機種にメリットがあります。
そして動画に関しては、もちろん歪みが少ない方が良いんですが、静止画のように1コマをじっくり見られるわけではないですし、SSを長くしてモーションブラーを出した場合、被写体の歪みは目立ちにくくなります。
静止画の歪み
なので、S9で特に考える必要があるのは静止画の歪みです。
動物や乗り物を追いかけてカメラを振ったりすると、本来真っ直ぐの筈の柱が斜めに写ったり、カメラを振らずに通過する被写体を撮影すると、被写体が斜めに歪んでしまいます。
つまりS9は動体撮影には向かないカメラで、極端な話をすると鳥の飛翔などは仮にAFが合っても羽が歪んでまともな写真にはなりません。
逆に動きの少ないポートレートや、風景、物撮りなどでは電子シャッターでもほぼ問題ないと思います。
ただこの場合でもフリッカーの出やすさについては別途理解しておく必要がありそうです。
日常使いで歩く人やペットを撮ったりすると、歪みは少なからず出ますが、目立たなかったり気づかないレベルに納まりそうな気はします。
人やペットでも、走っているところを撮ると歪みます。
歪むか歪まないかというのは用途によるところが大きいですし、0か100かで言えるものでもないので、自分の用途に当てはめて考えるしかないわけです。
自分の用途に合ってるかを判断できる人はおそらく経験者であることが多くて、初心者の方には結構判断が難しいと思います。
撮影していくうちに撮るものが変わるというのもよくあることです。
選択肢を色々もっておきたいという方は電子シャッターについてじっくり考えてもらって、自分は電子シャッターで大丈夫という方が買うと良いのかなと思います。
ということでLUMIX S9のローリングシャッター歪みの確認でした。機材選びの参考にしてみてください。
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