SNSなどを見ていると「連写はしない方が良い」「連写は甘え」というような意見をよく目にします。
結論としては連写しても良いです。
もちろんシャッターの消耗はありますが、連写しないと撮れないものは間違いなくあります。
ただ筆者も「連写なんて使わなくて良い」と思っていた時期があるので、そう考えてしまうのが分からないわけではありません。
なので今回は、筆者の経験も踏まえて「連写はダメなのか?」について解説していきます。
この記事を書いているのは写真家のtomoです。
「日本の自然フォトコンテスト」など受賞経験も多数あり、撮影したシマエナガの写真はSNSで紹介されています。
連写をして良い理由
連写をして良い理由はシンプルに、連写しないと撮れないものがあるからです。
練習しても無理なものはある
「連写しないと撮れないのは甘え。練習しろ」という人が一定数います。
ただ「人の反応速度では絶対に間に合わない動き」や「経験を積んでも予想できない動き」が実在します。
あるいは「どれだけ計っても合わないタイミング」というのもあります。
これらは練習すれば撮れるようになるものでもありません。
そういったものにちゃんと向き合った経験がない方は簡単に「連写は甘え」と言ってしまいます。
写真界隈は自分の分野・範疇以外に対して視野が狭い人が本当に多いです。
できるだけ視野を広く持って想像力を働かせるように心がけましょう。
連写が必要な場面
連写が必要な場面はざっくり言うと「動体撮影」です。
動体撮影と言っても、動きが読めるものや遅いもの、タイミングを計りやすいものは連写が要らない可能性もあります。
特に連写が必要と言われるのはスポーツや野生動物、報道系あたりかなと思います。
これらは限られた機会の中で確実に成果を出す必要があり、成果を得るために連写を使うんです。
「連写なし縛り」のゲームをやっているわけではないので使って良いんです。
ポートレートでも精度や歩留まりを求められれば連写は必要でしょうし、風景でも一瞬を逃さないために連写が必要になることもあります。
連写なんて要らないと思っていた
筆者は元々風景をメインにしていて、「連写なんていつ使うの?」と思っていました。
風景で連写が必要な場面もあると思いますが、筆者はそうではありませんでした。
風景から鳥・動物メインに変わってもしばらく単写でしたが、動きものを撮るのには限界があり連写を使うようになりました。
小鳥の羽ばたきは1秒に10回以上です。
その1回の中でも羽が閉じているタイミングを避け、開いているところを単写で狙って撮れる人などいません。
運よく撮れる可能性もあるかもしれませんが、出会える機会が少ない珍しい鳥でもその運に頼るのでしょうか。
天気も光の向きも背景もバッチリでこんなシチュエーション二度とないという場面でも運に頼るのでしょうか。
そんなチャンスを逃さないための機能が連写です。
連写はダメと言われる理由
違う分野への理解不足
先ほどもお話した通り、連写はダメと言われるのは違う分野への理解が足りないことが大きな原因です。
これは風景や動物、ポートレートなどの「被写体」の違いだけではありません。
シチュエーションや、写真に対する考え方によっても違いは出てくると思います。
安定した環境設備で、撮影機会も増やせるなら連写と無縁な人もいると思います。
逆に限られた時間や撮影機会しかなければ、撮り逃しがあってはいけないので連写も必要になります。
また、趣味としてやっていれば「楽しみ方」として連写しないのはアリかもしれません。
逆に報酬をもらっているのに楽しみを優先するプロがいたらそれはまずいんじゃないでしょうか。
これらの組み合わせは千差万別ですが、その理解がないと「連写はダメ」と簡単に言ってしまうわけです。
シャッター耐久
メカシャッターは消耗品です。
その消耗を避けるために連写しない方が良いというのは一理あると思います。
ただこれは無闇に消耗させるなということで、必要な場面では連写して良いということです。
シャッター耐久を気にして千載一遇のチャンスを逃したら元も子もないです。
あと1秒20コマ以上の高速連写はメカシャッターではなく電子シャッターが使われることがほとんどだと思います。
電子シャッターなら消耗は気にしなくて良いですね。
「とりあえず連写」は…
「とりあえず連写すれば1枚くらい良いのがあるだろう」はあまりオススメしません。
構図や設定、タイミングなどを練った上でも無理な部分をカバーするための連写なら良いですが、そうでないなら単純に雑な撮影ですよね。
雑に撮っては成長もなければ成果も得ずらくなると思います。
連写は雑に撮るための機能ではなく、人の反応速度や精度の限界を補完するためのものです。
おそらく、この意味で連写はダメと言ってる人もいると思います。
ただ正確には「その前にやることがある」という話なので、ダメと言ってしまうのは極論的です。
まとめ
今回は連写はダメなのか?についてお話しました。
結論としては、連写しても良いです。
なぜなら、人の反応速度や精度には限界があって、それを補完するのが連写機能だからです。
特にスポーツや動物撮影などでは連写がなければ対応できない場面が多くあります。
SNS上では違う分野への理解が足りなくて「連写はダメ」という極論がよく取り上げられてしまいます。
世の中には0か100かみたいなことはほぼないので、極論系の意見はあまり反応しすぎないのが良いと思います。
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