2025年7月にSONY「RX1RIII」が発表されました。
結論からお伝えすると、かなり尖ったスペックなので使う人を選ぶと思います。
今回はSONYカメラを長く使ってきている筆者が、RX1RIIIのスペックを解説していきます。
RX1RIIIのスペック概要
RX1RIIIのスペック概要を紹介します。
紹介するのは次の項目です。
- センサーとエンジン
- 画素数
- 最大常用ISO感度
- レンズ
- 解像度とフレームレート
- 手ぶれ補正
- モニターなど
センサーとエンジン
RX1RIIIのセンサーサイズは「フルサイズ」です。
フルサイズはAPS-Cやフォーサーズより大きいため、画素数を増やすことができています。
画像処理エンジンは「BIONZ XR」。
SONYカメラでは最新のエンジンで、α7CIIやα1IIなどにも使用されています。
長く更新されていないエンジンでもあるので、目新しさはありません。
画素数
RX1RIIIの画素数は6100万画素です。
フルサイズセンサーのおかげで、かなりの高画素を実現しています。
α7RVやα7CRと同じ画素数なので、全く同じセンサーと思われます。
高精細でトリミング耐性のある写真が撮影可能です。
最大常用ISO感度
RX1RIIIの最大常用ISO感度は32000です。
最大常用ISO感度は暗所性能などの目安になります。
正直、フルサイズ機としては低めの数値でAPS-C機と同等くらいです。
高画素にして1画素の面積が小さくなったことが理由で、α7RVなどと同じ性能です。
暗い場所での撮影にはあまり強くないと思って良いです。
レンズ
RX1RIIIのレンズはボディと一体になっています。
焦点距離は「35mm」の単焦点レンズです。
広角と標準の中間で、風景から物撮り、ポートレートなど幅広く使われる画角です。
開放F値は「F2.0」です。
明るめのレンズなので、夜景などを全く撮れないわけではありません。ただとても明るいわけでもないです。
最大撮影倍率は「0.26倍」なので、マクロレンズまではいきませんが近接撮影もできます。
旧型のRX1RIIのレンズからアップデートされてない点が残念ではあります。
解像度とフレームレート
RX1RIIIは動画も撮影可能です。
ただ使える解像度とフレームレートは4Kで30Pまで、FHDで120Pまで。
「一応動画も撮れる」くらいのスペックです。
「4:2:2 10bit」や「XAVCフォーマット3種」も使えます。
手ぶれ補正
RX1RIIIはの手ぶれ補正は「電子式」です。
電子式補正は動画用の手ぶれ補正なので、静止画では効果を発揮してくれません。
モニターなど
RX1RIIIのモニターは「3型の236万ドット」です。
大きさは標準的ですが、ドット数が多いのでかなり高精細です。
ファインダーは「236万ドットで0.7倍」。
α7CIIやα7CRと同じスペックですが、高画素機としては少し心許ないとも思います。
また、モニターがバリアングルでもチルトでもなく固定式です。
モニターの向きを変えられず、ローアングルの撮影などが難しいので要注意です。
重さは498gとかなりの軽量なので、コンパクトさのために色んな機能・性能を削ぎ落としたという感じです。
RX1RIIIのメリット
ここからRX1RIIIのメリットを挙げていきます。
- 新クリエイティブルック
- コンパクトデザイン
- 高画素
- AF性能
新クリエイティブルック
SONYのカラープリセットであるクリエイティブルックに新種が追加されました。
もともとあったFLに、FL2とFL3が追加されています。
個人的にはFLの色味は好きなのですがコントラストが高い印象だったので、低めになったFL3が好印象です。
コンパクトデザイン
RX1RIIIの一番のメリットはやはりコンパクトさだと思います。
500gという軽さのおかげでフルサイズ機を気軽に持ち出せるのは良いポイント。
スマートなデザインで、街中で使っても目立ちすぎないというのもありそうです。
高画素
高画素なのも大きな強みです。
35mmの単焦点レンズではありますが、豊富な画素数を活かしてトリミングしても良いです。
広めに撮って後から調整すれば良いというわけです。
AF性能
RX1シリーズとしては初めてAIAFが採用されました。
AIAFがあると、人や動物を認識してAFを合わせてくれるので、撮影の難易度や精度がかなり改善されます。
RX1RIIIのデメリット
続いてRX1RIIIのデメリットを挙げていきます。
- モニター
- ファインダー
- レンズ性能
- 手ぶれ補正
- ファイルサイズ
モニター
モニターの向きを変えられない点は、このカメラの一番注意すべきポイントだと思います。
モニターを上向きにできるとローアングル撮影がしやすくなるのですが、それができません。
もちろん用途次第ですが、個人的には「これだけ高いカメラなのにモニターが動かないのは厳しい」という印象です。
ファインダー
ファインダー性能が高画素機としては控えめです。
α7CIIやα7CRと違ってアイピースカップがつけられるのは安心しました。
アイピースカップがあると遮光性やホールド感が全然違ってくるので大事なポイントです。
レンズ性能
当たり前ですが、単焦点レンズであることには注意です。
35mmの画角を理解した上で買う必要がありますし、そうでないなら買わない方が良いと思います。
このカメラを買う方はカメラ歴の長いベテランの方が多い印象なので、要らない心配かもしれませんが念の為挙げておきます。
また、先代のRX1RIIからレンズが変わってないのは寂しいし、6100万画素に解像度が対応できてるのか心配にもなります。
手ぶれ補正
光学式の手ぶれ補正がない点も注意です。
シャッタースピードに注意すれば全く問題ないという方もいると思います。
ただ夜景などの暗所撮影では、少しでもシャッタースピードを長くしたいことがあります。
そういう場面で手ぶれ補正が欲しくなることもありそうです。
ファイルサイズ
RX1RIIIは写真1枚のサイズがかなり大きいです。
具体的にはJPEGの写真1枚で40MBほど、非圧縮RAWだと120MBほどにもなります。
ストレージや編集のためにPCスペックも必要になるので気をつけましょう。

α7CRとの比較
RX1RIIIと近いスペックのα7CRと比較したい人もいると思います。

ということで大きな違いを確認していきます。
- レンズ交換式
- ファインダー
- モニター
- 手ぶれ補正
レンズ交換式
やはり一番大きな点はレンズ交換式かどうかです。
α7CRは好きなレンズに交換して焦点距離や開放F値を変えることができます。
選択肢の多さが違いというわけです。
ただα7CRは本体だけで515gあるので、重さの違いはかなりあります。
ファインダー
ファインダーのスペックは同じなのですが、アイピースカップの違いがあります。
α7CIIやα7CRにアイピースカップはついていないので遮光性と安定感が物足りないかも。
個人的にはとても気になるポイントですが、人によっては全然気にならないこともあります。
いづれにしろ一度ファインダーを覗いておくのをお勧めします。

モニター
α7CRはバリアングルモニターです。
モニターを左に展開してくるっと回転させられます。
手持ちの動画やローアングルでの撮影がしやすくなるので大事なポイントだと思います。
手ぶれ補正
α7CRには光学式補正が搭載されています。
手ぶれ補正のおかげでシャッタースピードを長くして夜景が撮りやすかったりもします。
高画素機はブレてないように見えても拡大するとブレてるということがあります。
やはり手ぶれ補正の安心感はあると思います。
個人的な結論
最後にRX1RIIIについて個人的な結論を書いておきます。
このカメラはスペックや自分の用途を熟知したベテラン向けのカメラだと思います。
見た目やインフルエンサーの意見だけで買ったりすると大いに後悔する可能性があります。
逆に「こんなカメラが欲しかった」「自分の用途にぴったり」という人もいると思います。
不安要素がある方は一度冷静になって、不安をしっかり潰して選択して欲しいなと思います。
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