α7IVのスペックや他のカメラとの違いを知りたい。
α7IVはフルサイズ機だし、スペックが高そうなのはなんとなく分かりますよね。
でも、「何がスゴイ」とか「何に向いてる」とかってスペック表を見るだけでは分かりづらいものです。
今回はα7IVのスペックを紹介しつつ、α7IVが他のカメラと比べてどう良いのか、逆に何が足りないのかを分かりやすく解説します!
ちなみに、この記事の筆者は写真家兼ライターの「とも」です。
全国を旅しながら風景を撮影しています。
そんな筆者はα7IVだけでなく、「α7III」やAPS-C機の「ZV-E10」なども使用しています。
色んなカメラで撮影してきた筆者なので、ユーザー目線で皆さんに役立つ情報をお伝えできると思っています。
ということで今回は「α7IVのスペックを分かりやすく解説!【他機種との比較】」というテーマでお話します!
α7IVのスペック紹介
まずはα7IVのスペックを紹介します。
SONYのホームページのように、なんでもかんでも載せると分かりづらいので、カメラ選びに重要なスペックだけ抜粋します。
ということで抜粋したスペックがこちらです。
- センサーサイズ:フルサイズ
- 画 素 数:3300万画素
- 最 大 I S O:204,800
- 手 ぶ れ 補 正:光学式5軸+アクティブ
- 動 画 解 像 度:4K,フルHD
- フレームレート:4K60P,フルHD120Pまで
- 動 画 b i t 深度:8bit,10bit
- 背面液晶タイプ:バリアングル
- 重 さ:658g
- 値 段:30万円前後
かなり減らしたつもりですが、上の項目についてはぜひ押さえておいて欲しいです。
ということで、それぞれの概要を簡単に解説していきます!
センサーサイズ
α7IVのセンサーサイズは「フルサイズ」です。
センサーサイズとはカメラが光を受け取るセンサーの大きさのこと。そのままですね。
基本的に、大きいほど画質面で有利ですが、その分大きさや重さが増大します。
フルサイズは、同じく一眼カメラで主流の「APS-C」より大きいサイズなので、画質は良いけどその分大きいといった感じです。
画素数
α7IVの画素数は「3300万画素」です。
同じフルサイズ機でも「α7RIV」の6100万画素や「α7SIII」の1200万画素など色々あります。
画素数が多いと細部まで緻密に表現できるメリットもありますが、暗所撮影に弱くなるなどのデメリットもあります。
α7IVの画素数は標準よりやや多めといった感じでしょうか。
最大ISO
α7IVの最大ISO感度は「204,800」です。(拡張ISO)
最大ISO感度は、大きいほど暗所での撮影に強くなり、夜景や星景撮影でノイズも出にくいです。
α7IVの感度はフルサイズ機としては標準的だと思いますが、やや多めの画素数でこの感度を保てているなら上等ではないでしょうか。
手ぶれ補正
α7IVには「光学式5軸手ぶれ補正」と動画用の「アクティブモード」が搭載されています。
手ぶれ補正には光学式と電子式があり、光学式は動画でも静止画でも使えて、クセも少ないので使いやすいです。
また、画角が狭まる代わりに手ぶれ補正効果が高まる「アクティブモード」も動画で使用可能。
アクティブモードは搭載されているカメラがまだ少ないので、α7IVは動画撮影でかなり有利です。
動画解像度
α7IVの動画解像度は「4K」と「フルHD」の2つです。
4Kは3840×2160pxで、フルHDは1920×1080pxの画素数なので、4Kの方が解像感のある映像になります。
最近は4K映像を撮れるカメラがほとんどなので、動画解像度は標準的という感じです。
フレームレート
α7IVのフレームレートは最高「4K60P」と「フルHD120P」です。
フレームレートは映像1秒間に使われる写真の枚数と捉えて貰えばOK。
24P、30P、60P、120Pなどがあり、数字が大きいほど映像が滑らかになりますが、映画やアニメでよく使われる24Pをあえて好んで使う人もいます。(僕です)
フルHD120Pなら5倍スローモション映像なども作れますし、4K60Pはかなり滑らかな映像になります。
4K60Pを撮れるカメラはまだ多くはないので、フレームレートでもα7IVは優秀です。
動画bit深度
α7IVの動画bit深度は「8bit」と「10bit」です。
bit深度とは色情報の細かさみたいなもので、大きいほど映像の繊細さが増し、カラーグレーディングなどにも強くなります。
ほとんどのカメラは8bit撮影対応で、上位機種だと10bitにも対応している感じです。
α7IVがこの価格帯で10bit対応しているのはかなり嬉しいです。
背面液晶タイプ
α7IVの背面液晶は「バリアングル」タイプです。
液晶のタイプには縦に動くチルトと、横に開いて回転するバリアングルがあり、バリアングルの方が自由度が高いです。
自撮り撮影するにもバリアングルが有利なので、とりあえずバリアングルでよかったという感じ。
重さ
α7IVの重さは「658g」です。
フルサイズ機なのでAPS-C機より重いですが、他のメーカーと比べるとやや軽めです。(Canon EOS R6は680g、Nikon Z6は675g)
旧型のα7IIIは650gですが、たった8g増に対して性能進化はかなり大きいです。
値段
α7IVの値段は「30万円前後」です。
旧型のα7IIIは発売開始時22万円ほどだったので、かなり値段が上がった印象です。
ただ、動画機としてハイスペックなα7SIIIに近いスペックを持ちながら10万円ほど安い価格なので、性能から考えれば高くはありません。
しかし、ミドルクラスのカメラとしては高いとも言えますね。
α7IVからの新たな機能
せっかくなので、α7IVで初めて追加された新機能も紹介しておきますね。
それはこちらです。
- フォーカスマップ
- ブリージング補正
- 動画用鳥瞳AF
それぞれ簡単に解説します。
フォーカスマップ
フォーカスマップはピントが合っている範囲を視覚化するものです。
これまでもピントが合っている箇所に色がつく「ピーキング設定」というものがありましたが、その上位互換みたいな感じですね。
ピーキング設定とは逆に、ピントが合ってない範囲に色が塗られる仕様です。こっちの方が見やすいかもしれませんね。
ただ映像の全体像が見づらくなるので、使わない人はずっと使わなそう。
ブリージング補正
動画でのブリージングを補正する機能です。
ブリージングとは、ピント位置を変えることで映像の画角が変わってしまう現象です。
せっかく綺麗に決めた構図がピント合わせしてるうちにズレてしまったり、AFが動く度に画角が変わると目も疲れてしまいます。
ブリージング補正があれば構図を崩すことなく、滑らかなフォーカシングができそうですね。
ただ、対応しているレンズは限られていて、SONY純正のGレンズやGMレンズの一部が対象となるようです。
ちょっとハードルが高い機能ですね
動画用鳥瞳AF
動画撮影時に鳥の瞳にピントを合わせてくれます。
人の瞳AFや動物の瞳AFは今までもあったし、フラッグシップ機であるα1では写真の鳥瞳AFが搭載されていました。
しかし、動画で鳥瞳AFが使えるのはα7IVが初めてです。
小さかったり遠くにいる鳥の瞳にピントを合わせるのはとても大変。もともと鳥を撮ってた人には嬉しい機能だし、新たに挑戦してみようかなという気にもなりますね。
α7IVと他機種の比較
α7IVのスペックを確認できたので、ここからは他機種との比較をしてみます。
比較することでα7IVのメリット・デメリットを押さえていきましょう。
比べるのはこちらのカメラです。
- α7III
- α7SIII
- ZV-E10
早速、比べていきます!
α7III
旧型であるα7IVと比べるとα7IIIにはこんな特徴があります。
- 値段が安い
- 動画で劣るが写真はそんなに変わらない
- 液晶がチルト式
先ほどもお伝えした通り、α7IVは値段が8万円ほど上がっています。
その分、動画性能は飛躍的に上がっていますが、写真性能はそうでもありません。画素数を求めるならRシリーズを買った方が良いし、最大ISOは変わらずです。
バリアングル液晶も、どちらかというと動画撮影に好まれます。(もちろん写真でも役立つ)
つまり、α7IIIからα7IVへの進化は動画性能が中心ということです。
α7SIII
動画機として名を馳せたα7SIIIは、α7IVと比べるとこんな感じです。
- 値段が高い
- 4K120Pが撮れる
- 暗所性能が高い
- 画素数が少ないので写真は厳しい
α7SIIIの値段はα7IVより10万円ほど高いです。
その分動画性能は高く、α7IVでは撮れない4K120Pが撮影可能。また、最大ISOも高いので暗所性能も抜群に良いです。
アクティブモードも搭載されているので、動画性能ではα7SIIIに軍配が上がります。
ただ、α7SIIIは高感度を得るために画素数が1200万しかありません。これで写真を撮ると、大判印刷やトリミングが厳しくなります。
α7IVは動画性能こそ劣りますが、写真も撮れるオールラウンダーです。
ZV-E10
APS-C機であるZV-E10はα7IVと比べてどうでしょうか?
- 圧倒的に安い
- 写真も動画も性能が劣る
- ただ値段ほどの差はない気もする
ZV-E10はセンサーサイズが小さいAPS-C機ではありますが、写真も動画もそれなりにこなす優秀なカメラです。
もちろんα7IVには劣る性能ですが、たった8万円ほどのカメラにしてはやり過ぎ感すらあります。
コンパクトさもメリットなので、人によっては「これさえあれば良い」という感じでしょう。
α7IVは確かに優秀ですが、コスパで考えたらZV-E10が上だと思います。
α7IVを買うべきでない人
他機種との違いもわかったので、「α7IVを買うべきでない人」もなんとなくわかってきました。
買うべきでないのは次のいずれかに当てはまる人です。
- 写真中心で動画を撮らない
- 動画性能に妥協したくない
- 一眼カメラを始めたいだけ
それぞれについて解説します!
写真中心で動画を撮らない
α7IVは旧式であるα7IIIと比べて値段は上がりましたが、写真性能はあまり変わっていません。
写真しか撮らないのにα7IVを買うと、ただの高い買い物になるかも。
しかし、野鳥撮影などする人は少し話が違うかもしれません。
α7IVはF22まで像面位相差AFが働くので、テレコンをつけてもAFがバンバン働いてくれます。写真の鳥瞳AFがあるのも強みですね。
ただ、本格的に野鳥を撮るならもっと高解像で位相差AFも働く「α9II」や「α1」などを使う方が良さそうな気もします。
動画性能に妥協したくない
動画性能に妥協したくないなら、α7SIIIやFX3などを購入した方が良いです。
α7IVは4K60P撮影すると画角が1.5倍狭まります(クロップと言います)。しかしα7SIIIならクロップ無しで4K60Pが撮れるし、なんなら4K120Pまで撮影できます。
暗所性能もα7IVが劣るので「動画バッチリ・写真そこそこ」のカメラにしたいならα7SIIIにしておきましょう。
一眼カメラを始めたいだけ
とりあえず一眼を始めたくて「なんだか良さそう」でα7IVを買おうとしてるならちょっと待った方が良いかも。
お金に余裕があるなら良いですが、コスパの高いカメラはもっと他にあります。
APS-Cとフルサイズの違いがイマイチわからないようなら完全に急ぎすぎでしょう。
APS-C機の「ZV-E10」なら写真も動画もそこそこ撮れるし、レンズ交換もできてたったの8万円です。
ZV-E10についてまとめた記事もあるので、そちらも見た上でα7IVの購入を考えてみてはどうでしょう?
α7IVを買うべき人
続いて、α7IVを買うべき人はこんな人です。
- 写真も動画も本格的にやりたい
- フルサイズの大きさ重さに耐えられる
- フルサイズ用レンズを買う覚悟がある
それぞれ解説します。
写真も動画も本格的にやりたい
「写真だけでも動画だけでもイヤ」かつ「本格的にやりたい」場合はα7IVを強くオススメします。
どれかに突出しようと思ったら別の機種が良いですが、「1台でオールラウンドに」と思ったらこのカメラはかなり良いです。
筆者もまさにそんな感じなのでα7IVを購入しました。
フルサイズの大きさ重さに耐えられる
フルサイズ機の大きさと重さを舐めてはいけません。
本体だけなら658gですが、当然これにレンズが加わります。
フルサイズ用レンズの重さもピンキリですが、カメラと合わせて1kgくらいを想定しておいた方が良いし、望遠レンズを使い出すと2〜3kgになります。
三脚を持ち歩いたり、ジンバル撮影などを始めると本当に大変です。
筆者は30代の男ですが、動画撮影は腕プルプルでいつも体力勝負だなと思っています。
ぜひ一度、レンズ込みのフルサイズの重さを体感してから購入してください。
フルサイズ用レンズを買う覚悟がある
フルサイズ用レンズの値段は本当に馬鹿になりません。
10万円前後が当然で、良いものを選ぶと数十万円の出費になります。
しかも1本あれば十分ということはまず無くて、用途や利便性に応じて買い足したり買い換えなければなりません。
トータルの費用を考えると、APS-Cとフルサイズではとんでもない差になるでしょう。
この費用負担に耐えられそうな人はα7IVを買って良さそうです。
α7IVスペックまとめ
今回はα7IVのスペックを紹介した上で、他機種との比較と、買うべきかどうかまで考えてみました。
内容をザッとまとめておきます。
まずα7IVの基本的なスペックはこちらです。
- センサーサイズ:フルサイズ
- 画 素 数:3300万画素
- 最 大 I S O:204,800
- 手 ぶ れ 補 正:光学式5軸+アクティブ
- 動 画 解 像 度:4K,フルHD
- フレームレート:4K60P,フルHD120Pまで
- 動 画 b i t 深度:8bit,10bit
- 背面液晶タイプ:バリアングル
- 重 さ:658g
- 値 段:30万円前後
これらを踏まえて、α7IVを買うべきでない人を考えてみました。
- 写真中心で動画を撮らない
- 動画性能に妥協したくない
- 一眼カメラを始めたいだけ
旧式のα7IIIと比べて値段は上がっていますが、写真性能はそこまで変わっていません。写真しか撮らない人にはあまりお勧めできないかも。
動画性能がかなり向上しているものの、4K120P撮影できないなど、α7SIIIほどの性能はありません。
一眼カメラを始めたいだけなら、あまりにも高い買い物です。もっとコスパの良いカメラがたくさんあるので、そちらを調べてみては。
逆に、α7IVを買うべき人はこんな人です。
- 写真も動画も本格的にやりたい
- フルサイズの大きさ重さに耐えられる
- フルサイズ用レンズを買う覚悟がある
α7IVは写真でも動画でも高いスペックを発揮する「オールラウンド機種」です。
間違いなく素晴らしい戦力になってくれます。
しかし、レンズと合わせて1kg(場合によっては数kg)にもなるフルサイズ機を持ち歩いたり、撮影で使うのは結構大変です。
また、フルサイズ用レンズは高価なものが多く、レンズを買い換えようにもなかなかハードルが高いです。
α7IVは身体と金銭の負担も理解した上で購入してほしいですね。
以上、今回はα7IVのスペックに関する記事でした。この記事が皆さんのお役に立てば嬉しいです。
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