メリット
ここからはα6700とSEL70350Gの性能・機能について解説していきます。
まずこの組み合わせのメリットから紹介していきます。
軽さ
まず1つ目のメリットは軽さです。
野鳥撮影でネックになるのが望遠レンズの重さで、あまりに重い組み合わせだとまず撮影に持ち出すことから大変なので注意が必要です。
Eマウント用望遠レンズの重さをいくつか比べてみます。
- SEL200600G:2.1kg
- TAMRON150-500mm:1.7kg
- SEL100400GM:1.4kg
- SIGMA100-400mm:1.1kg
フルサイズ用レンズだと1.5kg前後が当たり前なんです。
そんな中でSEL70350Gは数少ないAPS-C用の望遠ズームで、重さは625gしかありません。
カメラ本体の重さもα6700は493gでフルサイズ機とは200g前後の差があります。
僕が使っているセットで考えると、フルサイズ機と200600Gで2.8kg、α6700とSEL70350Gで1.1kgほどです。
1.1kgでも結構重く感じる人もいると思いますが、フルサイズ機と比べると負担は全然違います。
僕も冬場は毎日のように野鳥撮影しますが、ずっとフルサイズだと体のどこかしらに不調が出てくるので、α6700とSEL70350Gの組み合わせも挟みながら撮影しています。
この組み合わせだとカメラポーチにも入るので、持ち運びもかなり楽です。
AIAF
続いてメリット2つ目はAIAFです。
野鳥撮影用のカメラの機能として重要なものにAF性能があります。
そしてAF性能にも素早く動く被写体を追いかけられる「高速追従性能」と被写体を見つけてピントを合わせる「被写体検出性能」があります。
枝に止まっている野鳥が飛び出した瞬間を捉えようとすると高速追従が必要。
障害物の隙間から顔が見えるような状況や距離がある場合は検出性能が必要という感じです。
高速追従については、α1やα9シリーズのようなごく一部のカメラでないと高い性能は期待できません。
とても高価な機種ですし、瞬発的な動きを撮らない限りそこまで求めなくても良いと思います。
被写体検出については、ミドルクラスくらいのカメラでも高い性能が期待できて、その中でもAIAFを搭載している機種は特に検出性能が高いです。
α6700はAIAFを搭載している機種で現状一番安価なカメラなので、かなりコスパが良いカメラなんです。
野鳥撮影用でカメラを選ぶなら被写体検出性能の高さも検討材料にすると良いと思います。
操作性
メリット3つ目は操作性です。
α6700はコンパクトなAPS-C機ながら、野鳥撮影まで耐えられる高い操作性があります。
まずファインダーですが、野鳥撮影ではファインダーは絶対と言っていいほどあった方が良いです。
ファインダーがないと撮れないわけではないんですが、目視とモニターで方向が違うと方向感覚が狂ってなかなかフレーミングできません。
ファインダーなら方向が一致してるのでフレーミングしやすいです。
これは広角や標準画角ではなかなかわからないことなんですが、望遠撮影では本当に大事なポイントです。
そしてファインダーにもアイカップというものがあります。
アイカップはファインダーと目の隙間を埋めて遮光するものですが、目の周囲に当ててカメラを安定させられるのが重要です。
これもやはり広い画角だったり軽いレンズだとよくわからないと思いますが、重い望遠レンズではより安定性が必要になるので大事なポイントです。
α6700は望遠撮影も想定しているのかグリップが深くて握りやすい形状になっています。
撮影でも安定しますし、片手で持ち歩いても全然安定するくらいなので、僕はネックストラップも付けていない状況です。
野鳥撮影ではファインダーとアイカップの有無とグリップ形状は特に重視した方が良いと思います。
値段
メリット4つ目は値段です。
APS-C機ということもあって、フルサイズのセットを購入するのとでは値段がかなり違ってきます。
α6700とSEL70350Gの組み合わせも30万ほどするので、大きな負担なのには間違いないです。
ただ、例えば人気のα7RVと200600gの組み合わせでは80万近くするので、また全然レベルが違ってきます。
実はα6700のセンサーはα7RVをそのままAPS-Cサイズに切り取ったものです。
トリミング耐性では劣りますが、高感度耐性は大きくは変わらないということが以前の検証でわかっています。
それぞれの機種にメリットがあるのでフルサイズなら良い、高ければ良いというわけではなく、カメラのメリットを自分がどう活かせるかで考えた方が良いと思います。
デメリット
続いてデメリットについてお話していきます。
焦点距離
まず1つ目は焦点距離です。
70-350mmはフルサイズ換算で105から525mmということで超望遠領域まで撮影できるレンズです。
作例でも紹介した通り、500mmあれば小さな野鳥も撮れますし、この組み合わせで特に小さいシマエナガなども撮れている状況です。
ただ当たり前ですがより遠くの野鳥を撮るには600mmの方が良いですし、SEL100400gmやSEL200600gには「テレコンバーター」という選択肢もあります。
テレコンはレンズとカメラの間につけることで焦点距離を伸ばすものですが、SEL70350Gやサードパーティレンズには対応していません。
F値が大きくなって、暗くなったり画質が落ちたりというデメリットがありますが、テレコンの選択肢はやっぱりメリットです。
加えて、高画素のα7RVだと600mmで撮っても1.5倍トリミングすれば900mmの2600万画素になるので、高画素機にはそういうメリットもあります。
α6700に600mmをつけても900mmの2600万画素になるのでその選択もありますが、900mmだとフレーミングが難しくなるのとボディとレンズがアンバランスになります。
より大きい焦点距離が使える方が良いけど、多くの人にとって軽さのメリットの方が上回りそうなので今回の組み合わせをおすすめしています。
操作性
デメリット2つ目は操作性です。
メリットの部分でお話したファインダーなんですが、α6700のファインダーはカメラの肩の位置にあります。
レンズの真上にあるのとでは水平方向のズレが生まれるので、フレーミングに影響があるという方もいます。
ここは撮影の難易度や人にもよる気がしていて、個人的にはほとんど気にならないポイントです。
あとフォーカスリングとズームリングがやけに硬いというのがあります。
広角で被写体を見つけてズームして望遠で撮るという時にちょっと力がいるなと思います。
あまり緩すぎると勝手に伸縮するのでそれも良くないんですが、もうちょっと緩いかSEL100400GMみたいに調整までできたらよかったなとは思います。
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