こんにちはともです。
今回はドローン撮影を始める前に知っておくべきことというテーマでお話します。
ドローンを使えば空からの迫力ある映像や、俯瞰した景色などが撮れて撮影の選択肢をかなり増やすことができます。
ただ関係する法律や手続きが難しそうで、とっつきにくいイメージもあると思います。
僕も漠然とした不安がありながらもドローンを導入しましたが、今となってはもっと早くに導入すればよかったと思っています。
漠然とした不安が漠然なままだとなかなか手が出せないので、今回は漠然とした部分を具体的に理解するという目的でお話したいと思います。
デメリット的な内容が多くはなると思いますが、ドローン撮影は選択肢や表現を広げられて何より楽しいものということを踏まえて、ぜひ最後まで聴いていただけたらと思います。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、文字より動画が良いという方はこちらをご覧ください。
ドローンを飛ばせる場所
ではまず飛ばせる場所についてお話します。
ドローンの漠然とした不安の1つは、どこで飛ばせるのか分からないというものなので、ここを理解していきます。
最初は法律の話をするのでややこしいですが、後から具体的に飛ばせそうな場所もお話します。
ドローンを飛ばせる場所を縛っているのは基本的には「航空法」と「小型無人機等飛行禁止法」、あと「民法」です。
100g未満の機体には航空法の適用がありませんが、100g未満だと機体やカメラの性能も限られるので、今回は100g以上前提でお話します。
航空法と小型無人機等飛行禁止法
まず航空法と小型無人機等飛行禁止法の縛りについてです。
航空法で飛行が禁止されている空域は次のとおりです。
- 空港等の周辺の空域
- 緊急用務空域
- 地表面又は水面から150m以上の高さの空域
- 人口集中地区の上空
ややこしいのでかなり簡単にまとめると、飛行機などが飛びそうな場所や建物や人が多そうな場所では飛ばしてはいけないということです。
そして小型無人機等飛行禁止法で定める施設の周囲でも飛行はできません。
その施設は次のとおりです。
- 国の重要な施設等
- 対象外国公館等
- 対象防衛関係施設
- 対象空港
- 対象原子力事業所
こちらはとにかく国の機密や安全性上、重要な施設の周りで飛ばしてはいけないということですね。
逆に言えば、飛行機が飛ぶような場所でもないし、建物や人もいない場所なら飛ばせる可能性が高いです。
今お話したのは「空域」の縛りなので、航空法における「飛行方法」の縛りもお伝えしておきます。
- アルコール又は薬物等の影響下で飛行させないこと
- 飛行前確認を行うこと
- 航空機又は他の無人航空機との衝突を予防するよう飛行させること
- 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと
- 日中(日出から日没まで)に飛行させること
- 目視(直接肉眼による)範囲内で無人航空機とその周囲を常時監視して飛行させること
- 人(第三者)又は物件(第三者の建物、自動車など)との間に30m以上の距離を保って飛行させること
- 祭礼、縁日など多数の人が集まる催しの上空で飛行させないこと
- 爆発物など危険物を輸送しないこと
- 無人航空機から物を投下しないこと
縛りの数は多いですが、言い方を変えると、飲酒してない状態で、人や建物がないところ、危ない物を積んだり落としたりせず見える範囲で飛行させれば大丈夫ということです。
ちなみに、夜間飛行や目視外飛行、イベント撮影なんかをする場合には国交省に申請して許可が得られれば撮影できます。
民法
そして航空法などに加えて民法の縛りもあります。
民法の縛りというのは「土地の所有権」のことです。土地の所有権は上空にまで及ぶので、人の土地の上空で飛ばすには所有者の許可が必要なんです。
今までお話した縛りだと、とりあえず山手や田舎なら撮影できそうですが、山でも田んぼでも所有者や管理者はいるので、その許可を取らないといけません。
ただ土地の所有者を調べるには法務局で「公図」や「要約書」をとったりしないといけないので、手間も費用もかかってそう簡単にできる物ではありません。
なので個人的には、行政が管理する土地で飛行するのがハードルが低いように思います。
行政が管理する土地というのは例えば河川や海岸、公園などです。
この辺りなら土地の境界がある程度わかりやすいですし、法務局で所有者まで調べる必要もないです。
ただ、公共の土地だから勝手に飛ばして良いということではなく、許可が必要な可能性もあるので確認は必ずしておきます。
管理者に連絡してみて「ここでドローンをこういうふうに飛ばしたいんですが許可は必要ですか?」と率直に聴いてしまうのが良いです。
人通りや施設がないような場所ならその場でOKがもらえる場合もあるし、人が多いような場所だと許可申請に関わる例規があって「許可申請してください」と言われるかもしれません。
申請してくださいと言われたら申請しても良いし、別の場所を探しても良いです。
個人的には、人の少ない河川敷なんかは危険性もないし広い範囲で飛行できるので相談してみる価値が大いにあると思います。
管理者は河川の等級によって違って、1級河川なら「国土交通省」、2級河川なら「都道府県」、普通・準用河川なら「市町村」が管理しています。
1級、2級河川なら「○○川 管理者」と調べると出てくると思うので、管理者を確認して相談してみてください。
海岸や公園、道路なんかも規模や種類によって管理者が違いますし、山林でも国有林なら森林管理所に入林届けを提出すれば飛ばせたりします。
まとめると、ドローンを飛ばせる場所は航空法や民法などで決まっているので、法律に触れない範囲で、所有者から許可を貰えば飛ばせるという感じです。
機体登録と許可と資格
ここまで飛ばせる場所についてお話したので、続いて機体登録と許可と資格についてお話します。
機体登録
ドローンを購入したら、まず「機体登録」というのをする必要があります。
これは機体の事故が起こった時に所有者を確認したり、機体の安全性を国が確認するためのものです。
「ドローン登録システム」でネットで登録しますが、最近は登録方法の解説もいろんなところでされているのでそんなに苦労しないと思います。
ただ気をつける必要があるのは「リモートID」です。
登録するドローンには識別情報を発信するために、リモードIDというものがないといけないんですが、買うのに数万円かかるし機体も重くなります。
最近のドローンにはリモートIDを内蔵しているものもあるので、これを踏まえてドローン選びをすると良いように思います。
機体登録ができたら、IDの初期設定をして、登録番号を機体に表示してやっと飛ばせるようになります。
許可申請
そして、飛ばせる場所の解説でお話したとおり、禁止されている飛行方法も許可申請することで飛ばせるようになります。
中でも複数の飛行方法について一定期間の申請をすることを「包括申請」と言って、これなら撮影の都度申請をする必要がありません。
ただ、趣味の範疇では包括申請できませんし、許可されるには飛行方法に応じた飛行実績が必要になります。
実績を作ろうにも、夜間飛行などは禁止されているわけなので、屋内で夜間飛行と同じ状況を作って訓練しないといけません。
そういう環境を個人で作るのは難しいのでドローンスクールで実績を積んだりするわけです。
資格
そして2022年12月5日からは「ドローンの国家資格」が運用されます。
国家資格を取ることで、ほとんどの飛行方法について申請が不要になるので、仕事でも趣味の範疇でも資格をとる人は多いと思います。
今までは民間資格を持っていても申請は必要でしたが、国家資格があれば必ずしも申請はいらなくなります。
国家資格には「2等」と「1等」があって、2等があればほとんどの承認申請は不要になります。
しかし、有人地帯での目視外飛行をする場合は2等ではなく1等を持っている必要があるし承認申請も必要です。
あと、包括申請で十分という人やそもそも禁止されている飛行方法で飛ばさないという人は現状、無理に資格をとる必要はなさそうです。
自分の用途に資格や許可が必要かどうかは予め調べておくとよさそうです。
今回はドローン撮影を始める前に知っておくべきことについてお話しました。
ドローンを飛ばすにあたっての縛りは正直言ってかなり多いんですが、ほとんど縛られない場所や撮影方法もあります。
あとは、機体登録や土地所有者への確認を忘れなければドローン撮影を楽しむことができると思います。
撮影や機材選びの参考にしてみてください。
コメント