かわいい姿が人気の「ナキウサギ」。
北海道に生息しているという話は聞くけど、それ以外にはいないのでしょうか?
そして、その理由は何故なのでしょうか?解説していきます。
この記事を書いているのは動物写真家の奥睦志(おく ともゆき)です。
撮影した写真はSNSでも紹介されています。
ナキウサギは北海道にしかいないの?
結論からお伝えすると「エゾナキウサギ」は北海道にしかいません。
しかし、ナキウサギは北海道以外にもいます。
「どういうこと?」となった方もいると思うのでしっかり解説します。
ナキウサギは北海道以外にもいる
エゾナキウサギはキタナキウサギの北海道固有亜種です。
ウサギの中にナキウサギがいて、ナキウサギの中にキタナキウサギがいます。
キタナキウサギは9種いて、そのうち1種がエゾナキウサギです。
つまり、ナキウサギという大きなくくりだと北海道以外にもいるけど、エゾナキウサギは北海道にしかいないということなんです。

日本では北海道にしかいない
日本に生息しているナキウサギはエゾナキウサギだけです。
ナキウサギは現在世界で30種が確認されていますが、日本では北海道にしかいません。
国内でナキウサギを探すなら北海道にいくしかないということですね。
日本で北海道以外にいない理由
ナキウサギが本州などにいない理由は何故なのか解説します。
ブラキストンライン
北海道と本州の間には分布境界線であるブラキストンラインがあります。
ブラキストンさんという学者さんが発見したのでこういう名前ですが、津軽海峡線とも呼ばれます。
これを境に北海道とそれ以外では生息する動物の種類が大きく違っています。
例は次のとおりです。
- 北海道:ヒグマ、エゾモモンガ、シマエナガ、キタキツネ、エゾライチョウ
- 本州:ツキノワグマ、サル、イノシシ、カモシカ
よく考えるとナキウサギ以外にも動物の種類が全然違うわけです。
これは、動物の起源が違うからです。
北海道は樺太方面と繋がっていたのでそちらが起源。
本州は朝鮮方面と繋がっていたのでそちらが起源なんです。
キタナキウサギの分布
キタナキウサギは樺太やサハリン、中国北東部に生息しています。
陸続きだった頃はおそらく一連で北海道にも生息していたのでしょう。
樺太と北海道が分断されたことで、北海道に残ったキタナキウサギは固有亜種のエゾナキウサギとなりました。
おそらく、エゾナキウサギとキタナキウサギに外見の大きな違いはないだろうと思います。
本州と陸続きだった朝鮮半島にキタナキウサギはいないので、本州にナキウサギがいないという状況なんです。
まとめ
今回はナキウサギが北海道にしかいないのか?について解説しました。
エゾナキウサギは北海道にしかいませんが、大きな枠のナキウサギは外国にもいるということです。
また、ナキウサギは30種類いますが日本国内で生息しているのは北海道のエゾナキウサギだけです。
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