レンズを買いたいけど、何に気をつければ良いかわからない。『焦点距離』が大事みたいだけど、解説が欲しいな。
『焦点距離』はレンズ選びでとても重要です。
しっかり理解したうえでレンズ選びしないと、後でとても後悔することに、、、
この記事で、焦点距離の意味からレンズの選び方までしっかり理解しておきましょう。
この記事を書いているのは写真家兼ライターの「とも」です。
全国を旅して風景写真を撮影しながら生活しています。
そんな筆者も、過去にレンズを多数購入していますが「これは失敗だった」という買い物もしてきました。
高価な買い物ですし、これからレンズを買う方には、失敗することなくレンズ選びをして頂きたいと思います。
そのためにもこの記事で、ぜひレンズについての理解を深めてください。
ということで今回は「レンズ選びでチェックすべき『焦点距離』って何?」というテーマでお話します。
焦点距離で写真の何が変わる?
焦点距離のイメージを膨らませるために、まず焦点距離によって写真がどう変わるかを見ておきましょう。
焦点距離で変わるのは写真の画角です。
「写る範囲」のことですね。
焦点距離が25mm程度の小さい値なら画角は広く、100mmくらいになると画角は狭いです。
実際に写真を見てみましょう。
こちらは焦点距離が小さい『広角レンズ』で撮影した写真です。
広い範囲が写ってダイナミックな感じですね。
続いて、焦点距離が大きい『望遠レンズ』で撮影した写真です。
先ほどと同じ地点から撮影していますが、滝が拡大されて流れまで鮮明にわかりますね。
このように、焦点距離が大きいか小さいかで写る範囲つまり画角が変わるのです。
イメージが湧いたところで、焦点距離とは一体何かを解説していきます。
焦点距離が小さければ「広角」に、大きければ「望遠」になることを覚えておきましょう。
焦点距離ってそもそも何?
カメラ用レンズにおける焦点距離とは、レンズからセンサー(撮像素子)までの距離です。
焦点距離と画角の関係をイメージにするとこんな感じ。
焦点距離30mmよりも50mmの方が写る範囲が狭いことがわかります。
また、焦点距離が大きい方が被写体が大きく写ることにもなりますね。
(実際にはピント合わせの際にレンズが動きますが、イメージとしてはこれで十分。)
このように、レンズの焦点距離によって画角が変わるので、被写体との距離に応じてレンズの焦点距離を選ぶ必要があるのです。
ここからは具体的に、焦点距離から画角を判断する目安や、どんな場面でどのレンズを使えば良いかお話します。
焦点距離が長いということはレンズ自体が長くなるということ。つまり望遠レンズは長いのです。
焦点距離から画角を確認する方法
焦点距離と画角の目安をまとめると、こんな感じです。
- 〜35mm:広角
- 50mm前後:標準
- 85mm〜:望遠
細かく分けると「超広角」とか「中望遠」などもありますが、ざっくり上の3つを覚えておけば問題ありません。
ただ、これは『フルサイズ』のカメラを使う場合で、「APS-C」や「マイクロフォーサーズ」の場合、補正がかかります。
具体的には下記の通り。
- フルサイズ:焦点距離×1.0
- APS-C:焦点距離×1.5
- フォーサーズ:焦点距離×2.0
例えば、50mmのレンズをフォーサーズのカメラにつける場合は
50×2.0=100>85つまり望遠画角になるわけです。
ではこの「広角」「標準」「望遠」でそれぞれ何を撮れば良いかと言うと、、、。
撮る物は人ぞれぞれです。
広角で人を撮影しても良いし、望遠で風景を撮影しても良い。
その人が良ければハッキリ言ってどれも正解になります。
ただ、この画角でこれを撮ると良い写真になりやすいというパターンがあるのも事実です。
ということで、簡単にまとめるとこんな感じです。
- 広角:広い風景、天の川、建物
- 標準:風景、人物、物
- 望遠:遠い風景、人、動物、乗物
この撮影パターンは筆者もよく使っています。
なぜこのパターンになるかというと、レンズの性質が考慮されているから。
広角レンズには『立体感』や『歪み』が出やすい性質があります。
立体感によって風景は広がり、建物には迫力が生まれます。
しかし、人や動物を撮ると写りがあまりに小さかったり、近づいて撮影すると顔が歪んでしまう恐れも。
広角レンズの性質を考慮すると、「広い風景」や立体感を出したい「建物」を撮るのに向いている気がしてきますね。
そして、望遠レンズには『圧縮効果』が出やすい性質があります。
圧縮効果は遠くの景色ほど距離感が無くなる効果。
例えば自分の前方を見て、1~2mの距離は感じることができるけど、101~102mの距離は同じ1mでも感じづらいですよね。
このように、遠くにある物の距離が圧縮されたように見える現象が圧縮効果なのです。
レンズの特性というよりは望遠レンズを使うことで圧縮効果が分かりやすくなっている感じです。
圧縮効果を利用すると、道路が大渋滞してるように写せたり、坂道が垂直の壁のように見えたりもします。(ダイハツCMの「ベタ踏み坂」を思い出します)
歪みが少ない望遠レンズは「人や動物」だけでなく、圧縮効果を使った「風景」などに向いている気がします。
焦点距離については、以上の内容を押さえておけば困ることはほとんどないでしょう。
続いて、レンズ選びで重要なもう1つの要素について簡単に解説します。
「35mm」「50mm」「85mm」の3つを基準に画角が変わると覚えておきましょう。(35+50=85なので覚えやすい)
焦点距離の他に大事な要素
レンズ選びで重要なもう1つのポイントは『開放F値』です。
なぜ開放F値が重要かと言うと、開放F値は「レンズの明るさ」を示す指標で、この値によって撮影の難易度や写せる対象が変わるからです。
例えば、星を撮影するにも明るいレンズが必要だし、動く物を撮影するにもシャッタースピードを短くできる明るいレンズが有利。
筆者も星景や夜景を頻繁に撮影するので、開放F値は特に重要視しています。
ちなみに、開放F値は小さいほど明るく、目安としては「F2.8」より小さければ明るい部類と言えます。
「ズームレンズ」や「望遠レンズ」は構造上、開放F値が大きいのでなかなか2.8以下の物は少ないかもしれません。
そんな場合はF2.8にこだわらず、できるだけ開放F値の小さな物を選びましょう。
簡単ですが、開放F値についてお話しました。
最後にこの記事のまとめをしておきます。
「焦点距離」と「開放F値」さえ理解しておけば、あとは値段によって画質が違うくらいに考えてもらえばOKです。
焦点距離まとめ
今回はレンズ選びで重要な「焦点距離」についてお話しました。
焦点距離は写真に写る範囲である『画角』を決めます。
画角の目安は下記の通りで、カメラのセンサーサイズに応じて補正をかけてください。
- 〜35mm:広角
- 50mm前後:標準
- 85mm〜:望遠
- フルサイズ:焦点距離×1.0
- APS-C:焦点距離×1.5
- フォーサーズ:焦点距離×2.0
どの画角で何を撮るかはその人の自由ですが、「立体感」が欲しい場合は広角レンズ、「歪みの少なさ」や「圧縮効果」を求めるなら望遠レンズで撮影すると良いと思います。
また、焦点距離ともう1つの大事な要素として「開放F値」についてもお話しました。
開放F値は小さいほど暗い場面に強く、小さければ小さいほど有利です。(値段や大きさを考えなければ)
F2.8を目安にすると良いですが、ズームレンズや望遠レンズは別途検討が必要です。
この記事で焦点距離や開放F値について理解いただけた方に、筆者のおすすめカメラとレンズも紹介しておきます。
ご参考にどうぞ。
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以上、この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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