LUMIX「S9」とSONY「α7CII」のスペックを比較します。
同じフルサイズの軽量コンパクト機いうことで、どちらが良いのか気になる方も多いと思います。
ただα7CIIユーザーとしては、とても重要な違いがあると感じているのでその辺りもお話します。
S9とα7CIIのスペック比較
それではS9とα7CIIのスペックを比較していきます。
画素数
S9が2420万画素なのに対してα7CIIは3300万画素です。
α7CIIの方が1.4倍ほど画素数が大きいということになります。
S9の画素数で足りないことはまずないと思いますが、画素数的にはα7CIIの方が有利です。
最大常用ISO感度
最大常用ISO感度は暗所性能の目安になります。
数値が高いほど暗い場所でもノイズを抑えた撮影ができます。
S9もα7CIIも51200です。
ただ、どちらも裏面照射型センサーであることを考えると、画素数が少ないS9の方が少し暗所性能は上になりそうな気がします。
手ぶれ補正
S9は光学式5段で、α7CIIは7段の手ぶれ補正が搭載されています。
数字だけ見るとα7CIIの方が上のようです。
ただ、手ぶれ補正性能の計測はCIPAで規格が決まっているものの、測定に使うレンズ(焦点距離)はバラバラなので、なんとも言えないところです。
また、動画の手ぶれ補正性能も段数では測れないので、実際に比較しないと優劣がつけられないです。
動画の解像度
動画で使える解像度には小さい方からFHD、4K、6K、8Kとあります。
S9は6Kまで撮影できてα7CIIは4Kまでなので、解像度の選択肢はS9の方が多いです。
フレームレート
フレームレートは映像1秒あたりのコマ数のこと。
24、30、60、120、240などが使われます。
高い解像度で高いフレームレートが使えると動画機としてのスペックが高くなります。
S9は6Kで30Pまで、4Kで60Pまでになります。
α7CIIは4Kで60Pまで使えます。
また、両機種ともに4K60PはAPS-Cクロップ(画角が1.5倍狭くなる)されるので注意が必要です。
連写速度
S9が30枚/秒でα7CIIは10枚/秒です。
連写速度はS9の方がかなり上になります。
また、シャッターボタンを全押しする前に遡って写真を記録するプリ連写機能もS9にはあります。
重さ
S9は486gでα7CIIは514gです。
S9の方が30gほど軽量ですが、ほぼ同じと考えて良さそうです。
α7CIIのメリット
それぞれのメリットをお話します。
まずはα7CIIからです。
メカシャッター(歪み)
α7CIIにはメカシャッターが搭載されていて、S9にはありません。
素早い被写体を撮ったり、カメラを素早く動かした時には「ローリングシャッター歪み」というものが発生します。
歪みを抑えるために、静止画ではメカシャッターが使われることが多いわけですが、S9にはこれがありません。
α7CIIなら動体撮影でも安心ですが、S9は歪みへの耐性がないということです。
そして連写についてですが、そもそも連写は動く被写体に対して使われることが多いです。
連写性能だけ高くても歪みが出ると台無しになるので、S9の連写性能をうまく活かせる場面は少ないかもしれません。
動画に関してはメカシャッターが使えないので、両機種とも歪み耐性は高くありません。
動画の歪みを抑えるなら低画素のZV-E1や積層型センサーの機種が有利になります。
メカシャッター(フラッシュ)
メカシャッターがあるメリットは歪み以外にもあります。
それはフラッシュの使用です。
細かい話は省略しますが、メカシャッターがない機種やセンサーの読み出しが遅い機種では、フラッシュの使用が難しくなります。
実際にS9ではフラッシュが使えずα7CIIなら使用可能。
ポートレートなどでフラッシュの使用を考えているなら、S9の選択肢はなくなります。
ファインダー
α7CIIにはファインダーがあってS9にはありません。
ファインダーがあると日光などの反射を受けずにモニタリングできたり没入感にも差がでます。
ただα7CIIのファインダーはアイピースカップという目の周囲に当てるパーツがないので、遮光性や安定性は高くはありません。
ファインダーがあるとはいえ、α7CIIは正直言って微妙なポジションです。
同じSONY機のα6700にはアイピースカップがあるので、ファインダーの遮光性や安定性に違いがあります。
動画記録時間
S9の動画記録時間は4Kで15分、6Kで10分に制限されています。
α7CIIには制限がないので、バッテリーが続く限り撮影が可能です。
ただ、コンパクト機種は放熱がうまくいかず熱停止する可能性は高いです。
なので熱については両機種で注意すべきポイントです。
グリップ
α7CIIにはグリップがありますが、S9にはありません。
グリップがないと片手で持ち歩くのは厳しいですし、重い大口径、望遠レンズでの撮影も厳しくなります。
軽いレンズしか使用しないなら深く考えなくていいかもしれません。
ただ、グリップが無いとレンズの選択肢を狭めることは理解しておいた方が良いです。
結局グリップを後付けする人も多そうな気もします。
グリップを後付けしない場合はストラップをつけることになりそうですが、ストラップも動画撮影で他の機材に干渉するので、邪魔になる可能性が高いです。
S9のメリット
続いてS9のメリットを紹介します。
デザイン
シンプルでスタイリッシュなデザインに惹かれてS9を購入する方は多いと思います。
カラーバリエーションも豊富なので、ファッション的な役割や楽しく撮影するためのカメラとして選ばれるのではないでしょうか。
リアルタイムLUT
カメラ内に取り込んだLUTを当てて、自分好みの作品に仕上げることが可能です。
α7CIIにもPPLUTという動画用の機能はありますが、静止画向けの機能はありません。
RAWで撮ってPCで現像してスマホに送るという手間を省略できるわけです。
SNSにアップするまでの手間も少ないので、これは若いユーザーにとって大きなポイントかなと思います。
6K撮影
α7CIIにはできない6K撮影はS9のメリットと言えると思います。
ただ、6K映像をどう使うか?は考えておく必要があります。
実際、6Kで投稿できるプラットフォームはそうありません。
例えば、4K映像を作るための「切りシロ」として活用するといった、具体的な用途目的がないと6K映像を撮ろうという発想にならないと思います。
値段
S9が20万円前後でα7CIIが27万前後なので、数万円の価格差があります。
フルサイズ機が20万で買えるというのはかなり大きな魅力だと思います。
S9とα7CIIの比較まとめ
S9とα7CIIの比較を簡単にまとめておきます。
S9
まずはS9のメリット。
- 連写速度
- デザイン
- 6K撮影
- リアルタイムLUT
- 値段
S9については、やはりデザインとリアルタイムLUT、値段が占める部分が大きいと思います。
歪みを考えると連写性能を活かせる場面は少なそう。
6K撮影もメリットではありますが、4Kではなく6Kである必要性を見出せる人は少なそうです。
やはりファッション的に使うカメラという印象です。
α7CII
続いてα7CIIのメリット。
- メカシャッター
- ファインダー
- グリップ
- 動画記録時間
α7CIIについては、やはりメカシャッターの存在が大きいです。
歪み抑制やフラッシュ使用を考えるとS9の選択肢はハッキリ言ってなくなります。
また、グリップがあるので片手で気軽に持ち歩けて、比較的大きなレンズにも対応しやすいです。
動画記録時間は無制限ですが、α7CIIに限らず小型機はどの機種も熱停止に注意が必要です。
以上、機材選びの参考にしてみてください。
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