SONYの新マクロレンズSEL100M28GMが発表されました。
今回は、旧型であるSEL90M28Gユーザーである筆者がスペック解説していきます。
筆者は動植物を中心に撮影している写真家の奥睦志(おく ともゆき)です。
SEL100M28GMの第一印象
まずはSEL10028GMの第一印象からお伝えすると「かなり売れそう」です。
理由は次のとおり。
- 純正等倍マクロは貴重
- 旧型発売から10年
- 値段とスペック
簡単に解説していきます。
純正等倍マクロは貴重
これまで、純正でフルサイズで等倍といったらSEL90M28GとSEL50M28の2本しかありませんでした。
そしてマクロレンズと言っても、どれだけ大きく写せるかを表す「最大撮影倍率」はバラバラです。
最大撮影倍率1.0倍だと「等倍マクロ」、0.5倍だと「ハーフマクロ」と言います。
名前がマクロでも実は0.5倍のレンズも他社にはあったりします。
そしてSEL100M28GMは1倍を超えて1.4倍。
純正かつ等倍以上という魅力は非常に大きいわけです。
旧型発売から10年
旧型のSEL90M28Gは2015年に発売されたレンズです。
かなり古いレンズですが今でも愛用する方は多く、筆者もその一人。
その新型となれば期待度はかなり高いと言えそうです。
値段とスペック
SEL100M28GMは値段的にもスペック的にも魅力的です。
長い期間でハードルも高まっていましたが、それを超えてきそうな感じ。
値段も実売18万ほどなので、GMレンズとしてはお手頃です。
しかも、後ほど紹介する今までにない機能も追加されています。
SEL100M28GMのスペック
それではSEL100M28GMのスペックを解説していきます。
- 焦点距離
- 開放F値
- 最大撮影倍率
- 手ぶれ補正
- 重さ
順番に解説していきます。
焦点距離
SEL100M28GMの焦点距離は100mmです。
焦点距離は写真や映像の画角を決めるもの。
マクロレンズは中望遠領域のものが多いので標準的な画角と言えそうです。
植物、昆虫、小物などはもちろん、ポートレートなどにも使える画角だと思います。
旧型の90mmより少し望遠寄りになっていますが、用途が変わったりする違いではないと思います。
開放F値
SEL100M28GMの開放F値はF2.8で、旧型のSEL90M28Gと同じ数値です。
開放F値は明るさやボケに影響し、F2.8はそれなりの明るさという感じ。
マクロは暗めの環境で撮ることも多いですし、ブレを抑えるためにシャッタースピードを上げることも多いです。
明るいレンズであることに越したことはありません。
ボケの強さに関しては、マクロはそもそもボケやすいので、開放F値が寄与するところは小さいかもしれません。
最大撮影倍率
SEL100M28GMの最大撮影倍率は1.4倍で、旧型は1.0倍です。
最大撮影倍率は被写体をどれだけ大きく写せるかを表します。
1cmのものをセンサー上に1cmで写せるのが1倍です。
個人的なレンズ性能の目安は次のとおりです。
- 0.2倍:小さめ
- 0.25倍:普通
- 0.35倍:大きめ
- 0.5倍:大きい
- 1.0倍:かなり大きい
そんな中、1倍を超えて1.4倍もの倍率があるので驚きです。
さらにテレコンも使用できるので後ほど解説します。
手ぶれ補正
SEL100M28GMには手ぶれ補正が内蔵されています。
対応カメラならボディとレンズの協調制御補正も使用可能。
さらに気になるポイントとして、「前後方向のブレにも対応」という文言があります。
この辺りも後ほど解説します。
大きさ
SEL100M28GMの重さは646gで、旧型は602gです。
若干重くなっていますが、大きな違いを感じる差ではないように思います。
ちなみに、SEL90M28Gはフォーカスリングを前後にカチッと動かすことでAFとMFを切り替えられるのですが、その仕様は踏襲されているようです。
重要ポイント
ここまで、SEL100M28GMのスペックをお伝えしてきました。
続いては機能性能で重要だと思うポイントについて解説します。
- 倍率とテレコン
- 手ぶれ補正
- ボケ
倍率とテレコン
SEL100M28GMは1.4倍の高い最大撮影倍率を持っています。
これにテレコンバーター(テレコン)を使うことで2.0倍、2.8倍の倍率を出すことも可能です。
テレコンはレンズとカメラの間にかませることで焦点距離を伸ばせるアイテム。
代わりに開放F値がその倍数分だけ大きくなるので注意しましょう。
2倍テレコンを使えば開放F5.6になるということです。
また、2.8倍はすごい倍率ですが、そこまで必要になるのはかなり専門的な分野だろうとも思います。
筆者が撮影するのは花や小物ですが、トリミングの選択肢もあるわけで1.0倍以上必要になったことはあまりないというのが現状です。
手ぶれ補正
SEL100M28GMの手ぶれ補正は前後方向のブレにも対応しています。
手ぶれには角度ブレ、移動ブレ、回転ブレの大きく3つの成分があります。
この3つの中に前後の成分は無く、前後の動きにはフォーカスで対応するという考え方が一般的だと思います。
つまり「前後方向のブレに対応」というのは高速AFのことなのかな?と思うのですが、真偽はわかりません。
また、機種による効果の違いや制限は無いのか?なども疑問です。
初めての機能なので詳しいことは使ってみないとわからないですが、新しい期待ポイントだとは思います。
ボケ
マクロ撮影では非常にボケが強くなります。
ボケ=被写界深度であり、撮影距離が近いほど深度は浅くなるからです。
よってマクロレンズのボケの綺麗さは重要ポイントなのですが、公式HPでは開放F2.8で撮った作例なども載っています。
印象的には開放かつ周辺部でも変形やうるささがない美しいボケのように感じます。(トリミングされてない前提)
SEL90M28Gでは口径食や玉ねぎボケが見られることもありますが、この辺りは相当改善されていそうです。
まとめ
今回はSEL100M28GMのスペックについてSEL90M28Gユーザーが解説してきました。
まとめると、個人的に「これは売れそう」と思っていて、その理由は次のとおりです。
- 純正の1.4倍マクロ
- テレコン使用可
- 手ぶれ補正の改良
- ボケの美しさ
18万ほどなら買いたいという人は多そうです。
機材選びの参考にしてみてください。
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