SELP1020Gってどんなレンズ?レビューが見たいです。
APS-C用の新レンズ「SELP1020G」がどんなレンズなのか気になりますよね。
そんな方に向けて、SELP1020Gを購入してZV-E10で運用している筆者が本音レビューしていきます。
APS-C用レンズですが、実はフルサイズ機のα7IVにもオススメなのでその辺りもお話します。
この記事を書いているのは写真家兼ライターの「とも」です。
ZV-E10やα7IVを使っており、製作した映像を企業や地方公共団体に活用いただいたり、フォトコンテストでの受賞実績もあります。
そんな筆者がSELP1020Gを実際に購入して使ったレビューをしていきたいと思います。
SELP1020Gの率直レビュー
SELP1020Gを率直にレビューすると「日中の動画撮影用レンズ」だなという感じです。
静止画で使えないというわけではないんですが、スペックが明らかに動画向けで、かつ暗所にはあまり向いていません。
筆者は日中のVlog撮影でよく使っているんですが、コンパクトさもあってかなり気に入っています。
ZV-E10やα7IVとの相性についてもお話したいと思いますが、その前にSELP1020Gのスペックについて解説しておこうと思います。
SELP1020Gのスペック解説
SELP1020Gのスペックを解説していきます。
代表的なスペックは次のとおりです。
- 焦点距離:10-20mm
- 開放F値:4.0
- 重さ:178g
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.18倍
それぞれについて解説していきます。
焦点距離
SELP1020Gの焦点距離は10〜20mmです。
焦点距離は写真や映像の画角を決めるもので、35mm以下は広角、50mm前後は標準、85mm以上は望遠とされています。
また、APS-C用レンズの場合は焦点距離を1.5倍して画角を考える「フルサイズ換算」をする必要があります。
なのでSELP1020Gはフルサイズ換算15〜30mmの広角ズームレンズということになりますね。
広角の中でも20mm以下は超広角と言われ、とても広い範囲を写すことができ、広角特有のパースが効きやすく、動画では躍動感が出ます。
また、SELP1020Gにはパワーズーム機能がついています。
パワーズームはいわゆる電子ズームで、ズームリングを回さなくてもレンズやカメラ本体のズームレバーを操作することでズームをかけることができます。
一定速度でズームすることができるので、映像作品の表現幅が広がります。
パワーズームがついてるレンズって実は多くないので、結構強み。画角の選択肢とパワーズームがあることで動画用レンズと言われているわけです。
開放F値
SELP1020Gの開放F値は4.0です。
開放F値はレンズの明るさを表すもので、1.4や1.8など小さいほど写真や映像を明るく写せます。
SELP1020GのF4.0は正直言ってかなり暗いので、夜景など暗い場所での撮影は苦手。
あと、開放F値が小さいほどボケを強めることもできるので、SELP1020Gはあまりボケないレンズとも言えます。
重さ
SELP1020Gの重さは178gです。
これはかなりの軽量で、持ち運びや撮影がとても楽。
動画でジンバルを使う人にとってはペイロード(最大積載量)を超えないかも重要なので、この軽さはありがたいです。
僕も軽量ジンバルのCRANE M2Sを使っていて、パワーはないけどSELP1020GとZV-E10の組み合わせなら問題なく撮影できています。
手ぶれ補正
SELP1020Gにはレンズ内手ぶれ補正はありません。
レンズ内手ぶれ補正があると、静止画でも動画でも手持ち撮影で微細なブレを抑えてくれますが、SELP1020Gではこれができません。
手ぶれを補正するならボディに頼るしかないので注意しましょう。
α6400などの光学式手ぶれ補正も電子式手ぶれ補正も搭載してない機種だとちょっと心もとないかもしれませんね。
最大撮影倍率
SELP1020Gの最大撮影倍率は0.18倍です。
最大撮影倍率とは、被写体の実際の大きさに対してセンサーに何倍の大きさで写せるかを表します。もちろん、被写体に近づいて最短撮影距離で撮る場合です。
ざっくり言うと倍率が大きければ小さいものを大きく写せるという感じですね。
例えば1cmのものを最大撮影倍率0.5倍のレンズで撮ろうとすれば、センサー上には0.5cmで映るということになります。
APS-Cセンサーは縦幅1.5cmなので映像の縦幅1/3の大きさに映るということですね。
そしてSELP1020Gは最大撮影倍率0.18倍ということで、そこまで大きくはないです。
ただ、フルサイズ機と比べるとセンサーを占める割合としては1.5倍大きくなるので、フルサイズ換算0.27倍と考えて良いと思います。
これなら結構大きく感じますね。
ここまで、SELP1020Gの代表的なスペックを紹介したので、ここからZV-E10やα7IVとの相性レビューをしていきます。
SELP1020GとZV-E10のレビュー
SELP1020GとZV-E10のレビューですが、結論として相性はかなり良いです。
ZV-E10の動画用手ぶれ補正であるアクティブモードは画角が1.44倍狭まるというのがネックなんですが、SELP1020Gならクロップされても広角を保てます。
例えばキットレンズの広角端16mmを使うと
16×1.5(フルサイズ換算)×1.44(クロップ)=34.6mm
で、広角レンズのハズが標準域に入ってしまいます。「VLOGCAMとしてZV-E10を購入したのに、標準画角ではとても自撮りなんてできない。」と頭を悩ませた方も多いハズです。
それに対してSELP1020Gの広角端10mmを使えば
10×1.5×1.44=21.6mm
となり、十分広角で自撮りもできるし、歩き撮りでは風景が流れて躍動感も出やすいです。
そもそも、SELP1020Gを含めAPS-C用の広角レンズをたくさん出しているのは、動画のクロップに耐えるためのものだと思うので、相性が良いのは当たり前かもしれません。
ただ、ZV-E10のアクティブモードは4K撮影だと効果が弱まるので、4Kではジンバルを使った方が良いんですが、SELP1020Gは軽量コンパクトなのでペイロードも小さくてOKです。
参考にFHD60Pの手持ち動画と4K24Pのジンバル動画を載せておきます。
【SONYストア】
SELP1020GSELP1020Gとα7IVのレビュー
SELP1020Gとα7IVの相性ですが、これが実はめちゃくちゃ良かったです。
α7IVはフルサイズ機なのでAPS-C用レンズは合わないかと思いきや全くそんなことはありません。
α7IVには「Super35mmモード」というセンサーの範囲を狭める機能があるんですが、これならAPS-C用レンズが普通に使えるんです。
さらに、α7IVは高解像度で滑らかな映像が撮れる4K60Pに設定できますが、これはSuper35mmモードでないと使えません。
Super35mmモードは画角が1.5倍クロップされるので、例えばフルサイズ用24mmレンズで4K60Pを撮ろうとすると換算36mmになってしまうんです。
そんな時にSELP1020Gなら換算15mmで4K60Pが使えるので、クロップ問題はバッチリ解消されてしまいます。
またα7IVのアクティブモードは4Kでもバッチリ働くので、手持ちで気軽にVlogできます。
参考に4K24P手持ち動画と4K60P手持ち動画を載せておきます。
SELP1020Gレビューまとめ
今回はSELP1020Gのレビューをしてきました。
内容をおさらいしておくと、代表的なスペックは次の通り。
- 焦点距離:10-20mm
- 開放F値:4.0
- 重さ:178g
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.18倍
パワーズームもついてコンパクトだけど明るさはないので、『日中動画撮影用レンズ』という感じ。
ZV-E10との相性は、アクティブモードのクロップも緩和できて良い感じです。自撮りをするならこのレンズ一択ではないでしょうか。
フルサイズ機ですがα7IVとの相性がかなり良くて、4K60P運用する方にはかなりオススメできます。
以上、SELP1020Gのレビュー記事でした。今回の記事が皆さんのお役に立てば嬉しいです。
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