SIGMA 100-400mm for SONY Eマウントってどんなレンズだろう?とりあえず作例が見てみたい。
そんな方に向けて、筆者がSIGMA 100-400mmで撮影した作例を紹介します。
また、このレンズには気になる欠点があるので、解説したうえで対策についてもお話します。
この記事を書いているのは写真家兼ライターの「とも」です。
全国を旅しながら風景写真を撮影して生活しています。
SIGMA 100-400mm for SONY Eマウントは愛用レンズの1つなので、たっぷり作例を紹介できますし、性能について良い点も悪い点もお話できます。
ということで今回は「SIGMA 100-400mm for SONY Eマウントの作例を紹介!」というテーマで記事を書きます。
SIGMA 100-400mm for SONY Eマウントの作例
早速作例を紹介していきます。
今回紹介する作例は、レンズの特徴がわかりやすいよう、下記の3パターンに分けました。
- 1.画角が分かる作例
- 2.画質が分かる作例
- 3.圧縮効果が分かる作例
それではいきましょう!
画角が分かる作例
まずは望遠端の400mmで撮影した写真です。
夕陽が反射する海を撮影しました。
続いて、同じ地点から広角端の100mmで撮影しました。
パッと見で数えると、400mmの写真が12枚くらい入りそうですね。
一本のレンズでこれだけ違う画角を写せます。
コチラはあくまで参考ですが、同じ地点から20mmの画角で撮影しました。
肉眼だとこんな感じで風景が広がっており、100-400mmの望遠なら撮りたい1部分だけを切り取ることができるのです。
400mmの望遠端なら月のクレーターも確認できます。
400mmだと画面いっぱいに月を写すことはできないので、コチラはトリミングしてあります。
それでも十分綺麗な月が撮影できました。
SIGMA 100-400mmなら、一本のレンズで全く違う画角で撮影できることがわかりました。
広がるような風景は撮影できないので、広角〜標準のレンズと一緒に持ち歩くのが良さそうですね。
画質が分かる作例
登山中の沢で、落ち葉を広角端100mmで撮影しました。
一枚一枚、綺麗に解像して、葉脈も確認できます。
周辺部が極端に解像落ちしてる感じましませんね。
雲から顔を出した、冠雪した山頂。
焦点距離およそ150mmで撮影しています。
柔らかな雲と力強い山の輪郭をしっかり写せています。
続いて、公園で撮影したコキアです。焦点距離400mmでの近景撮影。
広角より少し解像感が落ちていますが、葉の1つ1つがきちんと解像してます。
ただ、周辺部はちょっとぐるぐるボケになってますね。
SIGMAホームページで「MTF曲線」を見ても、望遠端でS方向とM方向の特性がズレているので、そういうことかもしれません。
ただ、気になるレベルではなさそう。
続いて、遠景の画質を見てみましょう。
山の頂上に見える不思議な雲を400mmで撮影しました。
毛筆で書いたような線の強弱をちゃんと写し撮ってくれているようです。
欲を言うと、もうちょっと繊細で柔らかい描写が欲しかったところです。
個人的には望遠端だと若干解像度が落ちるように感じましたが、MTF曲線を見るとそうでもないようです。
うーん、何でだろう。
圧縮効果が分かる作例
圧縮効果とは、遠くにある2つ以上のものの距離感が無くなり、近くにあるように見えること。
上の写真では飛行機と公園の高台がかなり近く見えます。
肉眼でも圧縮効果は発生してますが、遠くの景色なので認識しづらいです。
望遠レンズで遠くの景色を切り取ることで、圧縮効果が感じられます。
カーブを曲がるSLを撮影しました。
圧縮効果により、SLは横に伸びてるように見えるし、線路は物凄いカーブに見えます。
本当は緩やかなカーブなのですが、こんな写真も撮れてしまうのです。
以上、特徴ごとにSIGMA 100-400mmの作例を紹介しました。
広い守備範囲と良画質、超望遠ならではの圧縮効果をご理解頂けたのでは無いでしょうか。
ここまでは良い点ばかりお話したので、次に、このレンズの欠点についてもしっかりお話していこうと思います。
SIGMA 100-400mmの欠点
SIGMA 100-400mm for SONY Eマウントの欠点についてお話します。
ズバリ、このレンズの欠点は、テレコンバーター(テレコン)が使用できない点です。
テレコンとは焦点距離をさらに伸ばすために、カメラとレンズの間に接続するアイテムのこと。
1.4倍テレコンなら400mmが560mmになりますし、2倍なら800mmになります。
仮にSIGMA 100-400mmに2倍テレコンを付けたら、200-800mmになるので、先ほど紹介した月の写真もさらに大きく鮮明に写せます。
遠くから野生動物をズドンとアップで撮影することもできます。
しかしながら、SONYの規約上、サードパーティ(SIGMA,TAMRONなど)はテレコンを作れないらしく、残念ながらSIGMA 200-800mmの画角は実現しないようなのです。
とは言え、100-400mmの画角でも十分過ぎる望遠なので、これ以上を求めない人にとっては全く関係ない話だし、筆者もこの画角で十分満足しています。
「いや、野鳥撮影に800mmが欲しい!」
「トリミングに頼らないで、もっと大きく月を写したい!」
という方は、これから紹介するカメラとレンズを使うと良いと思います。
欠点を補えるカメラとレンズ
テレコンが使えないという欠点を補うには、下記のカメラとレンズを使うのが良いです。
- レンズ:SEL 200 600 G
- カメラ:α9ii
『SEL 200 600 G』はSONYの純正レンズなので、SONYのテレコンが使用可能です。
重さがなんと3.4kgで、SIGMA 100-400mmの3倍近くありますし、値段も24万円と高額です。
しかし、性能は完全に上位互換なので、本気で野生動物やスポーツ撮影をするなら持っておくべきでしょう。
使うカメラは、現時点では『α9ii』がベストです。
α7シリーズでも使用できますが、テレコンを付けた場合にAF性能が落ちる場合があります。
最近のAFには「像面位相差AF」「コントラストAF」の2つをハイブリッドで採用しているます。
テレコンをつけることで像面位相差AFが効きにくくなり、コントラストAFだけになってしまうのです。
コントラストAFはフォーカス速度が遅いという欠点があるので、動きのある被写体についていけない可能性があるのです。
その点、SONYの上位機種であるα9iiは、テレコンを付けても像面位相差AFが働くので、AF性能も落ちないというわけです。
ということで、SIGMA 100-400mm以上の超望遠が欲しいなら、「SEL 200 600 G」と、「α9ii」にテレコンバーターを装着するのをお勧めします。
以上、この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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