一眼カメラじゃないと撮れない写真ってあるのかな?買おうか迷ってるので知りたい。
そんな方へ向けて、一眼じゃないと撮れない写真を紹介します。
この記事を見て「まさにこんな写真が撮りたい!」と思うなら、思い切って一眼カメラを買いましょう。
この記事を書いているのは写真家兼ライターの「とも」です。
全国を旅しながら、風景写真を撮影して生活しています。
レンズ越しの紅葉。 pic.twitter.com/QbQfgPQid6
— とも@旅×写真 (@tm47prefectures) November 17, 2020
元々はただの旅行好きで、旅先でもずっとスマホ撮影をしていました。
ある日突然「一眼ってやっぱ違うのかな?」と思い買ってみたところ、その違いに感動してそのままのめり込み、今の生活に至ります。
そんな筆者なので、スマホと一眼の違いをバッチリ理解しており、皆さんに役立つ情報をお伝えできると思っています。
一眼カメラや交換レンズの性能について少し掘り下げたりもしますが、なんとなくイメージだけ持ってもらえればOKです。
ということで今回は「【買おうか迷っている方へ】一眼カメラじゃないと撮れない写真を紹介」というテーマで記事を書きます。
夜景や星景(暗い場所)
夜景や星景などの『暗い場所』での撮影は一眼カメラがなければ困難です。
暗い場所での撮影について、下記の3つの作例を交えながらお話していきます。
- 1.星景
- 2.夜景
- 3.蛍
それではいきましょう!
星景
まずは『星景撮影』です。
星の光はちょっとした街灯りにも簡単に負けてしまうので、周囲が暗くなければ撮影できません。
そして、微かな星の光を取り込むには、下記が必要となります。
- 暗闇に強いカメラ
- 明るいレンズ
- ブレを抑える三脚
三脚は必須ですし、カメラ・レンズが揃っていないと繊細な描写はできないでしょう。
夜景
街中の夜景を撮るにも、それなりの性能を持ったカメラが必要です。
星景よりは対象が明るいので、三脚を使わないで撮れる場合もありますが、それは『暗闇に強いカメラ』や『明るいレンズ』の2つを使う場合です。
ここで、この2つについて簡単に説明しておきます。
暗闇に強いカメラ
暗い場所では「ISO感度」を高くして撮影します。
『ISO感度』とは光の増幅度を数値にしたもので、高く設定すれば暗い場所でも撮影できます。
しかし、上げすぎるとノイズがによって写真がザラついてしまうので、できるだけ抑えたいところ。
そして、『最大ISO感度が高いカメラ』は同じISO感度で撮影してもノイズが少なくて済みます。
イメージ的には、マッチョな人と細身の人では同じ荷物を持つにも、かかる負担が違うといった感じでしょうか。
結論、暗闇に強いカメラ=最大ISO感度が高いカメラと言えるワケです。
明るいレンズ
明るいレンズとは「小さいF値を選べるレンズ」です。
『F値』は明るさの指標で、小さいほど光を多く取り込むことができます。
F値は撮影時に設定できるので、明るいレンズ=小さいF値が選べるレンズということになります。
蛍
暗闇に強いカメラ、明るいレンズ、そして三脚があれば蛍の軌跡も撮影できます。
軌跡は、シャッタースピード(SS)を長くすることで撮影でき、手持ちだとブレが起きて撮影不可能です。
ここで、SSについても解説しておきます。
シャッタースピード(SS)
SSはシャッターを開けている時間のことです。
シャッターを開けている間、センサーは光を受け続けるので、物の動きも写真に反映されます。
SSを上手く使えば、「軌跡写真」や「瞬間を切り取った写真」が撮れます。
逆に、SSを上手く扱えないと「手ブレ」や「被写体ブレ」が起きてしまうのです。
軌跡写真を撮るには手ブレを抑えつつSSを長くする必要があるので、三脚が必要というワケですね。
以上、夜景や星景の作例を交えつつ、必要な機材についてもお話しました。
まとめると
- 暗闇に強いカメラ
- 明るいレンズ
- ブレを抑える三脚
が必要となります。
「スマホでは決して撮影できません!」とは言いませんが、手間暇かけた結果、期待できるような写真にはならないだろうということは言えます。
それでは次の写真に移りましょう!
動物や乗り物(遠くにある・動く)
動物や乗り物を撮影するには、状況に応じたレンズが必要です。
近づくのが難しいものは「望遠レンズ」、目の前の物を大きく写したければ「マクロレンズ」が必要といった感じです。
作例を見ながら、どんな場面にどんなレンズが使われているか確認しましょう。
紹介するのは3つの写真です。
- 1.乗り物
- 2.動物
- 3.昆虫
それではいきましょう!
SL(乗り物)
煙を上げて走るSLは、止まっている時とは全く違う迫力があります。
しかし、近づいて撮影することはできないので、望遠レンズが必要となります。
望遠レンズが遠くを写せることは分かりますが、望遠や広角などの『画角』について念のためお話します。
センサーの種類や数字が出てきたりしますが、レンズやカメラを選ぶときに理解していれば良いので、今はイメージだけで大丈夫です。
「とりあえず作例だけ見たい」という方は読み飛ばしてもOKです。
画角(焦点距離との関係)
画角とは、ざっくり言うと「写真に写る範囲」のことです。
「広角」なら広い範囲が写り、「望遠」なら写る範囲が狭いということなります。
そして、この画角を決めるのがレンズの『焦点距離』です。
焦点距離は30mmや200mmのようにmm単位で表され、短いと広角で、長いと望遠になります。
判断の大まかな基準は下記の通りです。
- 35mm以下 →広角
- 35〜85mm→標準
- 85mm以上 →望遠
加えて、使うカメラのセンサーサイズによって下記の補正がかかります。
- フルサイズ →1.0倍
- APS-C →1.5倍
- フォーサーズ→2.0倍
つまり、30mmのレンズをAPS-C機で使うと30×1.5=45となり、「標準画角」ということになります。
どの画角で何を撮るかはその人の判断ですが、筆者はおおよそ下記のように使い分けています。
- 〜35mm →広い風景(パノラマ)、建物の近景・内装
- 35〜50 →風景、背景広めの物・人
- 50〜85 →風景、物・人
- 85〜135 →狭い風景(遠く)、フォーカスした物・人
- 135mm〜→近づけない物(動物や水上・遠くのもの)
画角の決め方に絶対は無いので、自分の表現に合った画角を選んで撮影します。
動物
乗り物と同様に、動物を撮影する際にも望遠レンズが活躍します。
野生動物などは、数十メートル以上離れて撮影するので、広角レンズを使うと、どこに動物が写ってるか分からないような写真になります。
ちなみに、人の撮影(ポートレート)にも85mm前後の望遠寄りなレンズが向いていると言われています。
「人なら逃げるわけでも無いし、近づけば広角でも良いんじゃないの?」
と思われるかもしれませんが、実は広角レンズは歪みが出やすいという特徴があります。
人の顔を撮るのに歪みは邪魔者。
かと言って、野生動物を撮るほどの望遠でなくても良いので、85mm前後の中望遠レンズが向いてると言われるのです。
昆虫
小さな昆虫や花などを撮る際は、マクロレンズを使います。
マクロレンズとは、被写体を大きく写すことのできるレンズです。
ここで、
「あれ?望遠レンズでも、近づけば大きく写せそうじゃない?」
と思われた方もいるかもしれません。
ということで、マクロレンズと望遠レンズの違いを簡単にお話しておきます。
最短撮影距離
望遠レンズとマクロレンズのイメージは下記のとおりです。
- 望遠→遠くのものを大きく写す
- マクロ→近くのものを大きく写す
これだけ見ると、「望遠レンズで近くのものを撮れば大きく写るんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、それができません。
レンズにはそれぞれ、「最短撮影距離」というものがあり、これによってピントを合わせられる最短距離が決まっています。
望遠レンズは構造上、最短撮影距離が長めなので目の前のものにピントを合わせることができないのです。
「じゃあ、マクロレンズは最短撮影距離が短いレンズのことなの?」と言われると、必ずしもそうではありません。
最短撮影距離は短いけど、マクロではないレンズもあります。
マクロレンズとは「最大撮影倍率」が高いレンズです。
最大撮影倍率
撮影倍率とは、「センサーに写る大きさ」を「実物の大きさ」で割ったものです。
実物に対して、どれくらいの大きさに写るかということですね。
そして、撮影倍率は「センサーからレンズまでの距離」を「レンズから被写体までの距離」で割ったものでもあります。
つまり、『撮影倍率 = センサーからレンズまでの距離 ÷ レンズから被写体までの距離』ということです。
ということで、被写体を大きく写すには、下の2つの方法が考えられそうです。
- 「レンズから被写体までの距離」を小さくする
- 「センサーからレンズまでの距離」を大きくする
「レンズから被写体までの距離」を小さくするには、単純に被写体に近づけば良さそうですね。
では、「センサーからレンズまでの距離」を大きくするにはどうしたら良いのでしょう?
実は、マクロレンズの違いはココにあります。
マクロレンズは、レンズを大きく前面に繰り出すことで、「センサーからレンズまでの距離」を大きくできるのです。
この仕組みのおかげで高い撮影倍率になるのです。
レンズが写せる最大の撮影倍率を『最大撮影倍率』と言い、1.0倍を「等倍マクロ」、0.5倍を「ハーフマクロ」と言ったりします。
近くのものを大きく写したい時は最大撮影倍率を要チェックということですね。
以上、動物や乗り物の作例に加えて、使用するレンズについてもお話しました。
まとめるとこんな感じです。
- 遠くのものを大きく写すなら望遠レンズ
- 近くのものを大きく写すならマクロレンズ
ややこしい内容なので、とりあえずイメージだけでOK。レンズを使っていくうちに「なるほどそういうことか」となります。
ちなみに、スマホにも「マクロモード」みたいな機能がありますが、「接写向けのモード」というだけであって、撮影倍率は明らかに劣っているので、全くの別物くらいに思ってもらって良いです。
それでは次の写真へ移りましょう!
ボケ(幻想的・被写体を強調)
ボケを使うことで、幻想的だったり被写体を強調した写真が撮影できます。
ボケを思い通りに出すには、ある程度の性能を備えたレンズが必要となるので、そこについても触れていきます。
ということで、紹介するのは下記の写真です。
- 1.幻想的なボケ
- 2.被写体を強調する
最後の2枚なのでぜひご覧ください。
それではいきましょう!
幻想的なボケ
ボケの強い写真は幻想的だったり、柔らかな印象になったりします。
最近は多くの人が好んで撮影するようになりましたが、「ボケる」とはピントが合っていないことで、元々副産物的な現象です。
では、何故このような副産物が生まれるのでしょう?どんなレンズでボケが強くなるのでしょう?
ということで、下記について解説します。
- F値とボケの関係
- ボケるレンズの特徴
それでは解説していきます。
F値とボケの関係
序盤にも少し触れた『F値』ですが、ボケにも大きく関係しています。
F値は「絞り」とも呼ばれ、F値を上げるとレンズ内の「絞り羽根」が閉じて光の量が減ります。
これで光の量が調節できるわけですが、光の入り方が変わることで、副産物的にボケ具合も変わります。
具体的には、像の結ばれる位置が変わることによってボケの強弱が変わります。
ややこしい内容だし、イメージできなくても特段問題ないので、説明画像だけ載せておきます。
F値を変えた時の被写体(女性)と背景(ひまわり畑)の写り方を説明しています。
とりあえず、「F値が小さいとボケが強くなる」と覚えておけば困ることはありません。
ボケるレンズの特徴
F値が小さいほどボケるということは、ボケるレンズ=開放F値が小さいレンズということになります。
そして、開放F値が小さいと、レンズ本体は大きくなりがちです。
そもそもF値とは、「焦点距離」を「有効口径」で割った値なので、口径が大きいほどF値が小さくなります。
焦点距離を短くしてもF値は小さくなりますが、そうすると広角に偏ってしまいます。
『ボケる=開放F値が小さい=大きいレンズ』というのはある程度許容しなければいけませんし、スマホなどの小さなレンズでボケる写真を撮るのは難しいと覚えておきましょう。
被写体を強調する
ボケるレンズは幻想的な写真だけでなく、被写体を強調した写真も撮影できます。
ボケが少ない写真は全体にピントが合っているように見えて、撮影者が何に注目しているのか分かりづらいです。
逆に、被写体にだけピントを合わせて、周辺をボカせば被写体を強調することができます。
広い風景など、全体をハッキリ写したい場合はボケが少ない方が良いでしょう。
しかし、人や物など、何かにフォーカスしたい場合は、それなりにボケるレンズが必要ということです。
以上、ボケを利用した写真と、必要なレンズについてお話しました。
簡単にまとめると
- ボケ写真には開放F値が小さいレンズが必要
- ボケを使うと被写体が強調できる
といった感じです。
スマホカメラは、全体にピントが合った「記録的な写真」は撮れるけど、撮影者の意図を反映した「表現的な写真」を撮るのは難しいということです。
長い内容でしたが、一眼でしか撮れない写真についてお話してきました。
この記事が一眼カメラを買う後押しになれば嬉しいです。
しかし、やっぱりまだ踏み切れないという方もいると思います。
そんな方は、少し違う切り口の話も聞いてみませんか?
カメラを持つことの魅力
今回の記事では、性能面での一眼カメラの必要性についてお話しました。
これらを踏まえて、カメラを持つことの魅力についてもお話したいと思います。
具体的には、下記の3つの理由からカメラを持つことが重要になります。
- 1.機会を逃さない
- 2.アートの時代
- 3.映像市場の拡大
詳しくは次の記事でお話しますが、上記はこれからの時代を生きる上でとても重要なことです。
ぜひ、今のうちに触れておいて欲しい内容です。
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