今回はSONYα1用のカードの選び方についてお話します。
カメラを使うなら基本的に必要になるメモリーカードですが、選び方がイマイチわからないという方は多いと思います。
値段もピンキリですし、説明を見ても謎の記号や数字が書いてあるだけで性能がわかりづらいです。
α1ではSDカードに加えてCFexpressTYPE-Aカードも使えるのでさらに混乱します。
なので今回は、単語の意味や性能、容量の考え方も踏まえたα1用カードの選び方とおすすめカードを紹介します。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。
カード性能の見方
まず最初にカードに必要な性能についてお話します。
必要な性能は次の3つです。
- 速度
- 容量
- 寿命
それぞれについて解説します。
速度
メモリーカードに求められる速度は「書き込み速度」と「読み出し速度」です。
書き込み速度は写真や映像をカードに記録する速度のこと。
読み出し速度はカードからパソコンなどへ取り込む速度です。
今回はカメラとの関係が強い、書き込み速度に重点を置いてお話します。
書き込み速度は静止画だと連写速度や連写枚数に関係してきます。
Jpegを数枚連写するくらいであれば速度を気にする必要はなさそうですが、サイズの大きいRAWファイルだったり何十枚の連写となると、速度低下を起こしたりします。
そして動画の場合は記録できるビットレートの大きさに影響してきます。
ビットレートは1秒当たりに送られるデータ量と考えてもらえればOK。
4K解像度で60Pや120Pのような高いフレームレートだと大きくなったり、選ぶフォーマットによっても大きくなります。
逆にFHDや低いフレームレートなら低いビットレートが選べるので、そこまでハイスペックのカードは要らないかもしれません。
なので写真も動画も必要な速度に応じてカードを選ぶわけですが、SDカードの場合は記載しているマークを見ると判断しやすいです。
速度の規格には、スピードクラス、UHSスピードクラス、ビデオスピードクラスというのがあります。
個人的にはビデオスピードクラスしか見ないのですが、念の為3つとも解説しておきます。
書込速度はカードに記載している記号(クラス)で判断する
スピードクラス
スピードクラスはCの中に数字が書いてあって、この数字は最低速度を表しています。
4が書いてあったら最低でも1秒に4MB送れる、10が書いてあったら10MB送れるということです。
古い規格なので最近は記載してないものもあるようです。
UHSスピードクラス
そしてUHSスピードクラスはUの中に数字が書いてあって、これも最低保証速度です。
1が書いていたら10MB、3が書いてあったら30MBになります。
この規格は1と3しかありません。
ビデオスピードクラス
そしてビデオスピードクラスはVの横に数字が書いていて、30と書いていたら30MB、90と書いていたら90MBになります。
以上の3つの規格が書いてあるわけですが、一番高い数値までカバーしているビデオスピードクラスだけ見れば良くて他は見る必要がなさそうという感じです。
そして、SONYの各カメラのヘルプガイドを見ると「XAVC SI 4Kの600MbpsにはV90必要」というようなことが書いてあるのでそこで判断をすれば良いわけです。
CFexpress TYPE-Aカード
SDカードよりも早いCFexpressTYPE-Aカードというものがあります。
CF-Aカードにも最低保証速度が記載してあります。
最低保証速度はVPG(Video Performance Guarantee)で表してあるのでここを確認すればOKです。
上の画像では400と書いてあるので400Mbps。SDカードよりかなり高性能ですね。
ビットレートが大きい動画を撮ったり、連写性能を最大限まで引き出すにはCF-Aカードが必要な場合があるので注意が必要です。
あと、CFexpressTYPE-Bカードという物もありますが、こちらは使用不可なので気をつけてください。
ビデオスピードクラス(V〇〇)やVPGを見れば速度がわかる
容量
続いて容量についてです。
容量は単純に多ければ多いほど良いですが、値段も上がるのでちょうど良いものを選びたいところです。
そして自分に必要な容量はある程度計算ができます。
容量の計算
まず動画に必要な容量はビットレートと時間から計算できます。
ビットレートのビットという単位は8で割るとバイトに変換できます。
例えば僕がYouTubeやVLOGでよく使う100Mbpsだと、100÷8で1秒あたり12.5MBだと分かります。
2時間丸々撮ったとして、12.5×60×60×2=90000MBつまり90GBということになります。
ビットレートを半分の50Mbpsにすると45GBになりますし、倍の200Mbpsにしたら180GBになります。
そして静止画だと、画素数や形式(jpeg・RAW)でサイズが大きく変わります。
このあたりも写真と動画で分けて後ほど詳しくお話します。
SDHCやSDXC
SDカードの容量の規格としてSDHCやSDXCというものがあります。
これは単純に32GBまでがSDHCで、それを超えるとSDXCというだけなのでカード選びで気にする必要はあまりないです。
必要な容量はざっくり計算できる(後ほど紹介)
寿命
続いて寿命についてです。
寿命についてはなかなか情報が出てなくて判断しづらいと思いますが、大きなポイントとして「書き込み方式」というのがあります。
書き込み方式
具体的にはSLC・MLC・TLC・QLCのどれなのかということです。
SLCというのはシングルレベルセルの略で、情報を記録するセル1つに1つ(1bit)の情報を入れ込むことを表します。
シングル(S)、マルチ(M)、トリプル(T)、クアッド(Q)の順に記録する情報が多くなるので、QLCは容量が多くて安価なものが多いです。
逆にSLCは値段が高くて容量が少ないものが多いです。
「安くて容量も多いTLCやQLCを選べば良いのかな?」と思いきや、寿命や信頼度が違ってきます。
書き換え回数
1つのセルに情報を多く持たせるほど、精度が落ちたり劣化しやすくなります。
劣化しやすくなることで、書き換え回数は次のように変わると言われています。
- SLC:数万回
- MLC:5000回ほど
- TLC:1000回ほど
- QLC:数百回
当たり前のように使っていたら、SDカードが寿命を迎えて記録できなくなることもあるかもしれません。
カードの耐久性や信頼性を求めるなら書き込み方式に注目したいところです。
見分け方
書き込み方式は必ず表示されているわけではありません。
詳しく調べていかないとわからない場合が多いですが、SLC、MLCあたりの製品はそこが強みでもあるので積極的に表示しているかもしれません。
TLCに関しても一般向けとしては広く使われているものなので、趣味などで使う分には問題ないかなと思ったりします。
寿命は「書込方式」が目安になるが、記載してない製品もある
α1の写真用カードの選び方
続いてα1の写真用カードの選び方についてお話します。
ここまでにお伝えした通り、カード選びでは速度・容量・寿命がポイントになります。
ただ寿命は写真でも動画でも共通なので、ここでは速度と容量についてお話します。
写真用の速度
まず、必要な速度は「連写をするか」と「写真のサイズ」で大きく変わります。
連写はせずに1枚ずつじっくり撮る場合はそこまで性能を気にしなくて良いですし、写真のサイズが小さいと連写もしやすいです。
連写速度
α1の連写速度は最高30枚となっています。
ただヘルプガイドにも記載がありますが、非圧縮RAWとロスレス圧縮RAWでは1秒20枚に速度低下します。
1秒30枚で撮るなら圧縮RAWやJPEGなどに設定しましょう。
連続撮影可能枚数
SONY公式が出している連続撮影可能枚数も見てみます。
最高速度で連写を何枚続けられるかということなんですが、1秒30枚ではなく20枚の設定です。
また、CF-Aカードを使った場合の枚数なので、SDカードだと枚数は少なくなります。
JPEG Lサイズ エクストラファイン: 182枚、JPEG Lサイズ ファイン: 400枚、JPEG Lサイズ スタンダード: 400枚、RAW: 238枚、RAW+JPEG: 192枚、RAW (ロスレス圧縮): 96枚、RAW (ロスレス圧縮)+JPEG: 83枚、RAW (非圧縮): 82枚、RAW (非圧縮)+JPEG: 78枚
非圧縮RAWで82枚となっているので、1秒20枚の計算で4秒ほど連写ができそうです。
α1は非圧縮で100MB、JPEGでも30MBほどのサイズがあります。
このサイズでSDカードだと連写はちょっと厳しめかもしれません。
CF-Aなら連写は安心だがSDだと不安がある
写真用の容量
続いて容量についてです。
写真を撮る量は人によって全然違うので、なかなか難しいところもありますが、ざっくり計算してみます。
趣味の撮影で1日あたり300枚で考えてみます。
風景などで1日100枚も撮らない人もいますし、人や動物で1000枚くらい撮る人もいると思います。
あくまで1例として今回は300枚にしておきます。
- JPEG:30MB×300=9GB
- 非圧縮RAW:100MB×300枚=30GB
仮に3日間の旅行で使うとしたら、27~90GBとなるので、128GBあれば普段使いや旅行でも足りそうかなと思います。
ただ、α1は野鳥や動物、乗り物などで、バンバン連写する人が多いと思います。
そう考えると256GBくらい必要になってくるかもしれません。
撮る量は人によってバラバラだが、128GBあれば比較的安心
α1の動画用カードの選び方
続いて動画用カードの選び方をお話します。
動画の方でも速度と容量についてお話します。
動画用の速度
まず速度ですが、これは選ぶビットレートによって変わってきます。
こちらはα1のヘルプガイドに記載してある内容です。
α1は8K撮影もできてちょっと複雑なので、簡単に整理しておきます。
- 8K(HS):V90
- 4K(S,HS):V60
- 4K(SI):V90
- HD(S):V30
- HD(SI):V90
使うビットレート次第ではこれ以下のスペックで撮れる可能性もあります。
例えば4K60P(S,HS)はV30でも撮影可能です。
ただ、せっかく4K120Pや8Kも撮れるのでV90は確保しておいた方が良いと思います。
あとここには記載していませんが、S&QモードのスローでXAVC SI 4K120Pを使うならCF-Aカードが必要です。
最低限の4K性能ならV30だが、V90やCF-Aがあった方が良い
動画用の容量
続いて容量についてです。
冒頭でもお話したとおり、動画の容量はビットレートをもとに計算することができます。
例えば100Mbpsで1時間撮影したら100÷8×60×60で45000MBつまり45GBになります。
2時間だと90GB、3時間で135GBということです。
最大のビットレートである4K60P XAVC SI 600Mbpsだと1時間撮るのに270GBも必要になります。
これは丸々記録した時間なので、撮影間隔がどのくらいなのかでも変わってきます。
もし旅行で100Mbpsを使って2時間撮影×3日間だと270GBということになりますし、半分に抑えても135GBです。
撮影時間がイマイチ想像できない場合でも、少なくとも128GBくらいはあったほうが良いんじゃ無いかと思います。
必要な容量はビットレート次第だが、128GB以上あると良い
α1用おすすめカード5選
最後にα1用おすすめカードを5つ紹介します。
これまでの内容を踏まえて、カードを選んでみました。
写真でも動画でもある程度は耐えられる容量と速度にしていますが、リンク先で適宜選んでいただければと思います。
SUNEAST ULTIMATE Pro pSLC
最初に紹介するのはSUNEASTのSDカードです。
書き込み方式は「pSLC」というもので、SLC〜MLCの書き換え耐性があると言われています。
値段は17000円ほどで、TLCやV30程度のカードと比べるともちろん高いです。
ただV90の速度と128GBの容量、pSLCの信頼性を踏まえると比較的安価だと思います。
ProGrade COBALT pSLC
2つ目はProGrade digitalのSDカードです。
こちらもスペック的にはSUNEASTのカードと同じで、書き込み方式もpSLCです。
ProGradeはカメラ用カードとしては有名なので、安心感もあるかもしれません。
値段は19000円ほどで少し高めです。
Nextorage Pro pSLC
3つ目はNextorageのSDカードです。
あまり聞きなれないメーカーかもしれませんが、2019年発足の国内メーカーです。
しかもSONYの技術者たちが立ち上げた会社ということで、安心感もありレビューの評価も高いです。
書き込み方式pSLCの製品では一番安い16000円ほど。安心感もあって注目度の高い製品です。
ProGrade Digital CF-A
4つ目はProGradeのCF-Aカードです。
値段は38000円ほど。
α1の最高連写性能を発揮するならCF-Aカードが必要ですが、現状だとCF-Aのメーカーはかなり少ないです。
その中でも純正より安くて信頼性もあるということで、このCF-Aカードは良い選択になると思います。
PERGEAR CF-A
最後に紹介するのはPERGEARのCF-Aカード。
こちらは260GBの製品ですが、値段は23000円ほど。CF-Aカードではダントツで安価な製品です。
ただ書き込み方式が記載されていないので、TLCあたりかな?と思ったりはします。
とにかく安くでCF-Aが使いたい方は選んでみても良いかもしれません。
SONY CF-A
5つのカードを紹介しましたが、念の為SONYのカードも紹介しておきます。
やはり純正ということで安心感もあり僕が主に使っているのはこのカードです。
値段は43000円ほどで高くつくので、「やっぱり純正が良い」という方は選ぶと良さそうです。
以上、今回はα1用カードの選び方とおすすめカードを紹介しました。
カード選びの参考にしてみてください。
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