今回はSONYα6700の「デュアルベースISO」を確認していきます。
デュアルベースISOは暗い場所でもノイズを抑えやすい機能です。
ただSONY公式はデュアルベースISOの情報を出していません。
なので今回は、デュアルベースISOの検証と、デュアルベースISOとは何か、あと活用方法についてお話します。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧下さい。
デュアルベースISOとは?
まずデュアルベースISOとは何かについてお話します。
ご存知の方は次の検証からご覧下さい。
ベースISO
カメラにはノイズを抑えてダイナミックレンジも広く確保できる「ベースISO感度」というものがあります。
ベースISOは拡張ISOを除いた一番小さい数値です。
α6700の「静止画」や「PP1」などではISO100がベースISO感度です。
ISO100から数字が大きくなるにつれてノイズが増えるので、明るいレンズを使ったりSS(シャッタースピード)を長くして、出来るだけISO感度を上げないのが基本になります。
ただ夜景撮影や暗い室内での撮影は、どうしてもISO感度を上げないと明るさを確保できません。
そういう時にデュアルベースISOが活躍します。
ベースISOはノイズを抑えてダイナミックレンジも広く確保できる感度のこと
デュアルベースISO
デュアルベースISOとはベースISOが2つあるということです。
1つ目のベースISOから感度を上げていって2つ目のベースISOに達すると一旦ノイズが減ります。
明るい環境では1つ目のベースISOを使って、暗い環境では2つ目のベースISOを活用することで、ノイズを抑えた撮影ができるというわけです。
α6700は公式がデュアルベースISOを搭載しているとは言っていないですが、搭載しているFX30と同じセンサーと言われているので、今回確認します。
ちなみに、デュアルベースISOは写真や動画の基本を押さえている人が活用すべきものです。
そうでない方が使おうとすると、考えることが多くて撮影がとても窮屈になります。
初心者の方は「とりあえずこういうのもあるんだな」くらいに留めて、ゆくゆく活用していただければと思います。
デュアルベースISOはとても役立つ機能だが考えることは増える
α6700のデュアルベースISO確認
ということで、α6700のデュアルベースISOを確認していきます。
確認方法
方法ですが、ボディキャップをつけた状態で撮影して、編集で明るくしてノイズを見ます。
ノイズは写真や映像の暗い部分に潜んでいるので、この方法だとわかりやすいです。
まず先にFX30と同じベースISOかどうかを確認したいので、S-Log3で検証します。
FX30のS-Log3は1つ目のベースISOが800で2つ目が2500なので、α6700にも同じタイミングでベースISOがあるかを確認しつつ、ノイズ量も比べてみたいと思います。
FX30のS-Log3ベースISOは800と2500なので、α6700も同じか注目
S-Log3でFX30と比較
ということでS-Log3のISO800です。
FX30とα6700でノイズ量が全く同じです。
左右半分ずつに映像が出ているんですが、境界すらわかりません。
先日、同じセンサーが載っていると言われるα7SIIIとZV-E1で比較をしたときは、細かい違いがあったんですが、FX30とα6700は全く同じのようです。
続いてISO2000です。
ISO感度が上がってどちらもノイズが増えました。
次のISO2500はFX30のベースISOなのでノイズが減るか注目です。
ということでISO2500です。
どちらもノイズが減ったのでα6700も2つ目のベースISOが2500なのがわかりました。
そして減り具合も全く同じなので、FX30とα6700の暗所性能は同じと考えて良さそうです。
静止画や他のPP
続いて、S-Log3以外の設定でもデュアルベースISOが使えるか確認します。
同じペースで解説すると時間がかかるので、設定と2つのベースISOを順に読み上げていきます。
PP1:100と320
PP2:100と320
PP3:100と320
PP4:100と320
PP5:80と250
PP6:64と200
PP10:100と320
PP11:125と400
クリエイティブルック:100と320
静止画:100と320
S-Log3以外についてもデュアルベースISOがあるのは確認できました。
1つ目のベースISOをおよそ3倍すると2つ目のベースISOになるようです。
α6700はS-Log3以外でもデュアルベースISOが使える
デュアルベースISOの活用方法
α6700のデュアルベースISO活用方法についてお話します。
デュアルベースISOの考え方
簡潔に言ってしまうと、ISO感度を上げるなら2つ目のベースISOを狙う。
そして、ベースISO手前の感度は使わないということです。
先ほどの検証でもご覧いただいた通り、1つ目のベースISOから感度を上げるにつれてノイズが増えて、2つ目のベースISOで一気にノイズが減ります。
こちらの画像はPP1のノイズの様子です。
つまり2つ目のベースISO手前の感度(250)はノイズが多くて勿体無い状態ということです。
例えばS-Log3で、ISO2000で明るさが足りる状態でも、ベースISOの2500まで上げてしまった方が良いです。
明るすぎる分は、F値やSS、NDフィルターなどで明るさを抑えてください。
これならノイズが少なくて明るさも確保できた状態になります。
具体例
今回α6700に「SEL15F14G」というレンズをつけて、軽量ジンバルの「CRANE M2S」に載せてS-Log3で夜景の作例動画を撮影しました。
記事冒頭のリンクからYouTubeでご覧いただけます。
上の画像は動画から切り出したものです。
SEL15F14Gは開放F1.4の明るいレンズですが、夜景となると1つ目のベースISOでは明るさが足りません。
ISO1600や2000まで上げれば明るさは足りますが、デュアルベースISOを意識してISO2500に設定しました。
これだと少し明るすぎる状態なので、F値は開放F1.4ではなくF1.8あたりに絞ります。
S-Log3は基本露出オーバーで撮るので、結構ISO感度を上げましたが、他のPPや静止画ではそこまでISO感度は上げなくて良いと思います。
夜景写真も撮りましたが、開放F1.4、SS1/50秒でISO320で撮影できました。
2つ目のベースISOで明るすぎるならF値・SS・NDで調整する
やってはいけないこと
ベースISOを気にしすぎて明るさが不足するのは一番ダメなパターンです。
例えばISO6400必要なのにISO2500で撮ったりするのはダメです。
おそらく編集で明るくすることになりますが、暗い部分にノイズがたくさん出てきます。
こういう時は最初から思い切って感度を6400まで上げた方が良いです。
つまり2つ目のベースISOを超える分には、ベースISOは気にせず上げてしまってください。
ベースISOを気にしすぎて露出不足になるのはダメ
ということで今回はデュアルベースISOの確認をしてきました。
途中でもお話しましたが、初心者の方がデュアルベースISOを活用しようとすると、とても窮屈な撮影になります。
まずは写真や動画の基本を押さえてから活用してみてください。
購入はSONYストアがオススメ
ちなみにα6700を購入するならSONYストアが一番おすすめです。
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SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。
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カメラ選びの参考にしてみてください。
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