今回は人気の単焦点レンズ『SEL35F14GM』とSONYα7CIIで撮った作例を確認していきます。
このレンズを購入して1ヶ月半くらいですが、ZV-E1で動画を撮ったりα7CIIで静止画を撮ったりしています。
今回はα7CIIの静止画作例を見ながら、どんな写りをするのか確認していこうと思います。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。
解像感などのチェック
作例の前に解像感などのチェックだけやっておきます。
こちらは開放F1.4で撮影した写真で、全体を見る分にはとりあえず解像感があって良い写りに見えます。
ただ、周辺減光はさすがにあって、補正した写真と見比べると周辺部の明るさに差があります。
歪みも多少はあるようで、補正すると少しだけ画角が狭まります。
このあたりは補正するのが前提になってくるので、特に気にしなくても良いかなとは思います。
そして解像感の確認ですが、写真の隅をHDまで拡大してみます。
同様に撮影したSEL2870の35mm開放F4の写真と比べると、明らかに解像感が違うのがわかります。
感度はどちらも100で、SSは短いので手ブレはありません。
SEL2870はキットレンズにもなっている古いレンズなので、違うのは当たり前ではあります。
ただ、実際に見比べると大きな違いがあるのがわかります。
今度はSEL35F14GMのF1.4とF4を比べてみると、周辺減光が一気になくなって解像感はさらに増しているのがわかります。
F8でも撮ってみましたが、F4とあまり変わらない印象です。
簡単な比較ではありますが、やはり高い解像感があることがわかりました。
近接作例
続いて作例を確認していきます。
エゾハナシノブの写真で、逆光で撮って木漏れ日で玉ボケを出したものです。
ボケを強めに出すためにF2.5で撮っていますが、シベにしかピントが合ってないので、本来はもっと絞った方が良いと思います。
ボケは角ついた印象もなくて綺麗な玉ボケになっていると思います。
周辺部を見ても口径食はなさそうです。
ちなみにこれはF14で撮ったオダマキの写真です。
撮影距離が短いと、絞ってもある程度はボケるので、真ん中の花以外は少しボケつつ、全体もしっかり写せています。
続いて、ヤマブキの花を見てみます。
先ほどはF2.5のボケでしたが、今度は開放F1.4のボケです。
特別悪い印象ではないんですが、周辺部で口径食が出ているのがわかります。いわゆるレモンボケというやつです。
同じくF1.4で撮影したティアレラです。
中心部のボケは円形に近いですが、周辺部へいくにつれてレモン型になってるのがわかります。
そしてF2.8で撮影したチャイブです。
今までのボケで一番綺麗な印象で、周辺部でも円形になっています。
つまりこのレンズは開放だとそれなりに口径食が出ますが、1段から2段ほど絞ると綺麗な円形ボケになるということです。
F1.4で口径食が出ないレンズはないと思うので、むしろF2.5で綺麗なボケを撮れるなら十分じゃないかと思います。
ボケが玉ねぎの断面みたいになる、玉ねぎボケは全くないようで、基本的にボケの綺麗なレンズです。
木漏れ日の玉ボケを出すために逆光で撮ったりしているわけですが、フレア・ゴーストが出る気配もありませんでした。(フレアは一度だけ出た)
ただよく見ると、ピント面の前後に偽色が発生しています。
ピントより手前にパープルフリンジ、奥にグリーンフリンジが出ています。
この花手水の写真でも、白い花の周囲に少しですがパープルフリンジが出ています。
とはいえ、拡大しないとわからないレベルで、気にならないことがほとんどだと思います。
口径食のことなども考えると少しだけ絞ると安心です。
中〜遠景作例
近接写真を見てきたので、今度は遠景の作例も見ていきます。
こちらはF8で撮影した写真です。
手前の芝から奥の木々まで綺麗に解像してくれています。
この写真はF10で撮影したもので、やはり手前から奥まで綺麗に解像してくれます。
こちらはF14で撮影したものなんですが、手前の花がかなり近いのでパンフォーカスにはなってないです。
このレンズのF値の上限はF16です。
パンフォーカスの計算サイトで確認してみたら、F16で2.3mの位置にピントを置くと1.2mから先はパンフォーカスになるようでした。
もう少し手前にピントを持ってくればパンフォーカスに近い状態になったかもしれません。
明るいレンズでパンフォーカスしようとすると結構シビアになるもんだなと感じました。
あとF1.4でも風景を撮ってみました。
被写界深度が浅いので、何が主題かを特にハッキリさせないといけません。
奥の建物にピントを合わせると、ボケのおかげで奥行きや空気感を出すことができます。
ただ、主題が小さかったり距離が離れ過ぎたりすると、ただボカしただけのよくわからない写真になります。
好み次第ではありますが、こういうときはやはりパンフォーカスで撮ったほうが良いなと思います。
AF性能など
AFについては、当然ですが被写体認識も働きますし、速さも精度も気になることはありませんでした。
ただブリージングがかなり大きいので、ピント位置によって画角が結構変わります。
動画では特に注意が必要で、ブリージング補正を使った時のクロップ倍率も1.15倍くらいはあります。
アクティブモードと併用すると結局45mmくらいになるので、これは本当に注意が必要です。
最大撮影倍率はAFで0.23倍、MFで0.25倍なので、近いスペックのレンズと比べると結構高めです。
実はSEL50F1.4GMやSIGMA35mmなど気になるレンズは色々あったんですが、近接能力でこのレンズを選びました。
- SEL35F18:0.15倍
- SEL35F14Z:0.18倍
- SIGMA35DGDN:0.19倍
- SIGMA35DGHSM:0.19倍
- SEL24F14GM:0.17倍
- SEL50F14GM:0.18倍
α7CIIは画素数も多いので、最短撮影距離で小物を撮ってさらにトリミングしても良いと思います。
ということで、α7CIIとSEL35F14GMの作例を見てきました。
基本的にボケも綺麗で、解像感のある写真を撮れますが、開放で撮ると口径食やフリンジが出たりするので、F2.5前後で撮るとそれらを抑えられます。
あとブリージングの大きさはこのレンズの一番の注意点だと思うので、頭に入れておいた方が良いです。
動画用としてのレビューもまたやるかもしれませんが、とにかくブリージングには注意してください。
今回は夜景を撮ってないんですが、明るさで言えばF2.8あれば夜景は大体撮れるので十分です。
重さがあるので、軽さを大事にしたいという方は40mmF2.5Gも選択肢に入れると良いかもしれません。
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