今回はSONY「SEL70350G」のレビューをやっていきます。
このレンズはAPS-C用望遠ズームレンズで、購入して3ヶ月くらい経ちました。
先に結論からお伝えすると、個人的にはα6700での野鳥・動物撮影にベストなレンズだと思っています。
静止画も動画もバッチリ撮れるし、何より軽いので撮影のハードルもかなり下がります。
そんなSEL70350Gについてお話していきます。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。
SEL70350Gのスペック
まずはスペックからお話します。
焦点距離
焦点距離は70mmから350mm。
フルサイズ換算105mmから525mmということで、5倍のズーム倍率があります。
野生動物の撮影で広角側を使うことはそんなにないですが、屋外でペットを撮ったりする方は使うことも多いんじゃないでしょうか。
開放F値
開放F値は4.5-6.3ということで、望遠ズームレンズとしては極々一般的な明るさだと思います。
広角端はフルサイズ用のSEL100400GMと同じで、望遠端はSEL200600Gと同じ明るさです。
手ぶれ補正
手ぶれ補正も搭載しているので安心です。
望遠撮影では移動ブレや回転ブレより角度ブレが支配的になって、ボディ内補正だけでは厳しくなります。
もちろんSSを短くできる環境なら手ぶれ補正もいらないですが、森の中や夕暮れ時間など、光の条件が悪くなるほど手ぶれ補正は重宝します。
個人的には目安200mmを超えるレンズは手ぶれ補正がないとおすすめできないという感じです。
フォーカス駆動方式
フォーカスの駆動方式は「XDリニアモータ」が採用されています。
この方式はSEL400F28GMやSEL600F40GM、SEL70200GMIIなどに採用されています。
スピードはかなり速いですし、音が全く出ないので動画でも使いやすいです。
重さと大きさ
重さは625gなのでSEL100400GMの1.4kgの半分以下、SEL200600Gの2.1kgの1/3以下ということになります。
長さは広角端で14cm、望遠端で19cmほど。
SEL100400GMは広角端で20cm、望遠端で29cm。SEL200600Gはインナーズームで31cmとなっています。
作例
続いてSEL70350Gとα6700で撮影した作例を紹介します。
写真
最初に木の幹にとまっているゴジュウカラの写真です。
これはまだトリミングしてない2600万画素の状態で、焦点距離は250mmでF6.3、SSは1/640秒、ISO感度1600です。
そして4Kの830万画素にトリミングするとこんな感じ。
綺麗に解像して十分使える写真だと思います。
さらにFHD解像度にトリミングしてみます。
2600万画素から207万画素へかなり強いトリミングがしてあるわけですが、羽毛の解像感がすごいです。
あと瞳にしっかりピントがあって、カメラとレンズのAF性能にも驚きです。
よく見ると嘴の先端は少しボケて瞳にガチピン、奥へいくにつれて羽毛の解像具合が段々無くなっているので本当に凄い精度でAFが合っています。
今度はエゾリスの写真です。
焦点距離150mm換算225mmでF5.6、SS1/1250秒、ISO感度1000で撮っています。
これはトリミングなしの状態です。構図が整ってるのでほとんどトリミングはいらない状態ではあります。
一応4K830万画素にトリミングするとこんな感じで。
FHD207万画素までトリミングするとこんな感じ。
ここまでトリミングすることはまずないと思いますが、細かい毛の一本一本まで解像してくれています。
動画
続いて動画の作例です。
僕は4K120Pで動物のスロー映像を撮ることが多いのでその映像になります。
α6700の4K120Pは1.6倍くらいクロップされるので、フルサイズ換算170-840mmくらいになります。
この映像は焦点距離200mmほどなので換算500mmくらい。
こちらは望遠端350mmなので換算840mmくらいです。
800mmもあると野生動物の撮影ではほぼ困らないと思いますが、望遠になる程ブレは出やすくなるので、編集での補正や三脚使用も考えておくと良いと思います。
この映像は撮影距離が近かったのでほぼ広角端くらいだったんじゃないかと思います。
重いレンズだと同じ姿勢を続けるのはかなりキツいんですが、このレンズの重さならかなり楽に撮影できます。
望遠端を使うと小鳥の撮影もできます。
バリアングルで遠くの小鳥をフレーミングするのはかなり難しいのでファインダーで覗いて撮影しています。
これも軽いレンズだから姿勢を維持できるので、重いレンズではとてもできません。
レンズの軽さのメリットは動画でより感じるところだと思います。
使い勝手
最後にSEL70350Gの使い勝手についてお話しておきます。
軽さ
これまでもお伝えしたとおりとても軽いレンズなので、持ち運びがかなり楽です。
僕は基本カメラストラップは付けなくて、大きいレンズだと三脚座を持ったりするんですが、このレンズはグリップを持ったまま持ち歩けるくらい軽いです。
サイズ的にも物によってはカメラポーチに入るくらいじゃないでしょうか。
このサイズ感で換算500mm以上撮れるレンズはそうないと思います。
操作性
レンズが自重で伸びないようにLockスイッチがついているんですが、振ったりしても伸びる気配はないので、Lockしなくても基本問題なさそうです。
ズームリングもフォーカスリングもやや重めに作られてる印象で、フォーカスリングはもう少し軽いほうが個人的には使いやすいです。
と言っても野鳥も動物もほとんどAF任せにしています。
防塵防滴に配慮した設計となっていますが、インナーズームと比べると埃や水滴の侵入に注意したほうが良いとは思います。
フォーカスリングが手前でズームリングが奥に配置されています。レンズによっては逆だったりするので、イメージはしておいたほうが良いかもしれません。
フォーカスホールドボタンがあるので、設定で好きな機能を割り当てることもできます。
質感など
レンズの素材はSEL100400GMやSEL200600Gのような金属感はなくてプラスチック感があります。
個人的には軽く作ってくれてむしろありがたいです。
テレコンは非対応なので換算525mm以上必要かというのは考えておいたほうが良いです。
近づくのが難しい動物の撮影ではもう少し欲しいと思うこともあるかもしれません。
SEL70350Gまとめ
ということで今回はSEL70350Gのレビューをしてみました。
野鳥や動物撮影はもちろん、乗り物やスポーツで使うのも良いと思いますし、値段的にも超望遠領域に挑戦しやすいです。
今APS-C機にフルサイズ用レンズで撮ってる方も、このレンズの軽さは本当に大きなメリットなのでオススメです。
レンタルからでも良いのでぜひ一度使ってみてほしいレンズです。
機材選びの参考にしてみてください。
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