SONY ZV-E1の手ぶれ補正について解説!クロップ倍率や画質低下、弱点も確認しました

SONY ZV-E1の手ぶれ補正性能を解説!クロップ倍率や画質低下、弱点も確認

今回はZV-E1のアクティブモード性能について解説します。

ZV-E1には動画用の手ぶれ補正機能である「光学式のアクティブモード」と「光学式・電子式併用のダイナミックアクティブモード」が搭載されています。

アクティブモードがあれば手持ちで歩き撮影もできるということはすでにわかっているんですが、今回はさらに掘り下げてクロップ倍率や弱点、画質の確認、あと視聴者さんから要望のあった検証もやってみます。

ちなみに今回の記事の内容は動画にもしてあって、実際に歩き撮りした映像もあるので、こちらの方がわかりやすいかもしれません。

目次

アクティブモードのクロップ倍率

まずはクロップ倍率の確認をやります。

アクティブモードでもダイナミックアクティブモードでも映像の画角が狭くなります

これはレンズ選びなどにも影響することなので、クロップ倍率は知っておいた方が良いです。

手ぶれ補正性能を比べようにも映像の画角を合わせないと比較はしづらいので、そういう意味でもクロップ倍率の確認が必要です。

ということで早速確認していきます。

ZV-E1で「手ぶれ補正OFF」の状態で動画を撮影して、位置を変えずに「アクティブモード」、「ダイナミックアクティブモード」でも撮影します。

撮影した映像をキャプチャして横3840px縦2160pxの4K画像が3つ出来上がります。これをフォトショップに取り込みます。

手ぶれ補正OFFの画像を背景に置いて、アクティブモードの画像を縮小して画像がピッタリ合うように重ね合わせます。

ピッタリ合った時のピクセル数を確認して4Kと比較します。

これをダイナミックアクティブモードでもやって2つのクロップ倍率を出すことができます。

ZV-E1のアクティブモードクロップ倍率

ということで確認した結果ですが、アクティブモードのクロップ倍率は1.12倍となりました。FX30のアクティブモードと同じくらいです。

普段画角を考える場合は1.1倍か1.15倍くらいで計算すると良いかもしれません。

そしてダイナミックアクティブモードは1.43倍となりました。こちらはZV-E10の電子式補正と同じくらいです。

計算は1.4倍とか1.45倍、ざっくりで良い方は1.5倍でも良いかもしれません。

手ぶれ補正性能の確認

続いてアクティブモードの性能確認をやります。

撮影方法

方法はアクティブモードとダイナミックアクティブモードそれぞれで持ち方、歩き方を条件を悪くしていって撮影します

  • Lv1.両手でゆっくり歩き
  • Lv2.両手でラフ歩き
  • Lv3.片手でゆっくり歩き
  • Lv4.片手でラフ歩き

直進で撮影した後でカーブでも撮影しますが、カーブの結果が特に重要なので気をつけてみてください。

あと参考でジンバルの片手持ち、ラフ歩き、手ぶれ補正スタンダードでも撮影します。

その後で視聴者さんから要望のあったダイナミックアクティブモードでのAPS-C用レンズ運用についても確認します。

画角調整

ここで、先ほどのクロップ倍率をもとに画角を合わせておきます。

レンズは「SELP1635G」を使うので広角端16mmにダイナミックアクティブモードで撮った場合

16×1.43=22.88mmとなります。

およそ23mmの画角で比較をすれば良いので、アクティブモードは焦点距離20mmで撮ることにします。

ブリージング補正でも1.1倍ほどクロップがかかるので、こちらは念の為OFFにしておきます。

撮影設定

設定ですが、「4K60P XAVC HS 100MbpsでS-Log3」F値はF8まで絞ってMFでパンフォーカスになるようにしておきます。

後で画質を比較するときに「モーションブラー(映像の軌跡)」が乗っていると参考にならないので、SSは1/400秒ほどの短い数値にします。

前置きが長くなりましたが、アクティブモードの性能確認結果をお伝えします。

補正性能

アクティブLv1直進

アクティブモードで両手持ちゆっくり歩きです。

通常のアクティブモードでも丁寧に撮れば滑らかな映像になるというのが分かりました。

アクティブLv2直進

続いて両手持ちでラフに歩きます。

少し弾むような上下の動きが出ますが、これもVLOGでは十分許容範囲と思われます。

アクティブLv3直進

片手持ちのゆっくり歩きです。

安定する時は安定するんですが、横の支えがないのでたまに回転ブレみたいなものが出ます

(光軸を中心に回転するブレ)

片手で自撮りをするようなときにはこういうブレが出ると思います。

アクティブLv4直進

片手持ちのラフ歩きです。

先ほどよりさらに回転ブレが多くなります。アクティブモードで撮る場合は基本的にゆっくり丁寧に撮るのが良さそうです。

DアクティブLv1直進

続いてダイナミックアクティブモードです。

両手持ちのゆっくり歩きだと正直アクティブモードのとの違いは分かりません。

DアクティブLv2直進

今度は両手持ちでラフに歩きます。

これでもアクティブモードとの違いはほぼわからないと思います。

DアクティブLv3直進

続いて片手持ちのゆっくり歩きです。

アクティブモードだと回転ブレが目立つことがありましたが、ダイナミックアクティブモードなら回転ブレを抑えられるようです。

DアクティブLv4直進

そして片手持ちのラフ歩きです。

アクティブモードだと厳しい条件ですが、ダイナミックアクティブモードなら「とても滑らか」とは言えずとも、なんとか抑えてくれてます。

アクティブLv1カーブ

今度はアクティブモードでカーブを曲がります。

両手持ちのゆっくり歩きですが、回転ブレでガタついてしまいます。緩いカーブなら大丈夫のようです。

FX30でもα7IVでも同じだったんですが、アクティブモードはとにかく旋回に弱いです。

アクティブLv4カーブ

参考に片手でラフ歩きをしましたが、とても使えたものではないです。

DアクティブLv1カーブ

続いてダイナミックアクティブモードで両手持ちゆっくり歩きです。

若干引っかかりはありますが、ガタつきを抑えてなかなか滑らかです。

ダイナミックアクティブモードはアクティブモードの弱点である回転ブレを出にくくするもののようです。

DアクティブLv4カーブ

ただDアクティブでも片手でラフにカーブを曲がると厳しいので、片手でも両手でもゆっくり丁寧に撮る必要はありそうです。

ジンバル+スタンダード補正

そして参考なんですが、ジンバルの「RS3mini」に載せて手ぶれ補正スタンダード、ラフに歩きました。

ジンバルなら直進でもカーブでもラフに歩いても滑らかに撮れます

参考で片手持ちで走ってみましたが、これでもだいぶ滑らかな映像になります。ジンバルとアクティブモードでは圧倒的な違いがあります。

今回はSELP1635Gで撮るために大きめのRS3miniを使いましたが、また軽量ジンバルと軽量レンズの組み合わせでもたっぷり撮影したいと思っています。

Dアクティブ+APS-Cレンズ運用

視聴者さんから要望のあったAPS-C用レンズ「SELP1020G」とダイナミックアクティブモードの組み合わせです。

本来APS-C用レンズで4K解像度を使うと周辺部にケラレが出てしまうんですが、今回ケラレもなく撮影できました。

焦点距離を13mmあたりにすれば撮影ができるようです。

レンズフードやNDフィルターをつけてカメラを振ったりもしてみましたがケラレは出ませんでした。

ただ「広角端10mm」や「望遠端20mm」だとフードを外してもケラレが出ました。

なのでSELP1020Gに関してはダイナミックアクティブモードを使うことで4K撮影ができそうです。

Dアクティブの画質低下

ただここで注意したいのがダイナミックアクティブモードの画質についてです。

アクティブモードとダイナミックアクティブモードで撮影した映像をキャプチャして比較をしたところ、ダイナミックアクティブモードはディテールが潰れて画質が落ちていることがわかりました。

ダイナミックアクティブモードの画質低下

そもそもZV-E1の画素数は動画で1010万画素でここから4K映像を作っているわけですが、ダイナミックアクティブモードの1.43倍クロップを考えたら使える画素数はおそらく500万くらいになるので4K解像度を割ってしまいます

数字で考えても、実際に見ても解像感の低下は確実ではあります。

ただ映像として見るとわかりづらい可能性もありますし、人によって判断が変わるところではあります。

僕もTouTubeではFHDを4Kに引き伸ばして使うということをやったりもしているので、用途や求めるクオリティ次第なところもあると思っています。

ただ「ZV-E1の本来の4K画質」を求めるならダイナミックアクティブモードは使わない方が良いとも言えそうです。

熱停止検証についての要望

アクティブモードの検証は以上なんですが、先日の熱停止検証に関して視聴者さんの要望があったのでこちらも確認しました。

検証結果

「HDMI出力での動画配信で熱停止しないか知りたい」ということで、ZV-E1にUSB-C給電してHDMIで4K出力、内部記録はなしという条件で検証しました。

室温も前回と同じ25℃で、三脚に乗せて撮影しましたが、残念ながら50分くらいで熱停止しました。

USB-C給電が発熱の原因になっているだろうと思ったので、内蔵バッテリーだけでHDMI出力をしたら、やはりバッテリーが切れる2時間15分の間は熱停止しませんでした。

ダミーバッテリーだったりするとまた違うのかもしれませんが、いずれにしろ外部給電しながらのHDMI出力は何かしらの熱対策は必要になりそうです。

ということで今回はアクティブモードの検証をやってきました。

内容を簡単にまとめると、アクティブモードは直進には強いけどラフには撮らない方が良くて、カーブには弱い。

ダイナミックアクティブモードはアクティブモードと比べてラフに撮ることができてカーブにもある程度強くなっているけど画質が低下するという感じです。

撮影の参考にしてみてください。

購入はSONYストアがオススメ

ちなみにZV-E1を購入するならSONYストアが一番おすすめです。

アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。

  • 10%OFFクーポン(初回も使える)
  • メーカー3年保証が無料
  • 定期的にクーポン配布

SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。

さらに「αあんしんプログラム」に入ると15%OFFクーポンやレンズの長期保証クーポンがもらえますが、こちらは月額550円かかりますので、必要に応じて考えればOKです。

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ZV-E1の情報をまとめた1ヶ月レビュー記事もあるのでよければご覧ください。

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