今回はZV-E1の『協調制御手ブレ補正』についてお話していきます。
ZV-E1にこっそり搭載されていた協調制御手ぶれ補正は現状「α7RV」にしか搭載されていません。
シネマラインのFX3やFX30、フラッグシップのα1などにも搭載されていない機能です。
先日気づいてすぐに使ってみたんですが、かなり良い機能だったのでZV-E1を買ってよかった要素がまた増えたなと思いました。
ただこの機能は、使えるレンズがかなり限られているので、正直ハードルが高いものではありますし、実際に撮影してみて、クセもあることがわかったので、そのあたりもしっかりお伝えしたいと思います。
もし自分のレンズでは使えないとなっても、今回はSONYカメラの手ぶれ補正仕様についてもお話しするので、これからカメラ選びレンズ選びをする上でも参考になる情報だと思います。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
協調制御手ブレ補正の効果は?
まず補正効果の確認を簡単にしてみます。カメラを軽く振ってどのくらいブレが出るかみてみます。
協調制御手ぶれ補正を動画で使うときはアクティブモードをONにすればOK。
「スタンダード」と「アクティブ」で比較することで協調制御の効果を確認できます。
ちなみに静止画では通常の手ぶれ補正でも協調制御の状態になっています。
アクティブの方が粘りがかなり強くて、カメラを振ってもその場に留まろうとする感じです。
ちなみにアクティブモードは1.15倍ほど画角が狭まる仕様です。
この確認は焦点距離200mmの撮影なんですが、実はアクティブモードは本来望遠撮影には向いていません。
公式の注意書きでも「200mm以上ではスタンダードを使ってください」と書いてあるくらいです。
(α7SIIIやα7IVのページに記載があります)
なので、僕は「α7IV」や「FX30」で望遠撮影するときはアクティブモードではなくスタンダードで撮ってきました。
超望遠ではなかなか厳しくて、撮影後にソフトで補正するということも結構ありました。
それが協調制御手ぶれ補正によって、200mm以上でもアクティブモードで撮れるようになったというわけです。
協調制御手ブレ補正って何?
ではその協調制御手ぶれ補正とは何か?と言う話に移ります。
これは名前の通り、ボディの手ぶれ補正とレンズの手ぶれ補正が協調して補正を行うというものです。
「そんなの両方に手ぶれ補正がついてればできるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、それができません。
実はSONYカメラではボディとレンズ両方に手ぶれ補正がついていても、相乗効果で効果が高まるということにはならないです。
手ぶれにはカメラの位置は変わらず角度だけが動く『角度ブレ』と光軸を中心に回転する『回転ブレ』、カメラが縦横に移動する『移動ブレ』の3つがあります。
ボディ内手ぶれ補正は3つともに対応できますが、レンズ内補正は回転ブレ以外の2つに対応しています。
ただレンズの方が角度ブレには強いという特性があります。
なので、レンズにもボディにも手ぶれ補正がある場合にはレンズで角度ブレ、カメラで回転ブレと移動ブレに対応するという『役割分担』が起きます。
古めのレンズでは、この役割分担すら起きなくてレンズ内補正は働かなくなるというものすらあります。
つまり、ボディとレンズ両方に手ぶれ補正があれば合わさって効果が高まるという仕様ではなかったわけです。
ボディに手ぶれ補正があるなら、望遠レンズ以外は手ぶれ補正があってもなくてもほぼ変わりません。
それに対して協調制御手ぶれ補正はボディとレンズが連携して補正を行うのでより高い効果を期待できます。
ただ他社のカメラには搭載されていましたが、SONYカメラにはない状況でした。
そして昨年発売された「α7RV」でやっと初搭載されて、今回「ZV-E1」で2機種目というわけです。
α7RVはボディ内手ぶれ補正が8段でZV-E1は5段なので、α7RVには劣ると思いますが撮影は明らかにしやすくなりました。
協調制御手ブレ補正のクセ
そんな協調制御手ぶれ補正を活かして、今回野鳥の手持ち動画撮影をしてみました。
結果としては、かなり効果が出てるなという場面と、スタンダードとそこまで変わらないなという場面がありました。
具体的には焦点距離が大きくなるほどスタンダートとの差を感じづらくなります。
今回出来るだけ条件を厳しくして撮影しようと思ってZV-E1に「SEL100400GM」という望遠レンズに、「2倍テレコン」をつけて撮影しました。
テレコンは焦点距離を倍数分大きくできるものになります。
これで200-800mmの焦点距離が使えるんですが、600mmくらいまではしっかりブレを抑えてくれるけど、800mmになると普段と変わらないくらいにブレるなという感じです。
ちなみに60Pで撮って24P変換の2.5倍スローにすれば少しブレは目立たなくなります。
静止画に関しては動画ほどガチッとブレを抑え続ける必要がないので、良い感じに補正が働いていたように感じました。
ZV-E1は画素数が少なくてトリミング耐性が低いのは惜しいところです。そのおかげで高感度耐性があるのでしょうがないことではあります。
ちなみにZV-E1のヘルプガイドには「非圧縮RAW」と「ロスレス圧縮RAW」では連写速度が低下すると書いてあるんですが、試してみたら低下せず1秒10枚で撮れたので一応お伝えしておきます。
あと、今回ZV-E1で初めて野鳥を撮ったんですが、やっぱりAIAFの被写体認識がかなり良いです。
本当なら粘り強く被写体を撮り続けるようにAF乗り移り感度を低くして撮影するんですが、一番高い5のままでも被写体をしっかり捉え続けてくれました。
枝が多くてα7IVの鳥瞳AFでは認識してくれなかった状況でもZV-E1はすんなり認識してくれたので驚きです。
協調制御手ブレ補正が使えるレンズ
AIAFとの相性も良くて望遠撮影でかなり活用できる協調制御手ぶれ補正ですが、冒頭でもお話したとおり使えるレンズがかなり限られています。
現状だと以下の4本だけです。
- SEL24105G
- SEL70200GM2
- SEL100400GM
- SEL200600G
これはα7RVも同じです。
一番手軽に使えそうなところとしてはSEL24105Gでしょうか。
ということで今回は協調制御手ぶれ補正についてお話してきました。
持ち前のAF性能もありつつ、これから4K120Pも追加されて、協調制御補正も使えるとなると、動物を撮る人間としては本当に良い買い物をしたなという感じです。
ただ4K120Pではアクティブモードが使えないハズなのでちょっと惜しい。
とりあえず、ZV-E1はVLOGだけでなく色んな使い方ができるカメラというのがよくわかる機能でした。
購入はSONYストアがオススメ
ちなみにZV-E1を購入するならSONYストアが一番おすすめです。
アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。
- 10%OFFクーポン(初回も使える)
- メーカー3年保証が無料
- 定期的にクーポン配布
SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。
さらに「αあんしんプログラム」に入ると15%OFFクーポンやレンズの長期保証クーポンがもらえますが、こちらは月額550円かかりますので、必要に応じて考えればOKです。
ZV-E1の情報をまとめた1ヶ月レビュー記事もあるのでよければ参考にしてみてください。
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