今回はSONY ZV-E1の「デュアルベースISO」の確認をやっていきます。
先日、ZV-E1にF4レンズの「SELP1635G」をつけて夜景撮影してきました。
街中での撮影とはいえ、F4レンズでは基本的に夜景は撮りづらいですし、そのためにF値の小さいレンズを購入したりします。
そんな中、ZV-E1の隠し機能である『デュアルベースISO』を使えばF4でも夜景撮影できました。
今回はそんなデュアルベースISOの仕組みや活用方法をお伝えします。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので好きな方でご覧ください。
ZV-E1のデュアルベースISOとは?
まず簡単にデュアルベースISOとは何かをお話しておきます。
暗い場所での撮影はまず「F値」や「シャッタースピード(SS)」を調整して明るさを確保するんですが、それでも足りない場合はISO感度を上げて明るさを補います。
ただISO感度を上げるにつれて映像にノイズが載って画質が悪くなります。
カメラには「ベースISO感度」というものがあって、ここから上に上がっていくにつれてノイズが載りやすくなるんです。
そこでデュアルベースISOが活用されるんですが、通常のベースISOに加えてもう1つベースISOが用意されているので、ISO感度がそこまで上がると一旦ノイズが減ります。
これを画像で確認してみます。
ZV-E1を使って撮影しますがレンズキャップをつけたままの状態で撮影します。ノイズは映像の暗い部分に潜んでいるので、これを編集で持ち上げるとノイズの出方がとてもわかりやすいです。
まだISO感度が低い状態なので露出を持ち上げてもノイズはそこまで目立ちません。
ISO感度が高い数値になるとノイズがかなり多くなります。
そしてここからさらに上げると急にノイズが減ります。このノイズが減ったタイミングが「ベースISO感度」ということです。
このデュアルベースISOが搭載されているカメラは結構たくさんあります。
公式が搭載していると言っているのはシネマラインの「FX3」と「FX30」などで、あと非公式ですが「α7IV」や「α1」あと「α7SIII」にも搭載されていると言われています。
2つ目のベースISOはFX3とα7SIIIは12800で、FX30は2500、α7IVは3200でα1は4000と言われています。
この数字はS-Log3で撮影した場合のものです。
そしてZV-E1なんですが、公式はデュアルベースISOを搭載しているとは言っていないです。
ただZV-E1は「α7SIIIやFX3と同じセンサーが使われているのでは?」との噂もあったので今回確認をしてみます。
結論から先にお伝えするとデュアルベースISOはやはり搭載されていましたし、S-Log3だけでなく他のピクチャープロファイルや静止画でも使うことができそうです。
デュアルベースISO検証結果
ということでデュアルベースISOの確認結果をお伝えします。
確認方法は先ほどお伝えした通りで、ISO感度を上げていってノイズが減るタイミングを確認します。
ベースISO手前の感度だとかなりノイズが載っているので違いがわかりやすいです。
そして1つ目のベースISO感度は拡張ISOを除いた一番小さいISO感度なので、今回は2つ目のベースISO感度だけ確認をしました。
では結果をお伝えします。
S-Log3:ISO640 ISO12800
続いてピクチャープロファイルですが
PP1:ISO80 ISO1600
PP2:ISO80 ISO1600
PP3:ISO80 ISO1600
PP4:ISO80 ISO1600
PP5:ISO64 ISO1250
PP6:ISO50 ISO1000
PP10のHLG系統についてはガンマを変えるとベースISOが変わるのでそれぞれお伝えします。
HLG:ISO100 ISO2000
HLG1:ISO50 ISO1000
HLG2:ISO80 ISO1600
HLG3:ISO100 ISO2000
PP11:ISO100 ISO2000
ここまでの結果から気づいた方もいるかもしれませんが、1つ目のベースISOを20倍したら2つ目のベースISOになるようです。
そして「クリエイティブルック」は1つ目のベースISOが全て80なので、代表でFLだけ確認をして2つ目のベースISOは1600だったので、他は省略しました。
そして「シネマティックVlog設定」についても1つ目のベースISOが全て100だったので、代表でFreshとForestの組み合わせを確認して、やはり2000でした。
最後に静止画の確認ですが1つ目のベースISOは80で2つ目が1600になったんですが、RAWとJPEGどちらでも1600でノイズが減っていました。
デュアルベースISOの活用方法
以上がデュアルベースISOの確認結果で、これを踏まえて活用方法についてお話します。
まず個人的な印象としては一般的なカメラだとこんな設定で夜景が撮れます。
- F1.4
- SS1/50秒
- ISO800
F1.4は強力にボケるので、背景をボカした表現などには良いですが、風景全体にピントを合わせた「パンフォーカス」にするのがちょっと難しくなるかもしれません。
そしてZV-E1なら次の設定にできます。
- F5.6
- SS1/50秒
- ISO12800
ISO感度12800にすると800と比べて感度が16倍になっています。
つまり2の4乗で4段明るくなるので、F値を4段暗くすることができます。
F1.4を4段絞ると4倍のF5.6になってパンフォーカスしやすくなりますし、冒頭からお伝えしている通りF4レンズも使えるようになるということです。
フルサイズ用のF4レンズには今回使った広角ズームレンズの「SELP1635G」があります。
広角端16mmは歩き動画で躍動感を出してくれますし、パースの効いた迫力ある映像になります。
353gということでフルサイズ用レンズとしては比較的軽量なのも嬉しいポイント。
そして2月に発売された「SEL2070G」は広角から中望遠付近まで撮れるので、歩き撮りから被写体に注目した撮り方までできます。
ただ重さが488gあって大きめのレンズですし、ダイナミックアクティブモードのクロップまで考えるとちょっと狭いかなという印象です。
広角から望遠まで撮れる「SEL24105G」などもあります。
こちらは、さらに重めの663gなので注意。あと24mmにクロップを加えると結構狭めの画角になります。
汎用性が高めのレンズが多いので昼でも夜でも1本のレンズで全部撮るということもできたりします。
デュアルベースISOの注意点
あとZV-E1のデュアルベースISOで気をつけたい点を挙げておきます。
注意点と対策
注意したい点は「ISO640だと明るさが足りないけど12800もいらない」ような場合が結構あることです。
ISO8000や10000くらいで明るさが足りるということもあると思います。
こういう時例えばα7IVだと、デュアルベースISOが800と3200なので、とりあえず10000まで上げ切ることになります。
ただZV-E1だと640と12800に開きがありすぎて、12800まで上がりきらないかもしれません。
ただ中途半端に高いISO感度だとむしろノイズが多く載ってしまうので、思い切って12800まで上げてF値やNDフィルターで露出落としてあげるというふうにしたほうが良いと思います。
(ISO8000で明るさが十分でも12800まで上げる等)
ということで今回はZV-E1の隠し機能であるデュアルベースISOの確認をやってみました。
この機能を使えばより暗所撮影しやすくなると思うのでぜひ撮影の参考にしてみてください。
購入はSONYストアがオススメ
ちなみにZV-E1を購入するならSONYストアが一番おすすめです。
アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。
- 10%OFFクーポン(初回も使える)
- メーカー3年保証が無料
- 定期的にクーポン配布
SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。
さらに「αあんしんプログラム」に入ると15%OFFクーポンやレンズの長期保証クーポンがもらえますが、こちらは月額550円かかりますので、必要に応じて考えればOKです。
あと、ZV-E1の情報をまとめた1ヶ月レビュー記事もあるのでよければご覧ください。
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