SONY新カメラ『ZV-E1』のスペック解説!ZV-E10・α7IV・FX30ユーザーが解説

SONYの新カメラ『ZV-E1』のスペック解説!

今回はSONYの新カメラ『ZV-E1』のスペック解説をやっていきます。

ZV-E1はZV-1やZV-E10などと同じくVlog用途向けのミラーレス一眼カメラです。

ただ今回はフルサイズ機ということで、これまでの一型センサーやAPS-Cセンサーよりかなり性能がアップしていますし、逆にセンサーが大きくなったことで心配な部分もあったりします。

筆者はまだZV-E1を実際に使ったわけではありませんが、スペックをもとに客観的な視点も入れつつ解説していきたいと思います。

ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、こちらも参考にしてみてください。

目次

ZV-E1はフルサイズセンサー

ということでまずは、フルサイズセンサーについてお話していきます。

これまでのZVシリーズはZV-1やZV-1Fで一型センサーが、ZV-E10ではAPS-Cセンサー、そしてZV-E1ではフルサイズセンサーが使われます。

フルサイズはこの中で一番大きなセンサーなので、画素数を多くしたり暗い場所での性能を上げたりできますが、ZV-E1は動画向けのカメラなので画素数は4Kを撮れる最小限に抑えてあります

なので、静止画では1210万画素、動画では1010万画素ということで画素数は少なめです。

静止画を撮る場合は解像感の高さやトリミング耐性には期待できませんが、SNSで使ったりするには問題ないと思います。

ZV-E1の最大常用ISOは102,400

そしてこの少ない画素数のおかげで、ZV-E1の最大常用ISO感度は102,400となっています。

最大常用ISO感度はISO感度をを上げても画質を保てる目安みたいなもので、APS-CのZV-E10は32,000で同じフルサイズのα7IVは51,200なので、かなり性能が高いのがわかります。

あと気になるポイントとして、α7SIIIやFX3で使える『デュアルベースISO』が使えるか?ということです。

デュアルベースISOはダイナミックレンジが広くてノイズも抑えられるベースISOが、2つ用意されている機能で、これがあれば暗い場所での撮影がかなり楽になります。

スペックには書いてありませんでしたが、α7SIIIの時はスペックに書いてないけど実際は使えるというものでしたし、ZV-E1はα7SIIIと同じセンサーが使われているとの噂もあったので期待したいところです。

最大常用ISOは102,400で、ここから画質は落ちますが409,600までISO感度を上げることもできます。

ZV-E1は4K120P撮影可能

ZV-E1はクロップなしで4K60P、10%クロップで4K120Pが撮影できます。

フレームレートが大きいとより滑らかな映像やスローモーションの撮影ができるので、4Kで60P、120Pまで撮れるのはかなり嬉しいポイントです。

しかも60P以上は画角がクロップされるカメラも多い中、60Pではクロップなし、120Pも立ったの10%なので十分すぎる性能です。

ただ4K120Pは最初は使えず、6月以降に使えるようになるようです。

あと気になることとして、4K120Pや4K60Pで熱停止しないか?ということです。

シネマカメラであるFX3などは長時間撮影にも耐えられるように空冷ファンで熱を逃がせるようになっていたりします。

ZV-E1に関しては空冷ファンはついてないですし、放熱しやすい構造を採用しているわけでもなさそうなので、負荷の大きい4K60Pや120Pで長時間撮影しようとすると厳しいかもしれません

個人的には日中屋外で30分以上連続で撮るようなことはないのでそこまでは心配してませんが、用途次第では今後出てくるレビューなんかも見てから買った方が良いように思います。

ZV-E1は4:2:2 10bit撮影可能

続いて4:2:2 10bit撮影についてです。

「4:4:4 4:2:2 4:2:0」というような数字をクロマサブサンプリングと言って、数字が大きいほど色情報の圧縮が少なくて情報量が多いということになります。

「12bit 10bit 8bit」のような数字をbit深度と言って、この数字が大きいほど階調が滑らかになりやすいです。

ZV-1やZV-E10では4:2:0 8bitでの撮影になるんですが、ZV-E1では4:2:2 10bitでの撮影が可能でこれによってカラーグレーディングなどにも強くなります。

特にLog撮影をする場合は4:2:2 10bitの方が画質の劣化を抑えた編集ができるので、4:2:2 10bitが選択肢にあるのは強みと言えます。

そして動画編集にはフォーマットも影響してくるんですが、ZV-E1ではXAVC「S HS SI」の3つのフォーマットが使えます

Sは汎用性が高くてファイルサイズもそれなりに抑えたもの、HSは圧縮効率が良いので低サイズで高画質になりやすいですが、編集で重くなったり汎用性も高くはないです。

SIは汎用性が高く高画質、編集もサクサクできますが、ファイルサイズが一番大きいです。

ガッツリ編集する作品撮りなどではXAVC SIを使って、長回しするならXAVC HSを使ったり、とにかくいろんなメディアで使えるようにしておきたいならXAVC Sという感じで使い分けすると良いと思います。

ZV-E10やZV-1のフォーマットXAVC Sだけでしたが、ZV-E1では選択肢が増えたということになります。

ちなみにXAVC SIの4K120Pはα7SIIIやFX30などではS&Qモードだけで、かつCFexpressTYPE-Aカードが必要でした。

ZV-E1はCFexpressは使えないので、SIの4K120Pは使えないのかなと思ったんですが、公式HPには「ALL-Intra記録できる」という記載もありました。

あえてXAVC SIと書かずにALL-Iと書いてあったり、だったら他の機種でもCFepressいらなかったのでは?と思ったりでちょっと違和感があるので、このあたりもちょっと気をつけた方が良いかもしれません。

ZV-E1の手ぶれ補正

続いて手ぶれ補正についてです。

ZV-E1には光学式の手ぶれ補正が搭載されていて、これを活用した動画用手ぶれ補正の「アクティブモード」に加えて、電子式補正も併用した『ダイナミックアクティブモード』も搭載されました。

光学式アクティブモードはα7IVやα7SIIIなどにも搭載されていて、これだけでかなり気軽な動画撮影ができていたんですが、これに電子式が加わってさらに効果が上がるということで期待したいポイントです。

より手軽に歩き撮影ができると良いなと思いますが、これまでのアクティブモードが1.15倍ほどのクロップ倍率で、映像を見るとそれよりさらにクロップされていたのでダイナミックアクティブは1.4~1.5倍くらいのクロップと思っていた方が良いかもしれません。

仮に1.5倍なら20mmのレンズも30mm近くになって自撮りが厳しくなったりするので要注意です。

ZV-E1の重さ

そしてカメラの重さですが、SONYのフルサイズ機が大体650gあたりなのに対して483gということで、とんでもなく軽量です。

ファインダーがない分α7Cの509gよりも軽くなっていて、フルサイズのVlog撮影のハードルがかなり下がった感じがします。

ちなみにこの軽量にAPS-C用レンズを付けられればさらに軽量化できそうなのでSuper35mmモードが搭載されていると良かったんですが、スペック表には見当たりませんでした。

もしかしたら見つけられなかっただけかもしれません。

その他の注目ポイント

その他の注目ポイントを一気にお伝えします。

あとこの記事を書いた後で、ZV-E1の先行体験をしてわかったこともあります。

記事にまとめているのでぜひご覧ください。

AIAF

α7RVに搭載されたばかりの『AIAF』が搭載されて、後ろ姿やマスクをしている状態でも被写体を認識しやすかったり、人、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機も被写体認識します。

シネマティックVlog設定

ZV-E1に初めて搭載されたシネマティックvlog設定では、通常の16:9のアスペクト比に黒帯をつけて「2.35:1」にしたシネスコ比率が使えたり、「Look」と「Mood」の組み合わせで色味の表現が楽しめるようです。

オートフレーミング

被写体を追ってフレーミングする「オートフレーミング」と「フレーミング補正」については4Kからクロップされて映像が作られるので画質は落ちるようですが面白そうな機能です。

ブリージング補正

ピントを動かしたときに画角が変わってしまうブリージングを補正する機能も対応レンズなら使えます。

LUT取り込み

FX3やFX30で使えるLUT取り込み機能で、撮影時点でLUTをあてたりLUTをあてたモニタリングも可能。

HDMI端子はmicroでRAW出力不可

FX3などのようにATOMOSレコーダーへのRAW出力はできません。HDMI端子は小さめのマイクロなので、ちょっと心もとないという方もいるかもしれません。

内蔵マイク

内蔵マイクはオート、前方、全方位、後方から指向性を選べてウィンドスクリーンも付属しています。

複数人顔認識

ZVシリーズでお馴染みの商品レビュー設定や、美肌補正、背景ボケ機能に加えて複数人顔認識もあります。

F値でぼけ具合を調整して複数人にピントが合うようにするもののようです。

電子シャッターで10コマ/秒

静止画については電子シャッターでFX30と違って連写も1秒10コマでできます。読み出し速度は遅くはないんじゃないかと思うのでローリングシャッター歪みもそこまで心配いらないかもしれません。

Zバッテリー

Zバッテリーなので、ZV-E10などと共用はできませんが、容量は増えています。

キットレンズはSEL2870

キットレンズはSEL2860で、比較的新しくて軽量コンパクトなズームレンズですが、広角端28mmにアクティブモードを加えると狭くなる可能性があるので注意してください。

4月4日予約開始で21日発売、ボディがおよそ33万ほどでレンズキットで36万ほどになりそうです。

かなり駆け足でしたが、スペックの解説をしてきました。

思った以上にかなりハイスペックではあるんですが、長時間収録やカードのダブルスロットには対応していないところを見るとプロ用というよりは、やはりVlogカムという感じではないでしょうか。

このハイスペックなでVlogを撮りたいという人もいればVlogカムとしては値段が高すぎるという人もいそうな気もします。

結構賛否が分かれそうなカメラですが、面白いカメラなので買うかどうかはじっくり考えたいと思います。

この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。

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