今回はSONY ZV-E10IIのスペック解説をやっていきます。
7月10日の深夜にZV-E10IIが発表されました。
まず印象からざっくりお伝えすると、既存のSONYユーザーからも否定的な意見が結構出そうなカメラだと思います。
もちろん、これだけの機能性能があれば十分という人もいると思うんですが、期待されてたであろう機能がなかったりもします。
比較対象になりやすいZV-E10やα6700は両方使っているカメラなので比較も交えながら解説していきたいと思います。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
ZV-E10IIのスペック
まずはZV-E10IIのスペックをサッと紹介していきます。
センサー
ZV-E10IIは裏面照射型のAPS-Cセンサーを搭載しているカメラです。
ZV-E10が表面照射だったのでグレードが上がって、画像処理エンジンもBIONZ Xから「BIONZ XR」になっています。
このあたりはスペックが一新された感じです。
画素数は2600万画素で、暗所性能の目安である最大常用ISO感度は32000です。
これはα6700やFX30と同じスペックなので、噂通り同じセンサーが使われていそうです。
解像度とフレームレート
動画の解像度とフレームレートは4K60P、FHD120Pまでとなっています。
ZV-E10は4K30Pまでだったので、選択肢が多くなっています。
ただα6700は4K120P、FHD240Pまで使えるので同じセンサーで考えるとスペックダウンということになります。
あとα6700は4K60Pがクロップなしでしたが、ZV-E10IIは5.6Kオーバーサンプリングとなっているので、少しだけクロップされるのかもしれません。
手ぶれ補正
手ぶれ補正については光学式補正なしで、電子式のアクティブモードが使えます。
ZV-E10は電子式で、α6700は光学式だったので、この違いなどについて後ほど詳しくお話します。
フォーマットなど
動画フォーマットがXAVC Sだけでなく、HS、SIも使えて4:2:2 10bitで撮れるようになったのはZV-E10との大きな違いです。
汎用性や編集耐性、ファイルサイズ低減など自分の目的に応じた選択ができるようになっているということです。
操作性
ファインダーはなくて、103万ドットの3型モニターはα6700と同じです。
重さは377gなので、ZV-E10から40g重くなっています。
ただ実はバッテリーが大容量になっているので、本体自体はむしろ軽くなっているようです。
この軽さは相変わらず大きなメリットになりそうです。
気になるポイント
では続いて、ZV-E10IIのいくつかの気になるポイントについて解説していきます。
手ぶれ補正(電子式)
まず手ぶれ補正ですが、先ほど紹介した通りZV-E10IIは電子式のアクティブモードです。
ZV-E10のアクティブモードも電子式だったんですが、いくつかの問題点がありました。
滲み
1つ目は滲みです。
電子式補正はSSを長くした時のモーションブラーを消せなくてこれが滲みとして現れます。
例えば24Pで1/50秒、30Pで1/60秒で手持ち歩き撮影などすると滲みが出ます。
SSを短くすれば滲みは出ないので、個人的には歩き撮影するなら滑らかな60PでSSは数百分の1秒まで短くしてしまうかなという感じです。
低いフレームレートでSSを長くする時は注意ということです。
ちなみにα6700やFX30などは光学式補正があるので、滲みは発生しません。
4Kでの性能低下
2つ目は4Kで性能が落ちるということです。
あくまでZV-E10の仕様ですが4Kだと補正効果が落ちてしまいました。FHDなら比較的滑らかに撮れます。
4Kで歩き撮りは正直厳しいという感じでした。
ここが改善されてるかどうかは実際に使ってみないとわからないところなので、とりあえずそういう仕様があったということは頭に入れておいた方が良さそうです。
α6700などの光学式補正がある機種だとこの仕様はありません。
クロップ倍率
3つ目はクロップです。
ZV-E10のアクティブモードはクロップ倍率が1.44倍ありました。
例えばキットレンズの広角端16mmだとフルサイズ換算で24mm、クロップを入れて35mmほどになります。
キットレンズで自撮りや風景の歩き撮影は厳しいです。
光学式補正があるとクロップは1.15倍ほどなので、27mmくらいで撮れて、狭めではあるけど無理ではないという感じです。
今回クロップ倍率が下がったという話を聞いたりもするんですが、少なくとも1.2倍はありそう。
やっぱりキットレンズでの運用は厳しくてより広角の「SELP1020G」や「SEL11F18」あたりを結局買うという人は出てきそう気がします。
再度念押ししますが、クロップ倍率と4Kでの性能低下についてはZV-E10IIを実際に使わないとわかりません。
ただ電子式補正の滲みに関しては仕組み上出ると思った方が良いです。
固定して撮る分には良いですし、軽さを活かして軽量ジンバルにのせるという前提の方はあまり気にしなくて良いかもしれません。
メカシャッター
気になるポイント2つ目はメカシャッターレスについてです。
ZV-E10にはメカシャッターがあるので、ローリングシャッターを気にせずスチル機として使ってきた人も多いと思います。
今回ZV-E10IIはメカシャッターがなくなったので、同じように使うことはできなくなりました。
もちろん、風景や物撮り、動きの少ないポートレートなどは良いと思うんですが、走るものを撮ったりするには厳しくなります。
フラッシュについては一応シンクロスピード1/30秒で使えるようですが、かなり長めです。
使えないわけではないけど、スチル機能は思いっきり削った印象があります。
AF性能
3つ目はAF性能です。
最近のSONYカメラはAIAFが標準搭載みたいな状況で、α6700にもあるんですがZV-E10IIにはありません。
AIがあると被写体検出性能がかなり上がって、遠くにいたり障害物があったり、後ろを向いたりしても検出してくれます。
AIAFがないα7IVやFX30などでも条件が悪くなければ、特別問題は出ないですし、それと同等か上くらいじゃないかとも思います。
ただ、一度AIAFを使うともう戻れないという人が多いのも確かです。
気になるのはこの3つかなという感じで、この中の1つでも買うか買わないかの判断材料になるくらいのかなり大事なポイントです。
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