ZV-E10の手ぶれ補正はしっかり手ぶれを消してくれるかな?
ZV-E10は『アクティブモード』をONにすることで、手ぶれ補正がかかります。
「アクティブモードがあれば完全に手ぶれを消せるの?」と聞かれたら答えはNOです。この記事では、手ぶれ補正の仕組みを理解した上で、どうずれば手ぶれを消せるのか?についてお話します。
この記事の筆者は写真家兼ライターの「とも」です。
全国を旅しながら風景撮影したり、機材の役立つ情報を発信しています。
そんな筆者はSONY製カメラの愛用者。ZV-E10もポチってたっぷり検証しているので、皆さんに役立つ情報をお伝えできると思います。
ということで今回は「ZV-E10の手ぶれ補正は性能良い?【手ぶれ補正の種類と仕組み】」というテーマでお話します。
ZV-E10の手ぶれ補正はどんな仕組み?
ZV-E10のアクティブモードは『電子式』手ぶれ補正です。
手ぶれ補正には「電子式」と「光学式」があり、それぞれ違う方法で手ぶれを補正します。SONYの上位機種であるα7Siiiなどには両方搭載されており、動画機としての地位を高めた理由の1つですね。
ZV-E10はカメラ本体で電子式補正をかけ、光学式補正はレンズでかけることを想定しています。役割を分けることで、カメラ本体の軽量化を図ったのだと思われます。
ということで、この2つの手ぶれ補正について、仕組みを簡単に解説しておきます。
ちなみに上の写真は被写体ブレの方ですね(^^;
電子式手ぶれ補正
電子式手ぶれ補正は、ソフトでブレを補正する仕組みです。
映像を広めに撮っておき、ブレに応じて都度トリミングをかけるようなイメージでしょうか。
こんな補正を瞬時にかけて動画を作ってるのですから凄いですよね。
このように、電子式補正は録画する範囲を調整してブレを補正してくれます。
しかし、一度センサーが受け取った映像に手を加えるということは、シャッタースピードが遅くて発生する「残像」などは補正できないということ。また、広く映すと言ってもレンズによって画角は決まっていますから、正確に言うと録画する範囲を狭めているということになります。
実際、ZV-E10のアクティブモードは画角が1.44倍にクロップされるので、より広角のレンズを使う必要もあります。
仕組みを理解して機材選びや設定をしないと、思った映像は撮れないということです。
続いて、「光学式」手ぶれ補正についての解説です。
光学式手ぶれ補正
光学式手ぶれ補正は、物理的にブレを補正します。
カメラとレンズで仕組みが違い、カメラだと『センサーシフト方式』になります。カメラの動きを検出して、その動きを打ち消すようにカメラ内部のセンサーを動かします。
そしてレンズの補正。1本のカメラ用レンズは複数枚のレンズで構成されており、その中に手ぶれ補正用のレンズもあります。(もちろん、補正機能が無いレンズにはありません)
レンズ内のジャイロセンサーがブレを検出して、補正用レンズを動かすことでブレを打ち消します。
光学式補正は、カメラのセンサーに光が届いた時点でブレが補正されているので、残像なども消すことができます。また、クロップが無いので画角の狭まりもありません。
しかし、手ぶれ補正用のパーツが組み込まれる分、カメラやレンズが大きくなるというデメリットもあります。ZV-E10に搭載されなかったのはこれが理由かと。
以上、電子式と光学式の手ぶれ補正についてザッと解説しました。それぞれに長所と短所があることをお分かりいただけたと思います。
参考に、電子式の「ZV-E10」と光学式の「α7iii」で手ぶれ補正性能を比較した動画を載せておきます。全然違って驚くと思います。
続いて、この2つの違いを踏まえて、ZV-E10でどうやって手ぶれを消すか?についてお話します。
電子式と光学式の仕組みをざっくり知っておけば、撮影やレンズ選びでも迷わずに済みますね。
ZV-E10で手ぶれを消す方法
ZV-E10で手ぶれを消すための方法を3つお伝えします。
それはこちらです。
- 電子式と光学式をセットで使う
- 画角の広いレンズを使う
- ジンバルで大きなブレを消す
それぞれ解説していきます。
電子式と光学式をセットで使う
ZV-E10で手ぶれを消すには、本体の「電子式」とレンズの「光学式」両方の手ぶれ補正を用意すべきです。
とは言え、実はZV-E10のアクティブモードがONになっているとレンズの手ぶれ補正は働きません。
ではなぜ両方必要かと言うと、静止画撮影ではアクティブモードが働かないので、レンズの手ぶれ補正が必要となるからです。
また、三脚やジンバルを使う場合なら、アクティブモードはOFFにしてレンズの光学式補正だけ使うという選択肢もあります。これならアクティブモードの1.44倍クロップを受けずに済みます。
撮影の選択肢を増やす意味でも電子式と光学式のセットを使うと良いでしょう。
画角の広いレンズを使う
画角の広いレンズを使うと見た目の手ぶれを低減できます。つまり「広角レンズ」が有利ということですね。
画角の狭い標準〜望遠のレンズだと小さな動きでも写る範囲が大きくズレるので、手ぶれにシビア。もちろん、画角は自分の画作りのために選ぶので、「望遠で撮ろうと思ったけど、ブレるから広角に替える」というのは難しいと思います。
しかし、初心者の方は「広角は手ぶれに有利」ということを知っておいて損はないでしょう。
また、アクティブモードで画角が狭まる(1.44倍)ことを考えて、より広角のレンズを選ぶ必要もあります。
あと、広角レンズに関して注意して欲しいこともあります。
広角レンズは、手ぶれに有利ということで手ぶれ補正を搭載してないレンズも多いということ。手ぶれ補正の有無はしっかりチェックしておきましょうね。
ちなみに、筆者のオススメはこのレンズです。
10-18mmの超広角でクロップされても問題なし。手ぶれ補正もついててしかも軽量。ZV-E10のためにあるようなレンズです。
ジンバルで大きなブレを消す
ジンバルを使えば大きなブレを消すことができます。ブレというかもはや揺れという感じですかね。
アクティブモードでも強力にブレを補正できますが、大きな揺れや傾きには耐えられません。
ジンバルは水平垂直を保つ機能があるので大きな動きにも耐えられるし、レバー操作の旋回もできるので、宙に浮いてるのかと思うような滑らかな動画が撮影できます。
シューティンググリップよりもずっと大きくて重いですが、映像への効果は絶大。
映像作品レベルまで持っていきたいならジンバルは持っておくべきでしょう。
ちなみに、ジンバルを購入するなら『MOZA Aircross2』がオススメ。
MOZAはジンバルだけでなく、ポケットカメラからドローンまで作っているメーカーで信頼でき、筆者も愛用しています。
撮影に手軽さを求めるならジンバルは不要かも。まずは手持ち撮影して必要かを考えましょう。
ZV-E10の手ぶれ補正まとめ
今回はZV-E10の手ぶれ補正についてお話しました。
簡単に内容をまとめておきます。
まず、手ぶれ補正の仕組みと性能についてお話しました。手ぶれ補正には次の2つがあります。
- 電子式→ソフトで手ぶれを低減。画角が狭まる
- 光学式→物理的に手ぶれを低減。重くなる。
どちらにも長所と短所があり、ZV-E10のアクティブモードには電子式補正が採用されています。
これを踏まえて、ZV-E10で手ぶれを消す方法をお伝えしました。それがこちら。
- 電子式と光学式をセットで使う
- 画角の広いレンズを使う
- ジンバルで大きなブレを消す
「アクティブモードの電子式補正」と「レンズの光学式補正」をセットで使えば撮影に選択肢が増えます。また、アクティブモードで画角が狭まることを考えてより広角のレンズを使いましょう。
この2つでも満足できないならジンバルを使います。宙に浮いてるような滑らかな動画になりますよ。
ZV-E10は軽量化を達成させるために、手ぶれ補正の役割をカメラとレンズで分けた、良い発想のカメラだと思います。この素晴らしい性能を活かして、ジャンジャン素敵な動画を撮りましょう。
以上、ZV-E10の手ぶれ補正に関する記事でした。最後までお付き合いいただきありがとうございました。
この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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