今回はSONYα6700の基本設定について解説します。
α6700は機能が多い分、設定は複雑になっています。
単語の意味も分かりづらくて「どう設定すれば良いかわからない」という方も多いと思います。
今回は長い内容ですが、設定についてかなり詳しく解説するので初心者の方でもこれだけ見れば大体のことがわかります。
必要に応じて何度も見返して欲しい内容なので、ぜひ一度、最後までご覧ください。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
動画設定
まずα6700の動画設定ですが、4項目に分けてお話します。
- 解像度とフレームレート
- フォーマット
- ビットレート等
- Logとカラープリセット
主な設定は、MENUを開いて上から2つ目の「メイン」というところに集めてあります。ここから設定すると良いです。
解像度とフレームレート
解像度
まず動画設定で1番重要な、解像度とフレームレートについてです。
解像度は映像に使われる画素数のことで、α6700では次の2つが使えます。
- 4K:830万画素
- FHD:207万画素
解像度が高い4Kの方が高画質ですが、ファイルサイズは大きくなります。
FHDは画質的に劣りますが、ファイルサイズを抑えられます。
最近は4Kが主流になってはいますが、FHDで十分という方もいます。
僕は基本は4Kですが、気軽に撮るVLOGなどはFHDで撮ったりすることもあります。
フレームレート
そしてフレームレートは、映像1秒に流れる画像の枚数を表していて、これによって滑らかさが変わります。
24,30,60,120,240とあって、数字が大きいほど滑らかになります。
使い分けの目安は次のとおりです。
- 24P:シネマティック
- 30P:それなりに滑らか
- 60P:とても滑らかな
- 120P:スロー素材
- 240P:スロー素材
120Pと240Pはそのまま見るというより、低いフレームレートに変換してスローモーションの素材になります。
僕は作品撮りは24P、VLOGは30Pか60P、野生動物などを撮るときは120Pで撮って、5倍スローモーションにしたりします。
選ぶフレームレートに答えは無いので、自分の用途や好みで決めればOKです。
フォーマット
続いてフォーマットについてです。
動画の解像度を選ぶときに「XAVC S 4K」のような、ややこしい表記が入っています。
これがフォーマットです。
とっつきにくい表記ですが、特徴を覚えれば簡単に使い分けできるので、しっかり理解しておいてください。
フォーマットには次の3種類があります。
- XAVC S
- XAVC HS
- XAVC SI
XAVCという言葉に大した意味は無いので、SとHSとSIの3つと考えてください。
ではそれぞれの特徴を紹介していきます。
XAVC S
1つ目のXAVC Sは色んな視聴環境に対応した一番汎用性が高いフォーマットです。
パソコンのスペックがあまり高くなかったり、色んな機器やソフトでも視聴できるようにしておきたいならこのフォーマットを使うと良いです。
他のフォーマットでは視聴できなくても、XAVC Sなら視聴できる可能性が高いです。
困った時はとりあえずXAVC Sという感じです。
XAVC HS
2つ目のXAVC HSは高画質で低サイズなフォーマットです。
XAVC Sよりも効率良く圧縮がされているので、同じファイルサイズでも情報量はHSの方が上です。
これは「H.265コーデック」というものが使われているからなんですが、このコーデックに対応していない機器やソフトもあります。
先ほどのXAVC Sやこれから紹介するXAVC SIは「H.264コーデック」が使われていて、H.264は色んな機器やソフトに対応しています。
あと強い圧縮がかかっている分、動画編集をするときの解凍作業にPCのスペックが必要になります。
スペック次第ですが、XAVC HSでは固まってとても編集できないということにもなりかねません。
つまり、XAVC HSは高画質で低サイズですが、使いやすさとしては劣るということです。
XAVC SI
3つ目のXAVC SIは高画質で低圧縮のフォーマットです。
HSが強い圧縮で高画質にしていたのに対して、SIは圧縮少なめで高画質なのでファイルサイズはダントツで大きくなります。
圧縮が少ないので、動画編集でのPCへの負荷も少なめで済みます。
ガッツリ編集して作品を作り上げるような時に使われるフォーマットです。
以上をまとめると
- Sは使い勝手が良い
- HSは高画質、低サイズで使い勝手は良くない
- SIは高画質で使い勝手も良いけどサイズ大
僕の場合は、YouTube、VLOGなどはファイルサイズを抑えられるHSで撮影して、作品はSIで撮っているような状況です。
ビットレート等
続いて、ビットレートとカラーサンプリングとbit深度についてです。
この3つは設定でも「100M、4:2:2、10bit」というようにセットで表記されています。
組み合わせの数はとても多いですが、考え方を知っておけば選び方がわかってきます。
ビットレート
ビットレートは100Mとか200Mのような数字のことで、動画1秒あたりのデータ量を表します。
1byteではなく1bitなので混同しないでください。
数字が大きいほどファイルサイズが大きくなって、画質は良くなります。逆に、小さいほどサイズは落ちて画質も悪くなります。
どこまでなら大丈夫で、どこからはダメみたいな基準はないです。
なんなら50Mbpsと200Mbpsを見比べても分からないという方も多いです。
なので自分で決めるしかないとは思いますが、個人的には100Mbpsあれば画質で特に不満はない状況です。
ちなみに使えるビットレートはカードによって違ってきます。
α6700用のカードの選び方を別の記事でまとめています。
カラーサンプリング
カラーサンプリングですが、「4:2:2」と「4:2:0」の2パターンがあって、色情報の削減度合いを表しています。
撮影した映像をそのまま記録すると情報量が膨大になるので、人の目にわかりづらい範囲で削減しているんです。
4:2:2の方が情報が多くて4:2:0の方が少ないです。
撮影してそのまま見る分にはあまり違いは分からないですが、カラーグレーディングなど編集を加えると4:2:0の方が劣化しやすいです。
bit深度
bit深度ですが、これも色情報の量(諧調)を表していて「8bit」と「10bit」の2種類から選べます。
10bitの方が情報が多いですが、やはりそのまま見る分にはそこまで大きな違いは感じません。
編集すると違いが出てくるという感じです。
カラーサンプリングとbit深度について考え方を整理しておきます。
まずカラーグレーディングをする場合には4:2:2 10bitを選択すると良いです。豊富な色情報で画質の劣化を抑えることができます。
そしてカラーグレーディングしない場合は、4:2:0 10bitか4:2:0 8bitで十分だと思います。
4:2:0 10bitと4:2:0 8bitの使い分けについては、XAVC HSを選べば4:2:0 10bitになりますし、XAVC Sなら4:2:0 8bitなので深く考えなくてOKです。
つまりカラーグレーディングするかどうかで選べば良いということです。
Logとカラープリセット
続いてLogとカラープリセットについてお話します。
α6700にはピクチャープロファイルとクリエイティブルック、そしてLogの3つのカラープリセットがあるので紹介します。
Log
まず初心者の方はLogは使わない方が良いです。
Log撮影は僕もよく使っている設定で、白飛び黒つぶれを抑えやすくて重宝していますが、設定に独特の考え方があります。
あと撮影してそのままでは彩度やコントラストの低い眠い映像になるので、編集は必須です。
編集の知識も必要になってくるので、いきなりLog撮影するのは全くオススメしません。
ということで、残るピクチャープロファイルかクリエイティブルックを最初は使うことになります。
ピクチャープロファイル
ピクチャープロファイルは動画用のプリセットで、PP1〜PP11まであります。
まずは「PP1」や「PP11」から使ってみるのをオススメします。
彩度くらいは調整してみても良いかもしれません。
クリエイティブルック
クリエイティブルックは基本的には静止画用のプリセットですが、動画でも使えます。
まずは「ST」「PT」あたりのクセが少ないものがオススメです。
クリエイティブルックには魅力的なプリセットも多いんですが、パラメータ調整しないと映像が安定しないものがあります。
やはりSTやPTあたりの彩度を調整するくらいから始めると良いように思います。
続いて静止画の設定を解説します。
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