今回はSONY ZV-E10にデュアルベースISOがあるのか確認してみます。
これまでの検証で、SONY公式がデュアルベースISOがあると言っている機種以外でも多くの機種でベース感度が2つあることがわかっています。
なので今回はZV-E10でもデュアルベースISOが使えるのか確認してみます。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。
ZV-E10で撮影したイルミネーション映像も紹介しているので参考になると思います。
ZV-E10にデュアルベースISOはある?
ということで、まずはZV-E10のデュアルベースISOを確認していきます。
Log(S-Log3)
いつも通りLogの設定でISO感度を上げながらノイズ量を見ていきます。
ちなみにLog以外はコントラストが高すぎて波形でのノイズ変化がわかりづらいのでLogを使っています。
あとで参考に静止画のノイズ変化も確認します。
それでは確認していきます。
ZV-E10のLogはISO500から使えて、拡張感度のマークもついていないのでおそらくISO500がベースISOだろうと思います。
他の機種だと大体800か640がベースISOで、それより低い数値も使えますが拡張感度のマークがついています。
ということでISO500のノイズ量はこのくらいです。α6700はベース感度の800の状態です。
続いて0.3段上げたISO640ですが、カラーノイズが減った代わりにノイズのレベルは大きくなった印象です。
ISO800ではカラーノイズが一気に増えましたが、ノイズレベルは同じくらい。
ISO1600では色もレベルも大きくなります。
そして、ISO2000でノイズが減りました。
続いてISO2500ですが、ここでさらにノイズが減ります。
ここからISO3200、6400、12800とどんどんノイズが大きくなっていきます。
ノイズの変化が複雑で、かなりわかりにくいというのがお分かりいただけたと思います。
ポイントとしては、ISO2000でノイズが減ってISO2500でさらに減ったので、どちらかが2つ目のベースISOだろうという感じです。
ちなみにα6700でノイズ量を確認すると、ISO2500で明らかなノイズ低減があってそこから単調に増加していくので、ISO2500がベースISOというのがわります。
ZV-E10以外の検証した機種全てがこういう状況です。
静止画
では続いて静止画のノイズ変化を見てみます。
静止画ではISO100の下に拡張マークのISO80があるので、1つ目のベースISOはやはり100というのがわかります。
ISO125に上げますが、冒頭にお伝えした通りレベルの変化がわかりづらいです。
ただ、ISO100がベースISOなのは確実なので、ノイズは増えているという前提でいきます。
160、200、250、320では明らかにノイズが増えていきます。
そしてISO400でノイズが減りました。
ISO500でノイズが少し増えてISO640でさらに増えるという感じで、この後も増えていきます。
静止画ではISO400で明らかにノイズが減っているので、ここがベースISO感度というのがわかりますし、PP1で試してもISO400がベース感度なのがわかりました。
1つ目のベースISO感度を4倍した数値が2つ目のベースISOということです。
検証まとめ
他の機種の検証で、PPやCL、Log、静止画などの設定を変えても倍率は変わらないという結果が出ています。
ZV-E10のLogで考えると500の4倍の2000が2つ目のベースISOである可能性が高いです。
あるいは2500でもノイズが減っているので、1つ目が640で2つ目が2500の可能性もあります。
なので、ZV-E10のベースISO感度は1つ目の4倍という整理でとりあえずは良いと思います。
ZV-E10のイルミネーション撮影設定
続いて、今回撮影した映像の解説をやっていきます。
機材と基本設定
使ったのはカメラはZV-E10、レンズは「SEL15F14G」ジンバルは「CRANE M2S」です。
設定はPP8のS-Log3で、カラーモードはS-Gamut3.cineで4K24p 100Mbps、ホワイトバランスはプリセットの電球にしています。
僕は夜景を撮る時のWBはほぼ電球にしますが、蛍光灯温白色だともっと温かみがある印象になりますし、色温度指定するのが一番良いとは思います。
SSはフリッカー対策で1/50秒、ISO感度は検証結果をもとに2000に設定。
F値はちょこちょこ変えていて、使ったのはF2.0から3.2くらいですが、露出が+1.7か+2.0になるように調整して結果的にこの数値になっただけです。
「SEL15F14G」は開放F1.4の明るさがあるので、もう少し暗い場所でもベース感度で撮影できそうです。
露出+2.0前後で撮った理由ですが、Logは露出オーバーで撮らないとノイズが目立つからです。
撮影後の編集で露出を持ち上げたりすると、さらにノイズが目立って画質は最悪になります。
Logはダイナミックレンジも広いので露出+2.0でも極端な白飛びはしないと思います。
映像の中で白飛びっぽい部分もあると思いますが、実は素材としては白飛びはしていません。
編集で全体のバランスを見て切り捨てた部分になります。
イルミネーションの明るさもバラバラなので、暗い部分をどこまで映すか、白飛びをどこまで許容するかは考えながら調整することになります。
あとLogで撮影するときはガンマ表示アシスト機能を使うことでモニタリングしやすくなるので使ってみてください。
フォーカス
F値が低くて全体にピントが合いにくい状態なので、MFでパンフォーカスになっていることを確認してから撮影を始めています。
今回は自分から7-8mくらいの距離にピントの山がくるようにして、あとはフォーカスは全く触らず撮影しています。
ブレとスピード
ブレについてですが、ジンバルに載せているので大きな揺れは抑えられるんですが、逆に細かいブレを抑えられません。
アクティブモードをONにするか、編集ソフトの手ぶれ補正を使うか、CatalystBrowseを使っても良いと思います。
今回は出来るだけ広めに映したいというのがあって、アクティブモードは使わずPremiereProの補正だけを使いましたが、どれを選んでも良いと思います。
ジンバルの設定は、勝手に旋回しないように「ロックモード」にしてジョスティックの操作だけで撮っています。
旋回スピードはじっくり景色を見せたいのでかなり遅くして、アプリで100まで設定できるうちの5以下くらいにしてたと思います。
好みの速度に設定して貰えばと思いますが、ZV-E10は4Kで動きが速い映像を撮ると歪みが出るので、ゆっくり撮るかFHDで撮るかのどちらかにするのをお勧めします。
ジョスティックを使わずにフォローやパンフォローで撮る時も旋回速度に注意してください。
編集
編集ではSONY公式LUTの「SL3SG3Ctos709」を使いました。僕は普段からほぼ公式LUTしか使っていません。
全体のバランスを見ながら露出を上げ下げして彩度を少し上げて、ホワイトバランスを微調整したら終わりという感じです。
カラコレくらいしかしていなくて、露出設定の失敗でもなければノイズも目立たないのでノイズリダクションはいらないです。
ZV-E10は4:2:0 8bitなので4:2:2 10bitの機種と比べると編集での画質劣化はあります。
ただ、許容できるかできないかはまた別の問題なので、とりあえずまず撮ってみるのをお勧めします。
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