今回はSONYα9IIIのプリ撮影についてお話します。
α9IIIはSONYカメラで始めて「プリ撮影機能」が搭載されたカメラです。
プリ撮影があれば、今までとは全く違う撮影方法がとれるようになるので紹介していきたいと思います。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
α9IIIのプリ撮影とは?
ということでまず、プリ撮影とは何かについてお話します。
プリ撮影はシャッターボタンを押したタイミングよりも前に遡って写真を記録する機能です。
実際に撮影したヤマガラの写真で解説します。
ヤマガラの飛び立つ瞬間を撮りたくてカメラを向けています。
ただ、飛んだことに気づいてからシャッターボタンを押したのではほとんどの場合間に合いません。
実際この撮影でも、シャッターボタンを押したのはヤマガラがフレームアウトしてからです。
なので、なんとか飛び出しを撮りたいなら、「飛ぶかもな」と思ってからずっと連写を続けません。
これではムダ打ちも増えるしバッファ詰まりで連写が途切れる可能性もあります。
ただ今回記録された写真を確認すると、飛び立つちょうど前あたりから写真が記録されています。
実はヤマガラにピントを合わせるためにシャッターボタンを半押ししている状態ですでに撮影が始まっていて、写真は仮記録されています。
半押ししている間データは仮記録され続けて、全押ししたタイミングから最大1秒遡った情報を本記録するというのがプリ撮影の仕組みです。
この機能があれば被写体が飛んでからシャッターボタンを本押しすれば間に合うので、被写体が飛ぶかもわからない間、ずっと連写し続けるという必要がなくなるわけです。
プリ撮影の設定
では続いて、α9IIIにどんな設定をしたのかをお話します。
時間設定
プリ撮影の長さは最長1秒。
0.9、0.8…と0.1秒刻みで短くできます。そして0.1秒からは0.01秒刻みで設定できます。
どのくらい必要かは人や用途によって違うとは思いますが、とりあえず0.3秒あれば飛び立つ前の予備動作の部分から記録できたので0.3秒にしています。
小鳥の場合は飛ぶ頻度がそれなりに多いので集中できて0.3秒で済みました。
しかし動く頻度が少ない被写体を粘り強く待ってたら、集中も途切れて反射が遅くなるような気もします。
そういう被写体を撮る時はもっと長い時間に設定すると良いのかもしれません。
連写枚数
そして0.3秒の間に何枚撮るかですが、これは設定している連写速度によって決まります。
α9IIIは1秒あたり120、60、30、20、15、10と連写枚数を選べて、最初はα1と同じ30枚で試してみたんですが、意外と足りませんでした。
というのも、α9IIIは画素数が多くもなくトリミング耐性が高いわけではありません。
トリミングを抑えられるように寄って撮るようにしたんですが、寄ったら寄った分フレームアウトするまでの時間が短くなって30枚では足りなくなったんです。
逆を言えば、引き目の写真を撮る場合や動きが遅めの被写体なら枚数を落とせば良いように思います。
なので今回は1秒60枚に設定して時間が0.3秒なので、全押ししたタイミングから遡って18枚が記録されたということです。
写真を確認すると、3枚で一回の羽ばたきなので、もっと増やしたいところではあるんですが、60の次は120枚になります。
失敗した時の消去の手間は60枚でも結構大変なので、120枚は常用するにはちょっとしんどいかなという感じもします。
作例2
ここでもう1つエゾリスの作例を挙げておきます。
設定は1秒60枚連写で、時間はちょっとだけ長くした0.4秒のプリ撮影です。
この写真は0.4秒遡った1枚目の写真です。
プリ撮影で撮った写真はカメラ上で見る分にはマークが表示されるのですぐわかります。
少し飛ばして6枚目で予備動作が始まります。
0.3秒の設定だとこのあたりから撮影が始まるわけです。
1~6枚目は動きがほとんどないので、やっぱり0.3秒の設定が良かった気もします。
11枚目は飛び上がる寸前でこれは撮れたてたほうが良さそうです。
0.2秒だと撮れてたか微妙な感じ。
そして13枚目で空中のエゾリスが撮れています。
16枚目で木に乗り移って、20枚目からはフレームアウトしました。
やっぱり0.3秒くらいがちょうど良くて余裕を持っても0.4秒くらいかなと思います。
今回はカメラを構えてから割とすぐにエゾリスが飛んでくれたので集中できてました。
しかし飛ぶまで時間がかかったりすると、集中も途切れて反射が遅くなるような気もします。
あと今回、エゾリスが完全に空中にいるタイミングで撮れてた写真はたったの2枚だったので、やっぱり被写体や条件によっては120枚欲しくなることもあるんだろうと思いました。
その他の設定
プリ撮影以外の設定についても簡単に紹介しておきます。
設定
写真のファイル形式は「ロスレス圧縮RAWのLサイズ」を使ったんですが、JPEGも圧縮RAWも非圧縮RAWも選べます。
ISO感度については、シャッタースピード(SS)を短くするためにある程度上げないといけませんでした。
ISO2000〜4000くらいで撮ることが多かったですが、前回の検証の通り高感度耐性はやっぱりAPS-Cくらいかなという感じです。
今回のヤマガラの写真はISO2500で逆光気味になりましたが、現像でシャドウを持ち上げて、ノイズリダクションは今回かけてないので、よくみると結構ノイズが目立ってます。
ただノイズ除去をかければだいぶ見栄えが良くなりますし、JPEG撮って出しならノイズが目立ちにくいだろうと思います。
あとノイズ対策としてはやっぱり、順光で撮って現像で持ち上げすぎないのが一番だろうとも思います。
SSは、感度を上げるのが嫌だったのでエゾリスは1/4000秒、ヤマガラは1/5000秒にして撮影しました。
ただヤマガラの羽先がブレてることも多かったので、羽先までピタッと止めるならもっと上げたほうが良さそうです。
レンズはSEL200600Gで開放F6.3なので、もっと明るいレンズならノイズに有利になります。
ただ100400GMや200600Gでもα9IIIの恩恵は十分受けられそうだなと感じています。
公式HPにAFAE追従連写の対応レンズが掲載されているのでそちらも確認はしておいたほうが良いと思います。
購入はSONYストアがオススメ
ちなみにα9IIIを購入するならSONYストアがオススメです。
アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。
- 10%OFFクーポン(初回も使える)
- メーカー3年保証が無料
- 定期的にクーポン配布
SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。
αあんしんプログラムに入ると15%クーポンやレンズの長期保証クーポンがもらえたりしますが、こちらは月額550円かかりますので、必要に応じて考えればOKです。
今回はほぼ真横に飛んだヤマガラとほぼ真上に飛んだエゾリスの例で話をしましたが、また前後の動きがある写真でAF性能についてもお話したいと思います。
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