SONYα1IIとα9IIIをスペック比較!α9IIIユーザーが解説します

SONYα1IIのスペックをα9IIIユーザーが解説します。

2024年11月19日にSONYα1IIが発表されました。

α1はフラッグシップのシリーズなので、SONY最高峰のミラーレス一眼ということになります。

そんなα1IIのスペックはα9IIIと比べられることも多いので、ユーザーの筆者が解説していきます。

この記事を書いているのは写真家のtomoです。

撮影したシマエナガの写真はSNSで紹介されています。

目次

α1IIのスペックを簡単にまとめると

α1IIのスペックについて簡単にまとめると

『驚きはないけど堅実に成長したカメラ』という感じです。

驚きはない

驚きがない理由は、α1IIに使われている技術や機能は既存のカメラに載っているものがほとんどだからです。

例えば「AIAF」による被写体認識機能は旧モデルのα1には無かったけど、多くのカメラに実装されています。

最大1秒遡って撮影できる「プリキャプチャ」もα9IIIに実装済み。

α1IIに使われているセンサーと画像処理エンジンもα1と同じものです。

後述する「自動被写体認識」は新機能としてありますが、あっと驚くような新機能や性能はほぼないと言って良いです。

堅実に成長

堅実に成長というのは、上記したAIAFやプリキャプチャなどの機能をしっかりまとめてきたということです。

SONYのカメラは新しい機種が出るごとに新機能などが登場するので、とても話題性があります。

ただこれによって「新しい下位機種にはあって少し前の上位機種にはない機能」というのがたくさんありました。

今回それを解消するように、実戦で求められる機能をしっかりまとめて載せてきたのがα1IIです。

新センサーなどの技術革新がない限り、これ以上の性能を求める人はなかなかいないと思います。

α1IIとα9IIIのスペック比較

本題に入ってα1IIとα9IIIのスペックを比較していきます。

センサーと画像処理エンジン

どちらもフルサイズで積層型センサーの「Exmor RS」が使われています。

高速読み出しが可能なので高速連写や歪み低減を期待できます。

α9IIIに関しては後述するとおり、グローバルシャッターが採用されて歪みは完全にありません。

画像処理エンジンは現在多くの機種で使われている「BIONZ XR」です。

特に不満はありませんが、BIONZ XRもできて4-5年ほどになりますね。

画素数

α1IIは「5010万画素」でα9IIIは「2460万画素」です。

画素数は倍以上の差があるので、トリミング耐性に差が出ます。

両機種とも風景や物撮りというより、スポーツや動物などの動く被写体を対象に使う機種なので、トリミング耐性は重要になってきます。

最大常用ISO感度

α1IIは「32000」でα9IIIは「25600」です。

最大常用ISO感度は高感度耐性の目安になるので、数値が高いα1IIの方がノイズに強いということになりそうです。

数字としては0.3段なのでおそらく大きな差はないと思います。

ただ素早い被写体を撮るためにシャッタースピードを上げて、それに伴って感度が上がるということは動体撮影では当たり前。

画素数に比べると小さな差ですが、感度を重視する方もそれなりにいると思います。

手ぶれ補正

α1IIは「中央8.5段・周辺7.0段」でα9IIIは「8.0段」の補正性能です。

今回補正段数の表記方法が変わっているので厳密には言えないですが、おそらく同じくらいの性能です。

ちょっと気になるのはα1IIの「協調制御補正」が記事執筆時点では表記されていないことです。

レンズと協調してより強力に手ブレを抑えるので、これがないのは不思議です。

ちなみにα1は5.5段だったので、着実に進化はしています。

連写速度

α1IIは1秒「30コマ」でα9IIIは「120コマ」です。

連写速度はα9IIIの方が圧倒的に上になります。

さらにプリキャプチャで非圧縮RAW・ロスレス圧縮RAWを使う場合、α1IIは20コマに速度低減します。

確認は取れてませんが通常の連写でも速度が落ちる可能性があります。

連写速度はα1と同じなので、正直残念に感じている方も多いと思います。

AF性能

両機種ともAIによる被写体検出(AIAF)があります。

これがあると遠くにいたり後ろを向いていたり障害物がある状態でも被写体を見つけやすくなります。

α1にはAIAFがありませんでした。

シビアな環境で撮影しない方はAIAFの違いを感じにくいかもしれませんが、AIAFの有無は非常に大きな違いです。

また、1秒120回の演算速度もあるので、素早い被写体でも追従可能となっています。

さらに今回「自動被写体認識」が追加されたので、人や動物などの設定切り替えなしでも認識できるようになりました。

ただ、このクラスのカメラを使う方は特定の被写体を撮ることが多そうなので、画期的かと言われるとそうでもない感じはします。

動画解像度とFR

α1IIは「4K120Pや8K30P」撮影が可能でα9IIIは「4K120P」までです。

画素数が多いα1IIは8K動画が撮影できます。

現状8K解像度が必要となることはほぼないですが、これもトリミングできるのがメリットです。

広く撮っておいて、後から切り抜いて4K映像を作っても良いわけです。

ただ当然ファイルサイズが大きくなりますし、編集環境にも投資が必要。

あと8Kでも60Pまで撮れると評価が全然違ったと思います。

ファインダーとモニター

両機種のファインダーは「944万ドット」で「倍率0.9」。

かつレートも最大240fpsなので、完全に同じもののようです。

またモニターも「3.2型」の「210万ドット」4軸マルチアングル(バリチル)タイプ。

ボタンやダイヤルの数や配置も同じようでこれらに差はありません。

α1からするとバリアングルモニターから進化していますし、操作性やスペックも向上しています。

α1IIのメリット

α1IIとα9IIIのスペックを大まかに見てきました。

ここからは特筆すべき点を上げていきたいと思います。

トリミング耐性

先ほどもお伝えしましたが、スポーツや動物撮影などではトリミング耐性がとても重要です。

素早い被写体を撮るときに構図を微調整する暇はなく、とにかく撮り逃しを避けなければいけません。

そんな中、広めに撮ってトリミングで構図を調整できるのは大きなメリットなんです。

最終的な仕上がりに応じて必要な画素数も違ってきますが、画素数が2倍あれば選択肢は広がります。

やっぱりこの違いが決定打になる方は多そうです。

高感度耐性

基本的にα1IIもα9IIIも高感度には強くありません。

α1IIの最大常用ISO感度32000に対してα7SIIIなどは102400あったり、α7IVでも51200あります。

APS-C機のα6700は32000なので、こっちの方が近いくらいです。

ただα9IIIはそれより低い数値なので、高感度にはさらに弱いいわけです。

8K動画

正直α1IIを使って動画を撮ろうという人は静止画の割合と比べるとかなり少ないと思います。

と言っても、選択肢は多い方が良いですし高速AFや歪み耐性を活用して動画を撮れるわけなので、大いにアリだと思います。

α1IIだから撮れる映像というのもあるはずです。

先ほども紹介した通り、8K映像から思いっきりトリミングしても4K解像度を維持できるのでこれはメリットです。

ただ、FX3やFX30などの動画機と違って熱がこもりやすいので、熱停止には注意が必要です。

α9IIIのメリット

続いてはα9IIIの特筆点を挙げていきます。

グローバルシャッター

α1IIにはなくてα9IIIにある代表的なものがグローバルシャッターです。

α1IIでもメカシャッター並みにローリングシャッター歪みを抑えられるので十分優秀です。

ただα9IIIに関してはローリングシャッターではないので、歪みは完全に出ません。

またこれによってフラッシュの同調速度やフリッカーの制限も消えるので、撮影の常識が覆る機能です。

ただ、グローバルシャッターを採用したせいで高感度耐性が落ちているわけなので、賛否はあると思います。

連写速度

α1IIの1秒「30コマ」に対してα9IIIは4倍の1秒「120コマ」で連写が可能です。

α1IIのプリキャプチャの注意書きに「非圧縮RAWとロスレス圧縮RAWだと連写速度が20コマに落ちる」旨の記載がありますが、α9IIIはこの制限もありません。

筆者は野鳥の中でも特に素早いエナガを撮っているので、この120コマ連写を多用しています。

60コマでも撮りましたがやはり全然違います。

ただ正直、ここまでの連写速度が求められる環境は少なくて「120コマも要らない」という人が大半だろうとも思います。

逆にα1IIの30コマは「40コマくらいにならなかったのかな?」と思っている方も多いと思います。

値段

α1IIとα9IIIでは値段が10万円ほど違ってα9IIIの方が安いです。

と言っても、このクラスのカメラを求める方は値段よりも必要な性能で選ぶと思います。

値段は気にはなりますが大きな訴求にはならなそうです。

ソニーストア

どっちがオススメ?

α1IIとα9IIIでどっちがオススメかと聞かれたら「α1II」と答えます。

α1IIがおすすめの理由

やっぱり画素数の差が大きいです。

陸上競技のようにある程度動きが読める場合はそこまでトリミング耐性は要らないと思います。

逆に球技や動物撮影、報道系などは突発的かつ変則的な動きに対応するためにどうしても余裕を作らないといけません。

余裕を作れば作るほど画素数が必要になるんです。

と言ってもα9IIIで足りないのは画素数だけで他は不満がありません

画素数を増やして高感度耐性を犠牲にして欲しいとも思いません。

筆者の用途では「120コマ連写が必要」という結論が自分の中で出ていますし、「グローバルシャッターが必要」という方もいるはずです。

広く受け入れられるのはα1IIなのでこちらがオススメですが、α9IIIが劣っているわけでは決してないんです。

まとめ

今回はSONYα1IIとα9IIIのスペックを比較してきました。

それぞれのメリットをまとめておきます。

α1II

  • 5010万画素のトリミング耐性
  • ISO32000の高感度耐性
  • 8K動画

α9III

  • グローバルシャッター
  • 1秒120コマの連写速度
  • 値段

両機種ともAF性能や操作性に関しては申し分ないだろうと思います。

あとは用途に応じてどの性能を必要とするかで選ぶことになりそうです。

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