α7iiiに合う単焦点レンズを探しています。オススメを教えてください。
そんな方に向けて、α7iiiユーザーである筆者がオススメの単焦点レンズを紹介します。
また、これからカメラを買う方に向けて、レンズの選び方も解説します。
この記事の筆者は写真家兼ライターの「とも」です。全国を旅しながら風景写真を撮影しています。
そんな筆者は何を隠そうα7iiiの愛用者で、このカメラと色んなレンズを組み合わせて撮影してきました。
α7iiiのことなら何でも聞いてと言わんばかりの筆者なので、みなさんに役立つ情報をお伝えできると思います。
ということで今回は、「α7iiiと使って欲しい単焦点レンズ!【ズームも少し】」というテーマで記事を書きます。
α7iiiに合うレンズの選び方
α7iiiおすすめのレンズを紹介する前に、まずはレンズの選び方をお伝えしておきます。
選び方が分かれば自分に合ったレンズが見つかるし、レンズの強みを活かした撮影ができるようになります。
ということで、ここでは下記についてお話します。
- 焦点距離
- 開放F値
- センサーサイズ
- マクロレンズ
- 純正とサードパーティ
- 初心者おすすめの選び方
ちなみに、α7iiiにはボディ内手ブレ補正が付いているので、レンズの手振れ補正はあまり考える必要はありません。
また、α7iiiの性能を確認しておきたい方はこちらの記事をどうぞ。
それではいきましょう!
焦点距離
焦点距離は、写真の『画角』を決めるもので、レンズ選びで最も重要と言えます。
画角によって写る範囲が決まり、「広く写る=広角」「狭く写る=望遠」ということになります。
そして、焦点距離と画角の関係は
焦点距離が小さい=画角が広い
焦点距離が大きい=画角が狭い
というものです。
焦点距離はmm単位で表され、例えば20mmだと広角だし、50mmだと標準、100mmだと望遠といった感じ。
画角の目安は下記のとおりです。
- 〜35mm→広角
- 35〜85mm→標準
- 85mm〜→望遠
どの画角で何を撮るかは撮影者の自由ですが、被写体に合った画角は確かにあります。
被写体に合った画角とは具体的には下記のとおりです。
- 〜35mm→広い風景や立体感ある建物
- 35〜100mm→広すぎない風景、人、花
- 100mm〜→風景の一部、遠くの動物、乗り物
細かい線引きは意見が分かれますが、概ね上の理解でOKです。
家族や友人を撮影したいなら70〜135mmくらいが良いと思いますし、天の川が撮りたいなら20mm前後、飛行機やSLなら100〜400といった感じ。
自分の撮りたいものをベースに焦点距離を決めましょう。
ちなみに、単焦点レンズとは焦点距離が固定されているレンズで、ズームレンズは焦点距離が変えられるレンズのこと。
ズームレンズは画角の面で有利ですが、値段・大きさ・明るさなどで不利となる場合が多いので、それらも踏まえてレンズを選びましょう。
開放F値
開放F値はレンズの『明るさ』を決めるもので、コチラも重要な要素です。
撮影ではF値を変えて明るさを調節しますが、その最小値が開放F値。
F値が小さいほど写真は明るくなるので、「開放F値が小さいレンズ=明るいレンズ」と言えます。
F値と明るさの目安は下記のとおりです。
- 〜F1.8→かなり明るい
- F1.8〜F2.8→明るい
- F2.8〜F4.0→暗い
- F4.0〜→かなり暗い
明るいレンズなら星景撮影ができたり、手持ちで夜景が撮れたりと良いこと盛り沢山。また、明るい=ボケやすいという関係でもあるのでボケフォトも撮れます。
しかし、明るいレンズは大きくて高額だったりするので、そこは体とお財布に相談。
また、ズームレンズや望遠レンズは構造上暗くなりがちで、開放F値4.0以上が当たり前だったりもしますから、そこは理解しておきましょう。
センサーサイズ
フルサイズ、APS-C、フォーサーズなど、使うカメラのセンサーサイズに合ったレンズを選びましょう。
APS-C機にフルサイズ用レンズを付けても問題なく使えますが、フルサイズ機にAPS-Cレンズを付けると不具合があります。
使えないことはないですが、写真の周辺部に黒い『ケラレ』というものが生じてしまいます。
α7iiiの「APS-Cクロップ」という機能を使えばケラレも生じなくなりますが、画素数が落ちてしまうので、やはりAPS-C用レンズはおすすめできません。
ということで、この記事ではフルサイズ用レンズだけを紹介しますのでご安心を。
マクロレンズ
被写体を大きく写せるのが「マクロレンズ」。
レンズには『最大撮影倍率』というものがあり、これは「被写体の大きさ」と「センサーに写る大きさ」の倍率を示しています。
最大撮影倍率1倍だと等倍マクロ、最大撮影倍率0.5倍だとハーフマクロと言ったりします。
等倍マクロの方がより被写体を大きく写せて、日常では見られない「小さな世界」を楽しむことができます。
かと言ってハーフマクロは全然ダメというわけではなく、本記事で紹介する「MACRO APO-LANTHAR」というレンズは、ハーフマクロかつマニュアルフォーカスにも関わらず、その描写性で人気があります。
しかし初めてのマクロレンズなら、ぜひ等倍マクロの世界を楽しんで欲しいなとも思います。(どっちだよ)
ちなみに、マクロレンズだからと言ってマクロ撮影しかできないわけではなく、普通にポートレートや風景も撮影できるので、最初の一本をマクロレンズにするのは結構オススメです。
純正とサードパーティ
意外と悩ましいのが「純正レンズ」を買うか「サードパティレンズ」を買うかです。
純正はSONYが作っているレンズで、サードパーティはシグマやタムロンなどの第三者的なメーカーが作っているレンズです。
率直に申し上げると、純正は抜群に性能が良いですが値段が高いです。
そして、サードパーティは安いけれども性能で劣ったり、クセがあったりします。
ただ筆者の個人的な意見としては、比べないと分からないレベルだし、単焦点レンズに関しては性能に大きな違いは無いと思っています。
なので、純正にこだわりが無い方はサードパーティを買って全く問題無しです。
初心者におすすめの選び方
ここまで、レンズの選び方についてお話してきましたが、初心者には少し難しい部分もあって、選びきらないという方もいるかもしれません。
ということで、初心者におすすめの選び方も紹介しておきます。
- 1.中望遠マクロ(サードパーティ可)
- 2.広角単焦点(サードパーティ可)
- 3.望遠ズーム(できれば純正)
この3つがあれば大体のものは撮影できてしまいます。
「中望遠マクロ」があればマクロもポートレートも風景も撮れるし、「広角単焦点」なら星景やパノラマが撮影できます。
単焦点ではないですが、「望遠ズーム」があると動物や乗り物、切り取る風景も撮影できます。望遠ズームは純正とサードパーティで解像度に差が出やすいので純正がおすすめ。
買う順番は撮影したいもので変えれば良いと思います。
この記事の最後には、筆者おすすめレンズも紹介しますのでご参考に。
それでは、ここからいよいよα7iiiにおすすめのレンズを紹介していきます!
α7iii用の広角レンズ
SIGMA 14mm F1.8 DG HSM
- 焦点距離:14mm
- 開放F値 :F1.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:1230g
- 値 段:149,000円
シグマの超広角単焦点レンズ。
広角レンズとしてよく使われるのが24mmですが、14mmにもなると「ここまで写っちゃうの?」という、全く異なる世界を写し出します。
超広角とF1.8の明るさも活かして「天の川」を撮影すれば迫力満点。建物の内装・外観を撮っても立体感が出て良いです。
ただ、この画角と明るさを両立させるために結構重くなってます。また、広すぎて余計なものまで写してしまう可能性も否めません。
ここぞ!という時に大迫力の写真が撮れるレンズです。
SIGMA 20mm F1.4 DG HSM
- 焦点距離:20mm
- 開放F値 :F1.4
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:950g
- 値 段:121,000円
こちらもシグマの広角レンズ。
先ほど紹介した14mmから6mm増えただけでかなり汎用性が高くなりますし、重さも減って、明るさは増しています。
F1.4という強力な明るさを活かせば、開放付近で背景をボカし、ポートレートを撮るのも良いです。もちろん星景撮影もバッチリ。
シグマレンズの強みは『解像度』で、ピントが合った時のキレキレ具合はタメ息もの。
筆者も愛用しているレンズで、広角はこのレンズにお任せして良いと思っています。
作例たっぷりのまとめ記事もあるので良ければご覧ください。
SIGMA 20mmF1.4 DG HSM Artまとめ!【レビューから作例まで】
※リンク先でソニーEマウント用を選んでください。
FE 24mm F1.4 GM
- 焦点距離:24mm
- 開放F値 :F1.4
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:445g
- 値 段:174,000円
SONY純正の広角レンズ。
純正レンズには「ツァイス」「Gレンズ」そして『Gマスターレンズ』があります。
Gマスターは純正レンズでも最高峰の性能を持っていて、解像感と溶けるようなボケの両立が徹底されています。
純正なら結局Gマスターが欲しくなるので、高額ではありますが最初から選ぶのが良いです。
このレンズは「丁度良い広角」の24mmなので単焦点にして汎用性抜群。
明るさ、画質ともに文句なしのレンズです。
α7iii用の標準レンズ
Voigtlander MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical
- 焦点距離:65mm
- 開放F値 :F2.0
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:625g
- 値 段:98,000円
レンズの選び方でも紹介したマクロレンズ。
「ハーフマクロ」かつ「マニュアルフォーカス」だけど人気のレンズで、その解像感から『神マクロ』なんて言われてたりもします。
実際のところ、マクロ撮影ではMFが基本となるのでそこは問題ありません。あとはマクロ以外で使用する時にMFが面倒と感じるかどうか。
最初に買うレンズとしてはちょっと優しく無いかもしれませんね。
筆者はまだ使ったことがありませんが、気になってしょうがないので、ゆくゆくは購入する予定。
SIGMA 70mm F2.8 DG DM MACRO
- 焦点距離:70mm
- 開放F値 :F2.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:500g
- 値 段:53,000円
中望遠のマクロで、筆者イチオシのレンズです。
『等倍マクロ』で小さな世界を存分に楽しめるだけでなく、70mmという画角はポートレートや少し遠目の風景撮影にも使えます。
しかもサードパーティなので値段も安い。
欠点と言えば、オートフォーカスが遅いところですが、マクロレンズは基本的にAFが遅いものだし、そもそもポートレートくらいでしか使いません。
そんな超おすすめレンズの作例をたっぷり載せたまとめ記事があるので、良ければ参考にしてみてください。
【これ見ればOK!】SIGMA 70mm F2.8 DG MACROまとめ
FE 85mm F1.4 GM
- 焦点距離:85mm
- 開放F値 :F1.4
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:820g
- 値 段:198,000円
SONYの中望遠Gマスターレンズ。
Gマスターの解像度とボケに85mmの画角が加わると、「被写体に注目しつつ綺麗に背景をボカす」の究極形になります。
具体的には人や植物、ペットを撮影しても良いでしょう。
撮る物がハッキリ決まっている人にはかなりオススメですが、そうでない人が買うには値段が高いですね。
α7iii用の望遠レンズ
FE 90mm F2.8 Macro G OSS
- 焦点距離:90mm
- 開放F値 :F2.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:602g
- 値 段:109,000円
SONY純正のマクロレンズ。望遠と言ってもまだ中望遠の領域です。
今のところGマスターのマクロは出ていないので、純正ならこのレンズを選びましょう。
マクロで遅くなりがちなAFも比較的早いので、画質含め全体的にSIGMA 70mm MACROの上位互換といった感じ。
コスパで考えたらシグマですが、性能と純正の安心感で考えたらこっち。
SIGMA 135mm F1.8 DG HSM
- 焦点距離:135mm
- 開放F値 :F1.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:1230g
- 値 段:137,000円
シグマの望遠レンズ。
ポートレートに向いている画角としてよく挙がるのが70mmと135mmです。
望遠である135mmだと圧縮効果が感じられるので、同じポートレートでも雰囲気は全くと言って良いほど違います。
また、シグマの解像感に加えて綺麗な玉ボケも出るレンズなので、単焦点と言えども絞りを変えて色んな楽しみ方ができます。
ただ、望遠で開放F1.8にもなると、大きさ・重さ・値段の3点セットがどうしても高くなってしまいますね。
「サードパーティレンズだからここまで抑えられている」と割り切りましょう。
FE 135mm F1.8 GM
- 焦点距離:135mm
- 開放F値 :F1.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:950g
- 値 段:190,000円
続けての135mmで、SONY純正のGマスターレンズ。
シグマの135mmと比べると、開放F1.8は同じなのに300g近く軽いです(謎)。
画質に関しては正直言ってどちらも素晴らしく、優劣つけたくないレベル。ガチガチで比べればやはりGMが良いのでしょうが、、、。
圧縮効果を活かしたポートレートや、一部を切り取るような風景写真が撮影可能。
単焦点にこだわる人だと、「望遠はコレ一本でOK」という方もいるようです。
α7iii用のズームレンズ
FE 16-35mm F2.8 GM
- 焦点距離:16-35mm
- 開放F値 :F2.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:680g
- 値 段:253,000円
ここからはズームレンズの紹介。
まずはSONY純正のGマスター広角ズームです。
16mmの超広角から、標準域に入る35mmまでをこなしてくれるレンズで、数字的には差がないように感じますが、画角は全く違います。
さらに、ズームレンズで開放F2.8の明るさがありますし、解像度やボケの美しさはGMなので間違いありません。
このスペックになると値段はそんな感じになってしまいます、、、
SIGMA 24-70mm F2.8 DG DN
- 焦点距離:24-70mm
- 開放F値 :F2.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:830g
- 値 段:120,000円
シグマの標準域ズームレンズ。
「開放F2.8の標準ズームが欲しいけど純正には手が出ない、、、」という人への助け船。
このレンズ1本でパノラマからポートレートまでこなしてくれて、正直コスパは最高かもしれません。
もちろん、Gマスターの画質や単焦点の明るさには及びませんが、安くで幅広い種類の写真を撮るならホントにコレ一本で済んでしまいます。
ただ、最初からこのレンズを買ってしまうと画角や明るさの感覚があまり身につかないし、写真の面白みも半減してしまうような気がしています。
FE 24-70mm F2.8 GM
- 焦点距離:24-70mm
- 開放F値 :F2.8
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:886g
- 値 段:228,000円
SONY純正の標準ズーム。
ズームの最初に紹介した「16-35mm」と「24-70mm」そして「70-200mm」の、開放F2.8の3本を『大三元レンズ』と呼びます。
「この3本持ってりゃ間違い無し」みたいな感じです。
標準域を担うこのレンズは汎用性も高いので、純正大三元の最初に買うのにオススメできます。
SIGMA 24-70mmも画角と明るさが同じですが、画質に関してはやはり別格。
そして残念ながら値段も別格。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS
- 焦点距離:100-400mm
- 開放F値 :F5-6.3
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:1140g
- 値 段:108,000円
シグマの望遠ズームです。
別名『ライトバズーカ』で、この値段・この重さで400mmの超望遠が使えるのですから、さすがシグマさんという感じ。
400mmがどんな感じかというと、月のクレーターまで写せてしまう画角です。写真いっぱいに月を写すには2,000mm近く必要なので、トリミングは行います。
開放F値が大きいですが、これは望遠ズームの宿命なので我慢。
筆者も愛用しており、作例や考察をたっぷり載せたまとめ記事があります。参考にどうぞ。
SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OSまとめ!【作例アリ】
FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
- 焦点距離:100-400mm
- 開放F値 :F4.5-5.6
- センサー:フルサイズ
- 重 さ:1,395g
- 値 段:273,000円
SONY純正の望遠ズームでGマスターレンズです。
大三元の70-200mmも良いですが、せっかく望遠持つなら思い切って400mmが良いですよね。
焦点距離はSIGMAと同じですが、やはり解像感とボケの綺麗さが違います。筆者は両方所有していますが、特に望遠端の解像度は圧倒的にコチラが上です。
さらに大きな強みなのが、テレコンバーターの使用ができること。
テレコンをカメラとレンズの間に装着することで焦点距離×2.0倍が実現し、なんと800mmで撮影可能となります。
すぐテレコンを買う必要は無いですが、将来を見越してFE 100-400mmを選んでおくのも1つの手です。
α7iii用おすすめ単焦点レンズまとめ
以上、α7iiiにおすすめのレンズを紹介しました。
自分に合いそうなレンズが見つかったでしょうか?
ちなみに、『もし自分がカメラ初心者だったらコレを選ぶ』というレンズを挙げると
- SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO
- SIGMA 20mm F1.4 DG HSM
- FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS
となります。(一気に買わないで1→2→3の順に買う)
正直、この3つがあれば画角で困ることはないし、サードパーティとは言えシグマの単焦点レンズは解像度抜群です。
望遠ズームはSONYのGマスターがあれば完璧で、予算的に厳しければSIGMA 100-400mmでも良いかなという感じです。
また、α7iiiにおすすめのレンズをより広くまとめた記事もあります。良ければ参考にしてみてください。
以上、この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
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