【カメラ設定】F値によって変わる5つのこと!ボケと明るさだけじゃない。

【カメラ設定】F値で変わる5つのこと。ボケや明るさだけじゃない

こんにちはともです。

今回はF値によって変わる5つのことというテーマでお話します。

カメラの設定項目の中でも特に重要なF値は、写真や動画の表現を大きく変えるものです。

とりあえず、「明るさ」や「ボケ」に影響するというのは多くの方がご存知だと思いますが、他にも影響することがあるので解説していきたいと思います。

ということで今回はF値によって変わること5つについてお話します。

ちなみに今回の記事は動画にもしてあるので、動画でみたいという方はこちらをご覧ください。

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目次

被写界深度

まずは被写界深度です。

被写界深度というのは「ピントが合っているように見える範囲」のことで、F値が大きいほど被写界深度は浅くなって、手前から奥まで広い範囲でピントが合います

逆にF値が小さいほど被写界深度は浅くなってピントは合いづらくなります。つまりボケ具合に影響すると言うことです。

浅いとか深いという言い方は馴染みづらいかもしれませんが、奥深くまでピントが合うなら被写界深度は深いという捉え方をすると覚えやすいように思います。

風景撮りならF値を上げて全体にピントを合わせて、被写体だけに注目するならF値を下げて周囲をボカすというのがパッと思いつく使い方です。

ちなみに被写界深度には計算式があって、ピントがどのくらいまで合うかというのは計算で確認することができます

ただ、ちょっとややこしい式なので簡単にまとめると、撮影距離と焦点距離、センサーサイズとF値によって変わります

撮影距離が短いほど被写界深度は浅くなるので、小物をマクロレンズで撮ったりすると強力にボケます。

そして、焦点距離が大きいほど被写界深度は浅くなるので、広角より望遠の方がボケます。

センサーサイズが大きいほど被写界深度は浅くなるので、フォーサーズやAPS-Cよりフルサイズや中盤の方がボケます。

なのでとにかく強力にボカしたいなら開放f値が小さくて被写体に寄れる望遠レンズと中盤やフルサイズのような大きいセンサーを使えば良いという感じです。

ボケといえばF値というイメージがありますが、他の要素でもボケ方は変わるので活用してみてください。

明るさ

ここまで被写界深度についてお話したので、続いて明るさについてお話します。

F値は小さいほど写真や映像が明るくなって、F値を大きくすると暗くなります

そもそもF値というのは「焦点距離を有効口径で割ったもの」で、絞り羽根を絞ると分母の有効口径が小さくなるのでF値は大きくなります。

有効口径が小さくなるということはレンズを通る光の量が減って暗くなるというわけです。

日中の撮影では明るさ十分なのでF値を上げて撮影できますが、夜景撮影では明るさを確保するためにF値を小さくしたりします。

ただ夜景を手持ちで撮影するような場合は、全体にピントが合うよう被写界深度を深くしたいのに、F値は小さくしないといけないというジレンマに陥ります

こういう場合には撮影距離を調整します。

先ほどお伝えした通り被写界深度は撮影距離によっても変わるので、フォーカスを調整して全体にピントが合っているように見える位置を探します。

フォーカスが前すぎると奥がボケるし、フォーカスを奥に持って行くと手前がボケるので、どちらも良い塩梅にピントが合うように調整します。

全体にピントが合っているように見える状態を「パンフォーカス」と言うのでこれを目指します。

広角だと5~10mくらいにフォーカスを持ってくればパンフォーカスしやすいように思います。

収差

ここまで明るさについてお話したので、続いて収差についてお話します。

F値が変化すると収差によって画質が変わる場合があります。

収差というのは「光のズレ」みたいなものでレンズを通ってきた光が点に収まらずにズレた状態でセンサーに届くので画質が悪くなるというものです。

収差によって解像感が無くなったり、本来無いはずの色が出てきたりします。

収差には7つの種類があって、それぞれ原因や影響の出方が違いますが、このうち5つはF値で軽減できるので、F値の調整はかなり重要です。

収差を軽減するには開放付近で撮らずにf値をある程度上げて撮影します。

具体的には1段絞ればかなり収差を抑えられると言われていますが、絞った分明るさは減るのでSS(シャッタースピード)やISO感度で補いましょう。

ちなみに1段という単位は光の量が1/2や2倍になることを表していて、F値もSSもISO感度も全て同じ考え方です。

1段暗くする場合は、SSなら単純に秒数を半分にすれば良いですし、ISO感度も数字を半分にするだけです。

SS1/50秒の半分なら1/100秒、ISO感度1000の半分ならISO500という感じです。

F値については大きいほど暗くなるからF2.0を2倍したF4.0にすれば良いのかなと思いきやそうではなくて、1.4倍したF2.8になります。

一応理由を説明しておくと、F値は焦点距離÷有効口径で計算される数字なので、光の量が半分になる有効口径がわかればF値も分かります。

光の量が半分になるということは面積が半分になれば良いので、有効口径Rに対して光の量が半分になる有効口径rを計算すると√2r=Rとなります。

√2は1.414なのでF値は1.4倍すれば光の量が半分になるというわけです。

なので開放F1.4のレンズで画質を良くするために1段絞ってF2.0にしたら、SSを1/100秒から1/50秒にしたり、ISO感度を100から200にすれば明るさを補えるという感じです。

あと、これは収差とは違うんですが画面の周辺部が暗くなる「周辺減光」というのもあって、これもF値を上げることで改善することができます。

最近は一部の収差や周辺減光をカメラや現像ソフトで補正できたりもするので、活用してみてください。

回折

ここまで収差についてお話したので、続いて回折です。

収差を抑えるためにF値をある程度上げた方が良いとお話しましたが、上げすぎると回折現象で画質は落ちてしまいます。

光は障害物の近くを通るときに、障害物の背後に回り込んで広がる性質が合って、これが回折です。

回折が起こると、収差と同様に光のズレが起きてしまうので画質は落ちてしまうんです。

回折現象は絞りが開いている状態では出にくいですが、絞っている状態つまりF値が大きい状態だと発生してしまいます。

なので被写界深度を深くしたかったり、明るさを抑えたい場面でもF値は上げすぎないようにして、SSやISO感度で調整した方が良いです。

具体的にはF16あたりから回折現象の影響が出やすくなると言われているので、F11や13あたりにとどめるのが良いように思います。

もちろん、回折現象より被写界深度を優先する場面もあると思うので、その都度最適なF値を探るようにしてみてください。

玉ボケと光芒

ここまで回折現象についてお話したので、続いて玉ボケと光芒についてお話します。

玉ボケや光芒はF値によって大きさや形が変わるので、表現方法にも大きく関わってきます。

まずそもそも玉ボケとは何かというと、「点光源がボケたもの」です。

点光源というのはイルミネーションの電球なんかもそうですが、雨上がりの雫や小さな木漏れ日なんかも玉ボケの材料になります。

玉ボケはF値が小さいほど大きくなりますが、形についても気をつけた方が良いポイントがあります。

1つ目は円形か多角形かということです。

玉ボケと言っても、レンズによっては綺麗な円形ではなく、六角形や七角形になったりします

これは絞り羽根の形状と枚数が影響しています。

まず絞り羽根の形状が「円形絞り」というものなら円形の玉ボケになりやすいです。逆に円形絞りでないものは羽の枚数に応じて角が出ることになります。

ただ円形絞りでも、絞っていくうちに角が出てきたりするので、ボケの大きさや形状を考えながら絞りを調整するようにしてください。

絞り羽根の枚数や円形絞りかどうかは、調べればすぐ出てくるので確認しておくのをおすすめします。

気をつけるポイント2つ目は口径食です。

口径食は先ほど紹介した周辺減光の原因にもなっていますし、ボケの形にも影響します。

口径食があると円形絞りのレンズで開放で撮っても玉ボケがの周りが欠けたような形状になってしまうんです。

口径食の度合いはレンズによって違いますが、周辺減光と同じくF値を上げると改善されていくので気になる方は少し絞って撮影してみると良いと思います。

気をつけるポイント3つ目はぐるぐるボケです。

ぐるぐるボケは非点収差というものが原因になっていて、名前の通り背景がぐるぐる回っているような描写になります

口径食と非点収差が合わさると玉ボケがより変形しますが、中にはこのぐるぐる感が好きという方もいたりします。

抑える場合はやはりF値を上げれば良いので、綺麗な円形で撮りたいという方は1段ほど絞って撮影してみると良いように思います。

玉ボケと同じく光芒の形と大きさもF値や絞り羽根によって変わります。

光芒も玉ボケと同じく点光源があると発生しますが、光芒の場合、太陽や街灯のような強目の光で発生しやすいです。

ボケではなく、光の回折が原因なのでF値が大きいほど大きな光芒になります

光芒の数はレンズの絞り羽の枚数によって変わるんですが、絞り羽が偶数枚だとそのままの数、奇数枚だと倍の数になります。

なので、8枚なら8本、9枚だと18本の光芒が出るという感じです。

円形絞りだと光芒は出にくくなりますが、全く出ないわけではないので、F値を思いっきり上げて撮影してみると良いと思います。

以上、今回はF値で変わる5つのことについてお話してきました。

明るさやボケ量だけでなく、画質や玉ボケの形にも影響するので、F値1つでも考えることは結構多いです。

ただ基本的には、開放や絞り過ぎでは画質が落ちやすいということを踏まえて撮影していけば良いと思いますし、ボケや光芒を使った表現をするなら絞り羽根の形状や枚数に気をつけてレンズ選びをすると良さそうです。

撮影や機材選びの参考にしてみてください。

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