NikonZ6IIIの高感度耐性の確認をします。
前回の検証ではZ6IIIの歪み耐性の高さを確認できましたが、高感度耐性はどうなんでしょうか。
今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
Z6IIIのデュアルISO
まずはZ6IIIにデュアルISOがあるかの確認です。
ノイズを抑えてダイナミックレンジを広く確保できるのが「ベースISO」なんですが、これが2つあるのがデュアルISOです。
1つ目のベースISOは拡張感度を除いた最低感度なので静止画などではISO100となります。
そこから感度を上げていってノイズ低減が起きたタイミングが2つ目のベース感度です。
そのまま撮って見比べてもノイズ量の差は分かりづらいので、暗く撮った写真を編集で持ち上げてノイズ量を確認します。
ということでISO100から感度を上げていくとノイズが増えていって、ISO800でノイズ低減が起きました。
そこからは感度に応じてノイズが増えていきます。
つまりZ6IIIのベース感度はISO100とISO800ということです。
1つ目と2つ目で3段の差があるので、Logなど1つ目のベース感度が100ではないものも、3段のポイントが2つ目のベース感度になるはずです。
Z6IIIとα7CIIの比較
デュアルベースISOが確認できたので、続いて高感度耐性をα7CIIと比較します。
先ほどと同様にISO100から感度を上げてノイズを見比べます。
低感度ではほとんど差は出ませんが、ISO400はα7CIIの2つ目のベース感度なので、α7CIIの方が有利になります。
ISO640になると、Z6IIIは少し緑っぽくなっていますが、ISO800に上げるとベース感度なので一気にノイズがなくなります。
ここから感度を上げていくと、どちらも少しずつノイズが増えてISO2500ではα7CIIの方がノイズが目立っている印象です。
ISO5000あたりまで上げると、Z6IIIは緑がかった印象のノイズが目につきます。
α7CIIは白い輝度ノイズが増えていて、ノイズ量的にはα7CIIの方が多いです。
ISO8000でもまだZ6IIIの方が良い印象で、10000になるとちょっと判断が難しくなる感じ。
ISO12800になると一気にZ6IIIのノイズが増えて、16000でも同様です。
結構複雑な関係なんですが、低感度では実写で違いが出るような差はなさそうです。
ISO数千レベルだとZ6IIIの方が有利、ただISO10000を超えるとα7CIIが有利になりそうです。
高感度試写
ちなみに、Z6IIIと180-600mmで高感度での試し撮りもしてみました。
本来はISO2000くらいでも撮れるんですが、あえて12800まで上げて撮影してみました。
Jpeg撮って出しで高感度ノイズ低減は標準設定です。
背景ボケに少し濁った感じがある気もしますが、思っていたよりずっと良好です。
そしてRAWに何の編集も加えずそのまま書き出して、FHDまで拡大してみました。
流石にザラついているのが分かります。
ただノイズ除去してないので描写は羽毛の一本一本までできてるのがわかります。
これにLightroomのAIノイズ除去を加えてみると、驚くほど綺麗に羽毛が描写されました。
AIノイズ除去もなんでも綺麗にできるわけではなくて、高感度耐性が低いカメラでISO10000にもなると、簡単にディテールが潰れてしまいます。
他にも試し撮りしましたが、飛翔を撮るわけでもないので、電子シャッターで撮影しています。
Z6IIIの高感度耐性について心配している方は結構多いと思いますが、ISO数千程度では問題にはならないレベルです。
10000を超えてもノイズ除去など活用すれば十分戦えるなという感じです。
LUMIX S9との比較
裏面照射の近い画素数のカメラと比べるとどうなのか?はやっぱり気になったので、LUMIX S9とも高感度耐性を比べてみました。
結果、ISO4000、5000あたりまではZ6IIIが有利ですが、そこからは逆転するようでした。
どこまでの感度を常用するかによって評価が変わりそうですが、ISO1万以上の高感度耐性を求める人はやっぱり裏面照射型の低画素機が必要になるかもしれません。
ただ、多くの人にとってそこまでの高感度耐性よりも歪み耐性のメリットの方が強いんじゃないでしょうか。
機材選びの参考にしてみてください。
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