【徹底比較】SONYα6700とFX30どっちを買うべき?検証6種とスペック解説

【徹底比較】SONYα6700とFX30どっちを買うべき?検証6種とスペック解説

今回はSONYα6700とFX30の比較まとめをやっていきます。

α6700とFX30は同じセンサーと言われているので、違いが気になる方は多いと思います。

今までの検証でも比較を入れてきたんですが、今回はそのまとめと、まだやってない検証も加えています。

忖度なしで良いところも悪いところもお伝えするので、カメラ選びの参考にしていただければと思います。

ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。

目次

α6700とFX30のスペック

まずはスペックですが、両機種ほぼ同じなのでサッと通したいと思います。

センサー

まずセンサーですが、α6700もFX30もAPS-Cセンサーです。

画素数は2600万画素、最大常用ISO感度は32000となっています。

同じAPS-CのZV-E10などは2400万画素なので、それより少し多くなっています。暗所性能の目安である最大常用ISO感度は同じです。

解像度とフレームレート

解像度は4Kの830万画素とFHD207万画素から選べます。

4Kのフレームレートは120Pまで、FHDは240Pまでとなっています。

手ぶれ補正

手ブレ補正は光学式補正が搭載されています。

補正性能はFX30で5.5段、α6700は5.0段となっています。

動画フォーマット

フォーマットはXAVC S、HS、SIの3つがあって、用途で使い分けができます。

4:2:2 10bit撮影ができるので編集でも安心できます。

詳しくは設定解説をご覧ください。

操作性

操作性についてですが、α6700にはファインダーがありますが、FX30にはモニターしかありません。

ただFX30のモニターはかなり高精細なものが使われています。

α6700はシングルスロットでSDカードなのに対して、FX30はダブルスロットでCFexpressAカードが使えます

α6700は493gの軽量で、FX30は646gなので重めですが空冷ファンが内蔵されています。

スペックをサッと通しましたが、詳しい比較や解説はこれからやっていきます。

比較検証

続いて比較検証をやっていきます。

  • 暗所性能
  • AF性能
  • 手ブレ補正
  • 熱停止
  • ローリングシャッター歪み
  • 解像感

暗所性能

まずは暗所性能についてです。

FX30にはノイズを抑えてダイナミックレンジも広く確保できるベースISO感度が2つあります。

これはデュアルベースISOと言って、暗所性能に大きく関わる機能です。

他にも使える機種があるんですが、α6700に関しては公式からの情報が出ていませんでした。

なので、検証で確認したところ、S-Log3ではISO800とISO2500でノイズ低減を確認できました。

α6700のベースISO800と2500
α6700のベースISO800と2500

このISO800と2500はFX30と同じタイミングで、この時のノイズ量も同じでした。

α6700とFX30のノイズ比較
α6700とFX30のノイズ比較

つまりα6700とFX30の暗所性能は同じということです。

暗所性能検証の詳細はこちらの記事からどうぞ。

同じセンサーと言われるだけあって暗所性能で違いは出なかった

AF性能

続いてAF性能です。

α6700にはAIAFがあって、FX30にはありません。

対応している被写体もFX30は人、動物、鳥ですが、α6700は車/列車、昆虫、飛行機も追加されています

FX30が対応していない被写体で差が出るのは当然だと思います。

しかし人、動物、鳥についてはどちらも対応しているので、どんな差が出るのか確認しました。

結果としては、FX30だと顔を認識できる近距離でないと被写体検出してくれませんでした。

FX30の被写体検出
FX30の被写体検出

それに対してα6700は遠距離でも合わせることができました。

α6700の被写体検出
α6700の被写体検出

AIが人や動物の骨格情報をもとに被写体を見つけるので、顔を認識しづらい横向き後ろ向き、あとマスクをしている状態でも被写体を見つけてくれます。

FX30も顔を認識しやすい環境なら、困ることはないと思います。

ただ被写体が遠かったり、横向き後ろ向きだったりするとかなり大きな差が出ます。

検証の詳細はこちらの記事からどうぞ。

AF性能はAIAFがあるα6700がかなり上

手ブレ補正

続いて手ブレ補正についてです。

α6700は5.0段でFX30は5.5段の手ブレ補正性能です。

静止画ではFX30の方が上と受け取って良いと思いますが、動画のアクティブモードではどうなのか確認しました。

まず前提として、どちらも手持ちで歩き撮影ができる性能です。

ただ旋回する時には回転ブレが抑えられずにガタつくきやすくて、これはどの機種でも同じです。

そして結果ですが、FX30の方がブレに強い印象です。

広角で撮る分には違いはほぼ分かりませんが、標準あたりになると違いが出てくるような感じです。

アクティブモードも段数によって補正効果が違うのかも

熱停止

続いて熱停止についてです。

FX30には長時間撮影でも温度上昇を抑えられるように空冷ファンがついていて、α6700にはありません。

28度の室内でXAVC HS 4K60P 4:2:2 10bit 100Mbpsで撮影しました。

α6700は30分ほどで停止したのに対して、FX30はバッテリーが切れるまでの1時間30分撮影できました。

α6700は4K24P、30Pであれば1時間30分以上撮影できましたが、4K60Pだと極端に記録時間が減ってしまうという結果でした。

やはり長時間撮影するなら空冷ファンがついているFX30が完全に有利です。

ただ、バッテリーの消費は早いので外部給電や予備の用意はした方が良さそうです。

長時間撮影するなら空冷ファンがあるFX30が有利

ローリングシャッター歪み

続いてローリングシャッター歪みについてです。

素早い被写体を撮ったり、カメラを素早く動かした時に発生するローリングシャッター歪みは映像の印象を大きく損ねてしまいます。

歪みへの耐性もカメラ選びの大事なポイントなので、比較をしてみます。

比較方法は走行する車を横から撮影してタイヤの形状の歪み具合を確認します。

F値・SS・ISO感度、解像度やフレームレートなど設定は全て同じ条件で比較します。

α6700とFX30の歪み比較
α6700とFX30の歪み比較

結果、歪み具合は同じとなりました。

厳密には車の速さが全く同じではないので若干のバラつきはありますが、誤差の範囲内という感じです。

ある程度歪むとは言え、他の機種と比べて劣るわけではなく、動画では気づきにくいと思います。

ただ静止画の場合だと歪みが目立ちやすいので、電子シャッターのFX30では動体撮影はしない方が良いですし、α6700はメカシャッターを使った方が良さそうです。

歪み耐性は同じだが、静止画ではメカシャッターのα6700が有利

解像感

続いて解像感についてです。

FX30もα6700も同じ画素数のセンサーなので、静止画については解像感は同じになりますが、動画ではどうなのか念の為確認します。

カメラを固定して、画像と文字を撮影して拡大して解像しているか確認します。

これも設定や距離など全て同じにしています。

ということで結果で、まずは文字になります。

α6700とFX30の解像感(文字)
α6700とFX30の解像感(文字)

文字では違いはほぼありませんでした。

そして画像になります。建物の窓の部分です。

α6700とFX30の解像感(画像)
α6700とFX30の解像感(画像)

どちらも解像感が高くて、若干α6700の方が解像してるかなという感じもしますが、ピントの誤差の範囲のように思います。

同じ画素数というだけあってやはり解像感も同じ

FX30のメリット

ここまで比較検証についてお話したので、続いてFX30のメリットについてお話します。

  • 操作性
  • Cine EIとDCI 4K
  • XLRハンドルユニット
  • XAVC SI 4K120P
  • ProResRAW撮影

の5つです。

操作性

まず操作性についてですが、FX30のモニター性能は他のどの機種よりも良いです。

モニターの大きさ自体は大体3型なんですが、モニターの解像度が違います。

α7IVやZV-E1そしてα6700のモニター解像度は103万ドットなんですが、FX30は236万ドットということで2倍以上の解像度です。

ちなみに上位機種のα7SIIIとFX3が144万ドットなので、それより上です。

他のモニターだとピントが合わせられないとかではないんですが、FX30のモニターに慣れると他のモニターはかなり見劣りすると思います。

モニター解像度の高さは大きなメリット

CineEIとDCI4K

続いてCine EIとDCI4Kについてです。

Cine EIはLog撮影するときの撮影編集フローを変えるためのものです。

具体的にはISOをベース感度である800か2500のどちらかに固定して撮影します。

ISOを固定する代わりにEI値というものを変えて、編集で露出調整した後のイメージをモニタリングすることができます。

CineEIモードは使うことで画質が良くなるというものではないですし、仕組みを理解していないと撮影がかえってややこしくなるので、個人的には全然オススメもしてないです。

あと4月のアップデートで「DCI 4K」というデジタルシネマ規格の解像度も使えるようになっています。

SONYカメラでは通常3840×2160のUHD4Kという解像度が使われますが、DCI 4Kでは4096×2160の解像度になっています。

横幅が広がっているので、アスペクト比は16:9から17:9になります。

あとフレームレートもドロップフレームの23.98に加えて24.00Pが使えるようになっています。

Cine EIもDCI 4Kも24Pも選択肢があるのは良いですが、個人で映像制作などする分には特に気にしなくても良いかなとは思います。

機能が増えるのは良いが必要かどうかは考えるべき

XLRハンドルユニット

続いてXLRハンドルユニットです。

FX30はXLRハンドルユニットというものをセットで購入することができます。

FX30のXLRハンドルユニット
FX30のXLRハンドルユニット

これはXLR端子に対応したマイクを接続するためのもので、高音質のマイクを使えたり、ケーブルを回してマイクのセッティングなどもできます。

他の機種でも「XLRアダプター」というものを使えばOKですが、これはハンドルとしては使えません。

つまり持ち運びや使い勝手の部分でXLRハンドルユニットの方がメリットがあります。

高音質と使い勝手を両立させるのに重宝するアイテム

XAVC SI 4K120P

続いてXAVC SI 4K120P撮影についてです。

XAVC SIはファイルサイズの大きいフォーマットなので、4K120PだとSDカード記録できず、「CFexpressAカード」が必要になります。

α6700はSDカードにしか対応していないので、自ずとXAVC SIでの4K120P記録はできません。

同じくFHD240PもSIでは記録できないです。

ただXAVC SとHSでの4K120P記録はできるので、ここが気になるかどうかは人や用途によると思います。

SIで記録しないといけないか?は判断が分かれるところ

ProResRAW

最後にProResRAW収録です。

FX30ではATOMOSのレコーダーを使うことで、ProResRAWというフォーマットでの収録ができます。

FX30のProResRAW映像
FX30のProResRAW映像

ProResRAWは撮影した情報にノイズリダクションやレンズ補正、圧縮などの手をほとんど加えていないので、高画質で編集耐性も非常に高いフォーマットです。

高品質の映像制作ができますが、機材への支出もありますし、物理的な負担も増えます。

編集の知識もかなり必要です。

詳しい内容はFX30の半年レビューで確認していただきたいんですが、使うハードルはかなり高いと思った方が良いです。

高品質な映像制作ができるが使うハードルはかなり高い

この5つのメリットに加えて、記録時間の長さ、リグのカスタマイズのしやすさ、あとHDMIが心もとないMicroではなくフルサイズというのもメリットだと思います。

ソニーストア

α6700のメリット

ここまでFX30のメリットについてお話したので、続いてα6700のメリットをお話します。

  • ファインダー
  • 静止画性能
  • VLOG向けの機能
  • ズーム中のAF機能
  • 重さ

以上の5つについてお話します。

ファインダー

1つ目のファインダーについてです。

α6700にはファインダーがついているので、特に静止画でのフレーミングがしやすくなっています。

背面モニターでの撮影はカメラをみぞおちのあたりに構えて、下を向いて撮る方が多いんじゃないかと思います。

バリアングルならローアングル、ハイアングルでの撮影もできて自由度も高いので、モニターがあれば問題ないという方も多いとは思います。

ただ望遠撮影になると被写体のフレーミングに精度が必要になってくるので、下を向くと方向感覚が狂ってフレーミングが難しくなります。

それに対してファインダーだと目線上にカメラを持ってくるだけなのでフレーミングがしやすいです。

あと、モニターだと日光の反射で見えづらいことがあったり、没入感も違います。

個人的には広角や標準ならモニターでも問題ないですが、やはり望遠だとファインダーが欲しくなるという感じです。

特に望遠撮影はファインダーがあると嬉しい

静止画機能

メリット2つ目の静止画機能です。

α6700には連写機能もあって「連続ブラケット」や「フォーカスブラケット」など、静止画機能が充実しています。

あと動画と静止画、撮影モードの切り替えがFX30はボタンとダイヤルを押して選択するのに対して、α6700はダイヤルだけで素早く切り替えができます。

そして何よりメカシャッターがあるのは大きいと思います。

先ほどの歪み検証でもわかった通り、映像では歪みに気づきにくいですが、止めてみると歪んでいるのがわかります。

FX30は静止画でも電子シャッターなので、動体撮影すると歪みますが、α6700のメカシャッターなら歪みを抑えられます。

静止画メインであればα6700を選択するのが間違いない

VLOG向けの機能

メリット3つ目はVLOG向けの機能です。

α6700にはシネマラインのFX30と違ってカジュアルに使える動画機能が搭載されています。

大きいのはタッチ操作機能で、モニターで撮影・停止や再生、ピクチャープロファイルの変更などができるようになっています。

上にスワイプすればfnメニューも呼び出せて実質ほとんどの機能にアクセスできるので、自撮り中の操作がかなりしやすくなっています。

あと「美肌補正」や「オートフレーミング」もFX30にはない機能です。

用途次第ではFX30よりも動画が撮りやすくなる機能もある

ズーム中のAF機能

メリット4つ目はズーム中のAF機能です。

今までのほとんどの機種では超解像ズームやデジタルズーム中に、AF機能が一部制限されていました。

具体的にはリアルタイム認識AF、リアルタイムトラッキング、フォーカスエリア設定が効かなくなっていました。

超解像ズームを使う方にとっては結構厄介な仕様でしたが、α6700ではズーム中でもAF機能が働くようになっています。

AIチップで基本的なAF性能が上がっただけでなく、こういった仕様も改善されているのは嬉しいポイント。

AF性能は全面的にα6700が有利

重さ

メリット5つ目は重さです。

α6700はFX30より153g軽いです。

たったの150gと思う方もいるかもしれませんが、撮影の負担や使える機材の選択肢は全然違ってきます。

個人的にはZV-E1やZV-E10でも使っている軽量ジンバルの「CRANE M2S」が問題なく使えるのが嬉しいポイントです。

FX30でもレンズ次第では載るんですが、バランス調整を結構細かくやらないと厳しいので基本は少し大きくなりますがRS3Miniというジンバルを使っています。

RS3miniも機能が豊富でパワーもあるとても良いジンバルですが、自撮りなどが気軽にできるようなジンバルではないです。

軽さは撮影の負担を減らして機材の選択肢を増やす

どっちを買うべきか

ここまでα6700のメリットをお伝えしたので、最後にどっちを買うべきかについてお話します。

同じセンサーと言われる機種ですが、違いはかなりあります。

個人的にここが重要だろうと思うところを挙げたいと思います。

まず、動画の長時間撮影をする方はFX30を選んだ方が良いです。

特に4K60Pで長回ししたりする方はα6700では厳しいと思います。

24Pや30Pならα6700でも記録時間を伸ばせますが、条件次第なところもあります。

あとFX30はデュアルスロットで、XLRハンドルユニットが付けられるところなどを見ても、動画機としての安定感はFX30の方が上だと思います。

それに対して、静止画がメインという方はやっぱりα6700が良いと思います。

ポートレートも動物も乗物も連写は使う機能ですし、ファインダーもやっぱりあるに越したことはないです。

あとメカシャッターで歪みなく動体撮影もできるわけなので、静止画メインの方はα6700を選ぶのが間違いないです。

なので、基本的には動画はFX30で静止画はα6700というイメージなんですが、あと大きな違いとしてα6700の方がAF性能がかなり上というのがあります

AF性能は静止画と動画両方で役立つものなので、α6700のメリットは大きいです。

ただマニュアルフォーカスで動画を撮る方もいたり、長時間撮れるのが第一という方もいるので、ここは人によって判断が分かれるところだと思います。

個人的な結論としては4K60Pで長時間撮影することもないですし、動物を撮るときにAF性能はとても重要なのでα6700の方が僕には合っているという感じです。

購入はSONYストアがオススメ

ちなみにα6700を購入するならSONYストアが一番おすすめです。

アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。

  • 10%OFFクーポン(初回も使える)
  • メーカー3年保証が無料
  • 定期的にクーポン配布

SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。

さらに「αあんしんプログラム」に入ると15%OFFクーポンやレンズの長期保証クーポンがもらえますが、こちらは月額550円かかりますので、必要に応じて考えればOKです。

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カメラ選びの参考にしてみてください。

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