今回はSONYα7CIIにおすすめの標準レンズを紹介します。
SONYカメラ用のレンズは、純正からサードパーティまでたくさんあって選ぶのが難しいです。
今回はレンズの選び方を解説した上で、α7CIIにおすすめのレンズを8つ紹介するので参考にしてみてください。
標準レンズの選び方
レンズを選ぶ際は次の6項目に注意する必要があります。
- 焦点距離
- 開放F値
- 手ぶれ補正
- インナー・パワーズーム
- 最大撮影倍率
- 重さ
それぞれ簡単に解説しておきます。
焦点距離
写真や映像の写る範囲である「画角」は焦点距離によって決まります。
そして目安は次のとおりです。
- 〜35mm:広角
- 35〜85mm:標準
- 85mm〜:望遠
明確な基準があるわけではありませんが、概ねこんな感じです。
今回は標準レンズを探しているので50mm前後が対象になってきますが、標準の中でも用途や印象は結構違ってきます。
35〜50mmはそれなりに広さもあるので、日常を切り取るスナップ撮影にもよく使われます。
85mmあたりになると、被写体に注目した印象で広角歪みもないので、ポートレートや物撮りに向いています。
85mmで風景を撮れないというわけではないですが、写る範囲が狭く、圧縮効果を活かした風景撮影という感じです。
標準の中でも自分の用途を考えて焦点距離を選ぶ必要があるというわけです。
焦点距離を変えられるズームレンズなら柔軟に対応できるとも思います。
開放F値
写真や映像の明るさを決めるのがF値で、F値が小さいほど明るくなります。
そのレンズが使える一番小さいF値を「開放F値」と言います。
開放F値が小さいレンズなら夜景や暗い室内などでも綺麗に写せるということです。
あと、F値が小さいとボケやすくもなるので、ボケを活かした表現をするなら明るいレンズを選んだ方が良いです。
そして明るさの目安は次のとおりです。
- 〜F1.8:明るい
- 〜F2.5:明るめ
- 〜F3.5:暗め
- F4.0〜:暗い
これもあくまで目安ですが、暗い環境での撮影が多いならF2.5くらいは欲しいところです。
また、標準レンズは広角と比べるとボケやすい性質があるので、F2.0くらいでも案外ボケるとは思います。
ボケを活かした撮影ではNDフィルターを使って減光する必要も出てきたりします。
筆者が使っているのはNISIの可変NDで、ムラなどによる劣化もなくて評判も非常に良いです。
手ぶれ補正
写真や動画のブレを抑えてくれる手ぶれ補正ですが、カメラとレンズどっちに必要なのかわからない方も多いと思います。
結論から言うと、カメラに手ぶれ補正があるなら標準レンズに手ぶれ補正は不要です。
α7CIIには光学式7.0段の手ぶれ補正があるので、標準レンズに手ぶれ補正はいらないということです。
ただ望遠レンズに関しては手ぶれ補正があったほうが良いです。
望遠撮影ではブレの3成分「角度ブレ」「移動ブレ」「回転ブレ」のうち角度ブレが支配的になるんですが、これに対してレンズの補正が効果的だからです。
逆に標準や広角においては角度ブレの影響は小さくなり、ボディが回転ブレと移動ブレに対応するので、レンズに手ぶれ補正があってもほとんど効果がないんです。
なので、手ぶれ補正の有無は気にせずレンズ選びしてOKです。
あと動画用手ぶれ補正の「アクティブモード」は、純正レンズでないと補正効果が極端に落ちます。
手持ちで動画を撮ったりする方には基本的に純正レンズをお勧めしています。
インナー・パワーズーム
焦点距離を変えられるズームレンズにはズームしても長さが変わらない「インナーズーム式」のものがあります。
逆にズームすると長さが変わってしまうアウターズームもあります。
これは特に動画撮影で影響が大きいんですが、ジンバルなどに載せて撮影する場合にアウターズームだと、画角を変える都度バランス調整が必要になります。
インナーズームならバランス調整せずそのまま画角を変えられるので、撮影の手間は大きく変わります。
あとインナーズームレンズの中にはボタンやレバーでズームが働く「パワーズーム機能」を搭載しているものもあります。
パワーズームがあれば指一本でズームできるだけでなく、一定速度でのズーム表現もできます。
結構見落としがちな部分ですが、インナーズームとパワーズームについては頭に入れておいた方が良いと思います。
最大撮影倍率
被写体をどれだけ大きく写せるかを表すのが最大撮影倍率です。
小物や料理、花などを撮る方は数字が大きいレンズを選ぶと良いです。
最大撮影倍率が1倍の場合、1cmのものをセンサー上にも1cmで写せるということになります。
ちょっとわかりづらいかもしれませんが、目安としては次のとおりです。
- 1倍:とても大きい
- 0.5倍:大きい
- 0.3倍:大きめ
- 0.2倍:小さめ
マクロレンズで1倍、ハーフマクロレンズで0.5倍なので、それ以外のレンズでは0.3倍あればかなり優秀です。
0.2倍を切ると小物などの撮影には向いてないと言えそうです。
重さ
レンズの重さは、使い続けないとわからない部分もありますが、とても重要なことでもあります。
気軽・手軽に撮影を楽しむのにも重さは大事ですし、三脚やジンバルの最大積載重量にも影響します。
α7CIIはα7IVなどと比べて150gほど軽くなっていますが、レンズの重さは数百グラム違うこともよくあります。
α7CIIのせっかくの軽さもレンズ次第で簡単に埋まってしまうわけです。
レンズの重さは性能次第なところがありますが、重さもイメージしながらレンズ選びするのは大事なポイントです。
α7CII用おすすめ標準レンズ8選
それではα7CIIおすすめの標準レンズを紹介します。
紹介するのは次の8つです。
- SEL2070G
- SEL35F14GM
- SEL50F14GM
- SEL50F25G
- SEL90M28G
- SIGMA 28-70mm F2.8
- TAMRON 20-40mm F/2.8
- TAMRON 28-200 F/2.8-5.6
SEL2070G
- 焦 点 距 離 :20-70mm
- 開 放 F 値 :F4.0
- 最大撮影倍率:0.39倍
- 重 さ:488g
- 値 段:16万
まずは「SEL2070G」です。
こちらは広角端20mmで風景も広く撮れて、望遠端70mmはポートレートにも良いです。
動画ではアクティブモードのクロップも加えて23mmで映せますし、最大撮影倍率が0.39倍もあるので、物撮りなどにも使えるレンズです。
ただインナーズーム・パワーズームではないので、ズームリングを回して画角を変える必要がありますし、レンズの長さも変わります。
開放F値はF4なので暗い場所での撮影には強くありません。
重さは488gなので、スペックから考えると軽量という感じです。
一本で広角から中望遠まで撮りたいという人に良さそうです。
SEL35F14GM
- 焦 点 距 離 :35mm
- 開 放 F 値 :F1.4
- 最大撮影倍率:0.25倍
- 重 さ:524g
- 値 段:19万
続いては「SEL35F14GM」。僕も実際に使っているレンズです。
開放F1.4の強力な明るさがある単焦点レンズなのでスナップ撮影に最適。
35mmはポートレート動画も撮りやすく、ボケを活かした表現もできます。
GMレンズの美しいボケや解像力も魅力です。
最大撮影倍率0.25倍は近いスペックのレンズで比べると大きめの数値です。
値段や重さは負担になりますが、1本の満足度はかなり高いと思います。
SEL50F14GM
- 焦 点 距 離 :50mm
- 開 放 F 値 :F1.4
- 最大撮影倍率:0.16倍
- 重 さ:516g
- 値 段:18万
続いてもGMレンズの「SEL50F14GM」です。
開放F1.4の明るさがあり、35mmよりも被写体に注目した画角になります。
スナップ感覚で風景も撮れますが、やはりポートレートや物撮りなどでボケを活かした撮影に向いていると思います。
ただAF時の最大撮影倍率が0.16倍でかなり低め、MFでも0.18倍です。
小物に思いっきり近づいては撮れない点は注意が必要。
SEL50F25G
- 焦 点 距 離 :50mm
- 開 放 F 値 :F2.5
- 最大撮影倍率:0.18倍
- 重 さ:174g
- 値 段:9万
続いてはGレンズの「SEL50F25G」です。
先ほどの50mmF1.4より暗いレンズですが、重さが1/3なのでα7CIIと組み合わせると合計700gにもなりません。
50mmの焦点距離なら開放F2.5でもそれなりにボケてもくれます。
値段もGMレンズと比べると半分ほどなので、α7CIIとの相性が最も良いレンズの1つだと思います。
SEL90M28G
- 焦 点 距 離 :90mm
- 開 放 F 値 :F2.8
- 最大撮影倍率:1.0倍
- 重 さ:602g
- 値 段:14万
純正レンズの最後の1つは「SEL90M28G」です。
このレンズは純正で数少ないマクロレンズ。しかもハーフマクロではなく最大撮影倍率1倍の等倍マクロです。
花や小物を撮ったりするのに打ってつけで、植物を撮影する筆者には欠かせないレンズとなっています。
90mmの画角を活かしてポートレートを撮ったりするのにも良いと思います。
ただ、マクロレンズは基本的にAFが遅く、音も出るので動画には向いてないと思います。
SIGMA 28-70mm F2.8 DG DN
- 焦 点 距 離 :28-70mm
- 開 放 F 値 :F2.8
- 最大撮影倍率:0.22倍
- 重 さ:470g
- 値 段:9万
サードパーティレンズも紹介しておきます。まずは「SIGMA 28-70mm F2.8」です。
28mmから70mmの画角なら風景、物撮り、ポートレートなど幅広い使い方ができます。
開放F2.8の明るさもあるので、ポートレートなどでボケも活かせます。
ただ広角端28mmはあまり広くないので、建物や風景に立体感は出にくいかもしれません。
アウターズームではありますが、比較的軽量で値段もお手頃なので魅力のあるレンズです。
TAMRON 20-40mm F/2.8 Di III
- 焦 点 距 離 :20-40mm
- 開 放 F 値 :F2.8
- 最大撮影倍率:0.19倍
- 重 さ:365g
- 値 段:9万
続いては「TAMRON 20-40mm F/2.8」です。
このレンズはやや広角に重点をおいた標準ズームで、開放F2.8の明るさがあります。
画角的にも明るさ的にもかなり使いやすいレンズだと思いますし、重さも365gしかありません。
ネックになるのはアクティブモードの効果が落ちることと、インナーズームではないことです。
言い方を変えると、静止画メインの方にはかなり魅力的なレンズだと思います。
もちろん、三脚などで固定して動画を撮るなら全く問題なし。
TAMRON 28-200mm F/2.8-5.6 Di III
- 焦 点 距 離 :28-200mm
- 開 放 F 値 :F2.8-5.6
- 最大撮影倍率:0.26倍
- 重 さ:575g
- 値 段:9万
最後に紹介するのは「TAMRON 28-200mm F/2.8」です。
広角端28mmからなんと望遠200mmまで使えて、1本でほとんどの場面に対応できます。
高倍率ズームながら開放F2.8も使えるので、暗所でも比較的良好な画質を保てます。
ただ望遠側では開放F値が大きくなるので、望遠のまま明るくは撮れません。
575gの軽さも魅力的なので、旅行やアウトドアに重宝するレンズです。
α7CIIおすすめ標準レンズまとめ
今回はα7CIIにおすすめの標準レンズを8つ紹介しました。
純正の標準ズームでは「SEL2070G」が人気です。
標準としてはやや広い20mmから使えるので汎用性が高く使いやすいと思います。
「SEL35F14GM」はやや重くて高額ですが、解像力と美しいボケを両立した、スナップ撮影に最適なレンズだと思います。
「SEL50F14GM」と「SEL50F25G」は同じ焦点距離ですが、重さや明るさに大きな違いがあります。
α7CIIの軽さを活かす意味ではSEL50F25Gの方が相性が良いのかもしれません。
等倍マクロレンズの「SEL90M28G」も小物や、植物などの撮影に最適で、AF速度は遅いですがポートレートにも使えます。
SIGMAとTAMRONの標準ズームレンズ3本は、純正よりも安価で開放F2.8の明るさも使えるのでお勧め。
また、こちらの記事では標準以外のα7CII用レンズも紹介しています。
レンズ選びの参考にしてみてください。
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