今回はSONYカメラのローリングシャッター歪みを比較していきます。
これまでにも歪み検証はやっていたんですが、今回は5機種まとめて比較したいと思います。
今回の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧ください。
歪み検証の方法
早速ローリングシャッター歪みを比較したいところですが、まずは方法をお話します。
扇風機の羽を撮影して歪みを確認します。
ローリングシャッター歪みはセンサーが上から情報を読み出すのが原因なので、下へ動くものは長くなって上へ動くものは短くなります。
扇風機の羽で言うと右側は下へ動いて、左側は上へ動くので歪みが発生すると右が長くなって左が短くなるということです。
被写体ブレが出ないように出来るだけシャッタースピードを短くしたいので、基本は最速の1/8000秒に設定しますが、ZV-E10は1/4000秒までしか設定できないのでこの設定にします。
静止画のローリングシャッター歪み
まずは静止画のローリングシャッター歪みから確認していきます。
α9III
参考でグローバルシャッターのα9IIIです。
グローバルシャッターはセンサー全体で読み出すので歪みは完全に発生しません。
ただSSを他の機種に合わせて1/8000秒にしているので少しだけ被写体ブレが発生しています。
ZV-E1
これを踏まえて続いてZV-E1です。
画素数が少なくて比較的歪みの少ないZV-E1ですが、それでも歪みは発生します。
ちなみにα7SIIIやFX3も同じ1210万画素で、以前の検証でZV-E1とα7SIIIの歪みはほとんど同じということがわかっています。
α7CII
続いてα7CIIです。こちらはα7IVと同じ3300万画素数のセンサーです。
ZV-E1と同じ裏面照射型センサーですが歪みが大きくなっています。
画素数が多い分読み出しに時間がかかっているということだと思います。
α7RV
続いてα7RVで、α7CRと同じ6100万画素です。
α7CIIよりもさらに歪みが大きくなっているのがわかります。
α6700
今度はAPS-Cのα6700で、2600万画素はFX30と同じです。
以前の検証でも歪み量は同じと言う結果が出ています。
α7RVより歪みは少なくて、α7CIIと比べても少ないです。
ただ、ZV-E1との比較だと歪みやすいという結果です。
ZV-E10
最後にZV-E10ですが、裏面照射ではなく表面照射型の2400万画素センサーです。
α7RVよりも歪みは少ないですが、α7CIIよりは歪むという結果です。
画素数だけでなく、表面照射、裏面照射、積層型などセンサーの種類によっても歪み具合が変わることがわかります。
ちなみに、α7RVのメカシャッターで1/8000秒でも撮影してみました。
α9IIIと比べると明らかに形が変わっています。
つまり、メカシャッターはほとんどの場面で歪みが気にならないレベルですが、完全に歪まないわけではないということです。
動画のローリングシャッター歪み
続いて動画でもローリングシャッター歪みを比較してみたいと思います。
設定は4K24PでSSは1/8000秒、クロップされる機能は全てOFFにしています。
α9III
まずはα9IIIですが、やはり歪みは発生しません。
動画でもグローバルシャッターは有効なのがわかります。
ZV-E1
続いて ZV-E1からは歪みが発生します。
静止画よりも少し歪まなくなったような気もします。
α7CII
α7CIIはZV-E1より歪みの量が増えます。
α7RV
α7RVですがα7CIIより歪みの量が減りました。
静止画ではα7CIIよりα7RVの方が歪んでいたんですが、動画では変わっています。
実はα7CIIのフルサイズ4K24Pは全画素読み出しのオーバーサンプリングなんですが、α7RVはそうではありません。
画質の議論は別として、全画素読み出しじゃない分読み出し速度は速くなっているようです。
4K24Pフルサイズだとこういう結果ですが、S35mmや4K60P、8K24Pなど読み出す画素数がそれぞれ違うので、それに応じて歪み具合も変わります。
α6700
続いてAPS-Cに移ってα6700はα7RVよりも若干有利という感じ。
ZV-E10の歪みは一番大きいという結果です。
結果をまとめると、静止画ではZV-E1、α6700、α7CII、ZV-E10、α7RVの順。
動画ではZV-E1、α6700、α7RV、α7CII、ZV-E10の順となりました。
今回α1やα9IIは確認できていなんですが、積層型センサーのローリングシャッター機であることを考えるとZV-E1よりずっと良好で、メカシャッターに近い結果にはなるんだろうと思います。
ローリングシャッター歪みの対策
続いて歪み対策についてお話します。
静止画については基本メカシャッターを使うということになるんですが、動画などどうしても電子シャッターになることもあります。
そういう場合にできる対策をお話します。
素早い動きを撮らない
まず1つ目はこれも基本ではありますが、素早い被写体を撮らないこと。そしてカメラを素早く動かさないことです。
歪みはカメラか被写体の動きがなければ発生しないので、歪みやすいカメラではそれを抑えるようにしてください。
僕もZV-E10やα7CIIの4K24Pで動画を撮る時は急な旋回などせずゆっくり動くようにしています。
画素数を減らす
2つ目は使う画素数を減らすということです。
例えばα7CIIのフルサイズ24mmで撮るのと、1.5倍クロップされるAPS-CモードやSuper35mmモードで16mmで撮るのでは同じ画角でもフルサイズの方が歪みやすくなります。
あとα7RVの検証からもわかるとおり、全画素読み出しかどうかでも歪みやすさが変わります。
つまり、同じセンサーでも範囲を狭めたり読み出す画素数を減らすと読み出しが早く終わるので歪みも減るということです。
設定ごとに全画素読み出しかどうかを書いているわけではないんですが、公式HPの注意書きなどを見ると読み取れることも結構あります。
全ての機種で試したわけではないですが、4Kでは歪んでもFHDだと歪まないということも結構あると思います。
解像度に不足がなければ試してみると良さそうです。
機種変更
3つ目に、素早い動きがメインなら機種変更してしまうということです。
その機種の中で対策できる限界を越えたらもうカメラを変えるしかありません。
用途や人の感覚が違う以上、「これなら絶対大丈夫」と言えるのはα9IIIしかないわけですが、積層型センサーのα1や低画素のZV-E1なら動画ではほとんどの場合満足できそうな気はします。
高いカメラなら歪まないというわけでもないですし、レビューなどを調べていけば歪みについての情報も十分すぎるほど出てきます。
やっぱり勢いだけで買わずにしっかり調べるのは重要です。
購入はSONYストアがオススメ
ちなみにSONYカメラを購入するならSONYストアがオススメです。
アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。
- 10%OFFクーポン(初回も使える)
- メーカー3年保証が無料
- 定期的にクーポン配布
SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。
高い買い物なので、小売店保証よりもメーカー保証の方が安心できるというのもありますね。
ということで今回はSONYカメラの歪み比較でした。
機材選びの参考にしてみてください。
コメント