SONY FX30の半年レビュー|ProResRAW・写真性能・4K120Pの仕様も解説!

SONY FX30の半年レビュー|ProResRAWまとめ・写真性能・4K120Pの仕様も解説!

こんにちはともです。今回はFX30の半年レビューをやっていきます。

FX30を購入して早くも半年経ちましたが、半年の間に性能検証から作品撮りまで色々やってきました。

1ヶ月のレビューをやってから、その後でわかったことも色々あるので、さらに掘り下げた内容で、購入を検討している方や既に使っている方の参考になる情報をお伝えできればと思います。

ちなみに今回の記事の内容は動画にもしてあるので、見やすい方でご覧いただければと思います。

目次

FX30の仕様おさらい

FX30の仕様のおさらい
FX30で撮影したエゾフクロウ

ということでまずは仕様のおさらいからです。

基本的なスペックなどは1ヶ月レビューで詳しい話をしているので、まだ見ていない方はぜひそちらからご覧ください。

今回は気をつけた方が良い仕様だけおさらいするので、ちょっとマイナス面が強めですがFX30は基本的に良いカメラという前提でお伝えしておきます。

アクティブモード

まずFX30の動画用手ぶれ補正機能であるアクティブモードはサードパーティレンズでは効果が著しく落ちます

純正レンズなら手持ちで歩き撮りなどもできますが、サードパーティではとても無理という感じで性能が全然違うので注意してください。

あとアクティブモードは画角が1.15倍ほど狭くなるのでやや広めのレンズを使うと良いです。

バッテリー容量

FX30のバッテリーはフルサイズ機などにも使われている、容量が大きめのZバッテリーというものですが、空冷ファンがついているせいか消費は結構早いです。

予備バッテリーの購入や外部給電も検討した方が良いかもしれません。

重さ

FX30はAPS-C機ではありますが、重さが646gということでSONYのフルサイズカメラくらいの重さはあります。

本体自体は軽いわけではなく、APS-C用レンズを使えてトータルの重さを軽くできるというのがメリットになります。

Cine EIモード

FX30にはcine EIモードというのがあります。

これはベースiso800と2500を活用して編集を想定した撮影ができるというものなんですが、cine eiを使えば画質が良くなるとかそういうものではないので注意してください。

isoを自由に調整できるflexible isoモードでもベースiso800と2500はを使えば基本的に画質は同じになります。

FX30のProResRAW

FX30のProResRAW
ProResRAW映像のキャプチャ

ザッと気をつけてほしい仕様についてお話したので、ここからProRes RAWについてお話していきます。

FX30では上位機種のFX3やα7SIIIなどと同様、ATOMOS製のレコーダーを使うことでProResRAWコーデックでの撮影ができます。

ProResRAWとは?

まずProResRAWというのは、撮影した情報をほぼ未加工のまま記録するコーデックということになります。

通常の撮影で記録される映像は、カメラの画像処理エンジンによって加工されて使いやすいサイズだったり見やすい映像に仕上がっています。

ただ逆に、余分と思われる情報は削られてしまっているので、撮影後の編集で自分好みに調整するには情報が足りない可能性があります。

それに対してProResRAWは加工がほとんどされていないので、撮影してそのまま表示するのには向いてませんが、編集耐性は圧倒的に高いです。

僕も作品撮りで何度か使ってますが、編集の劣化もなくかなりの高画質に仕上がるなと感じています。

あと出力される映像は横4672px縦2628pxなので、4Kの横3840縦2160pxよりかなり余裕があります。

余裕がある分、少し拡大しても4K解像度を割らなかったりして、調整もしやすいです。

なので映像のクオリティにこだわるならProResRAWはとても良い選択肢だと思うんですが、必要な機材や手間が多かったり、特殊な仕様もあったので紹介しておきます。

必要な機材

まずProResRAW撮影に必要な機材をあげておきます。

  • ATOMOS製の外部レコーダー
  • レコーダー用のバッテリー
  • 記録用のSSD
  • 接続するHDMIケーブル
  • カメラに搭載するリグなど

ATOMOSレコーダー

ProResRAW出力するにはATOMOSというメーカーの外部レコーダーが必要です。

現状「NINJA V」と「NINJA V+」「SHOGUN CONNECT」という3機種がProReSRAWに対応しています。

ただNINJA Vは4K24Pと4K30Pには対応してますが、4K60Pには対応していません。4K60PはNINJA V+とSHOGUN CONNECTでしか使えないので注意が必要ですし、この2機種は結構高額です。

僕はNINJA Vを使っていますが、やはり60P由来の2.5倍スローが使えることを考えると、これから買う方はNINJA V+以上にしておいた方が良さそうだなと思います。

ちなみにProResRAWではなくProResHQや422、LTなどのコーデックは4K60Pでも収録できます。

こちらもかなり低圧縮で編集耐性も高いコーデックではあります。

あと上位機種のFX3はNINJA VでもProResRAWの4K60P収録できる仕様だったりもします。

バッテリー

そしてレコーダーのバッテリーなんですが、レコーダーには給電用のACアダプターはついてますがバッテリーはついていません。

ATOMOS製の小型バッテリーを購入するか、リグにVバッテリーなどを載せて給電するかという感じになると思います。

SSD

そして記録用のSSDが必要です。

PCの中に入ってたり外付けで使ったりするあのSSDです。使えるSSDはATOMOSのHPから確認ができますが、値段はピンキリという感じです。

僕が使っているのはSanDiskのSSDで値段も安くて性能も十分です。

HDMIケーブル

そしてレコーダーとFX30を繋ぐHDMIケーブルが必要なんですが、HDMIケーブルには伝送速度というものがあります。

この伝送速度が足りないと収録できない可能性があるので、プレミアムハイスピードとかver2.0と書かれているものを使うようにしてください。

リグなど

そしてレコーダーをカメラに乗せるためのリグなどが必要になります。

一番コンパクトに収めるならコールドシューを使ってそのまま載せることになりますが、頭が重くてアンバランスにはなりやすいです。

音もちゃんと録るならXLRハンドルユニットの持ち手をレールに変えて乗せるという方法もあります。

ただ、レコーダーのファンの音が結構大きいので、レコーダーとマイクとの距離は出来るだけ離した方が良いです。

Vバッテリーなど色んなものを載せていくならロッドもつけて前後にも伸びていくかもしれません。

こんな感じで、ProResRAWで撮るためには結構機材の投資は必要になってくるので、とりあえずモニターだけあればと思っていると想像以上の出費になってしまうと思います。

気をつけたい仕様

これらの機材を使ってProResRAW撮影するわけなんですが、注意したい仕様やポイントもあります。

S-Log3撮影

まず、ProResRAWでの撮影はS-Log3での撮影になります。

普段通常のピクチャープロファイルやクリエイティブルックで撮影している方はLogの仕組みや撮影方法を理解しておく必要があるので注意してください。

解像度とフレームレート

使えるフレームレートは24p、30P、60Pの3つで、120Pは使えませんし、ninja vでは24pと30pだけです。

解像度は横4672px縦2628pxでFHDなどで撮影することはできません。編集で4KやFHDに調整しましょう。

ファイルサイズ

ファイルサイズは24Pでも800Mbpsくらいになりました。

通常の5倍から10倍くらいのサイズと思った方が良いです。

編集ソフト

あとProResRAWは「PremierePro」や「Final Cut Pro」での編集はできますが、「DaVinci Resolve」では編集できません。

DaVinci Resolveで編集するなら対応する形式に一度変換する必要があるので注意してください。

ちなみにPremiereProでの編集方法はこちらの記事で解説しています。

クロップ

そしてこれはninja vだけの仕様なのかもしれませんが、画角がクロップされます。

個人的に確認してみたら1.25倍くらいのクロップがかかったので、例えばフルサイズ換算24mmのレンズも30mmくらいになるということです。

これはninja v+ならクロップされないというコメントをいただいたことがあるんですが、僕自身は試せていないことなので、一応可能性はあると思っておいた方が良いかもしれません。

各種補正効果

あとProResRAWだと「ノイズリダクション」や「レンズ補正」などがかからないですし、「アクティブモード」も使うことはできません。

ノイズについてはいつもお話している通り、露出不足にならなければそこまで心配しなくても良いと思います。

歪みについては、最近のGレンズは軽量化するためにデジタル処理前提で設計されているものも多いので、レンズ選びも注意してください。

手ぶれ補正はスタンダード補正しか働かないので、後でスタビライズすることが多くなると思います。

こんな感じで編集耐性も高くて高画質のProResRAWですが、一般ユーザー向けの代物ではなくて、かなりハードルが高いプロ向けのコーデックと捉えた方が良いと思います。

SONYカメラの強みである機動性を損なう可能性もありますし、通常のフォーマットでは綺麗な映像は撮れないという話でもないので、使う場合はじっくり考えてからにしたほうが良さそうです。

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FX30の4K120P

FX30の4K120P
FX30で撮影したミヤマホオジロ

ここまでProResRAWについてお話したので、続いて4K120Pについてお話します。

FX30ではFX3などと同じく、4K120Pでの撮影ができます。

4K120Pは使えないカメラも多いのでFX30の大きなメリットとも言えますし、僕自身もこの冬は4K120Pを毎日のように使ってきました。

4K120Pをもとにした5倍スローや4倍スローは動く被写体をより印象的に映すことができるので、かなり重宝する機能です。

ただ使ううえで頭に入れておかないといけない仕様がいくつかあるので紹介しておきます。

クロップされる

まず4K120Pだと画角がクロップされます。

1.5倍以上はクロップされるのであらかじめ広めのレンズをようしておく必要があります。

10mmのレンズでも25mmくらい、20mmくらいのレンズでも50mmくらいの画角になるので注意してください。

ただ個人的には野生動物を超望遠で撮るのに使っているので、400mmのレンズで1000mmくらいの画角になって、小さな野鳥なども撮れて重宝しています。

フォーマットの制限

そして4K120Pは「XAVC S」と「XAVC HS」ならそのまま収録できますが、「XAVC SI」だとスロー&クイックモードでしか撮影できません。

スロー&クイックは音声記録ができないので、音も一緒に録りたいという方はXAVC SかHSを使った方が良いです。

僕は野鳥の鳴き声も一応録っておきたいのでXAVC HSをよく使っています。

使える手ぶれ補正

あと4K120Pではアクティブモードは働かずスタンダード手ぶれ補正だけになるので、歩きながら被写体を追ったりするような時はジンバルを使った方が良さそうです。

こういった特殊な仕様があったりするので注意はしないといけませんが、表現幅が一気に広がると思うので4K120Pをぜひ活用してみてください。

FX30の写真性能

FX30の写真性能
FX30で撮影したエゾモモンガ

ここまで4K120Pについてお話したので、続いて写真性能についてお話しておきます。

「FX30では写真は撮れない」という情報も出てたりするんですが、撮れないということはないです。

ただ静止画用のカメラとは違う点がいくつかあって、これが理由で向いているとは言えないのでここについてお話していきます。

ファインダーがない

まずやっぱりファインダーがないのは大きな違いです。

ファインダーがあると、液晶の反射を抑えることができますし、周囲の余計な情報をシャットアウトしたり、撮影している時のホールド感や一体感もあると思います。

僕も集中して写真を撮りたい時はやっぱりファインダーがあるカメラが良いですが、最近はファインダーなんて要らないという方も多いですし、求められる精度にもよると思います。

連写機能がない

そしてFX30には連写機能がないです。

これも動体撮影する人にとっては必須の機能なんですが、FX30では連写は全くできません。

ただ連写なんてそもそもしないという人も実際多いと思いますし、風景でも人でも構図を決めてゆっくりじっくり撮影できるなら要らないとも思います。

メカシャッターがない

そしてFX30にはメカシャッターが搭載されていません。

カメラのシャッターには物理的なシャッター幕が搭載されている「メカシャッター」やシャッターの役割を電子的に担わせている「電子シャッター」、両方併用している「電子先幕シャッター」があります。

FX30にはメカシャッターは搭載されていないので、電子シャッターでの撮影になるんですが、これが理由で「ローリングシャッター歪み」が出る可能性があります。

ローリングシャッター歪みというのはCMOSセンサーが情報を上から順番に読み込むのが原因で、素早い被写体を撮ったりカメラを素早く動かした時に歪みが出てしまうというものです。

ただ、これまた言い方を変えると被写体が大きく動いたりせずゆっくり撮影できるなら全く問題ないです。

つまり簡単にまとめると、風景を撮ったり動かない被写体を撮るならFX30でも問題ないことがほとんど。

逆に動く被写体を取るような場合は連写もできないしローリングシャッター歪みも怖いのであまり向いてないということです。

動画機だから静止画の画質は悪いというわけではないですし、「RAW撮影」もできて「クリエイティブルック」も適用できるので、これで十分な人も案外多いような気もします。

FX30のオススメ機材

ここまでFX30の写真性能についてお話したので、最後にオススメ機材を紹介します。

レンズ

まずレンズですが、やはり軽量コンパクトが売りの「SELP1020G」「SEL11F18」「SEL15F14G」の相性は良いなと思います。

SELP1020G

SELP1020Gは暗い場所には弱いですが軽くて汎用性が高いです。

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SEL11F18

SEL11F18は僕は持ってないですが、F1.8の明るさで夜景も撮れるしボケも活かせると思うので、とても羨ましいレンズです。

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SEL15F14G

SEL15F14GはF1.4の強力な明るさがあるので夜景撮影にバッチリです。

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ジンバル

DJI RS3 Mini

そしてジンバルのDJI RS3Miniもかなりオススメで、FX30のためにあるようなジンバルだなと思います。

フルサイズ機とフルサイズ用レンズも乗るパワーなんですが、850gと比較的軽量なので、作品撮りでとても活躍してくれています。

一応軽量ジンバルのCRANE M2Sにも載るんですが、ちょっとギリギリ感がありますしレンズの選択肢も減ってしまうかなという感じです。

リグ

あとリグを使うとどんな感じなんだろうと思う方は、カメラを守る意味でとりあえずケージから入ってサイドハンドルなども付け足してみると良いと思います。

ただ基本的に軽さのメリットをなくしてしまうものですし、ないとダメというわけでもないです。

モニターやバッテリーも一体化させるためとか、疲れずカメラを持ち続けるためという感じでやっぱり目的があって使うもので無理に使わなくても良いのだと思います。

まとめ

今回はFX30の半年レビューをやってきました。

半年の感想

前回の1ヶ月レビューのときからProResRAWや4K120Pなんかをじっくりたっぷり使ったのでより詳しい話はできたのかなと思います。

あと最初の方にもお話したんですが、cine EIについてはそれを使えば画質が上がるというものでもないので正直全く使ってない現状です。

現状の撮影編集フローを変えたいという方は使ってみると良いと思います。

写真については動画を撮っている時に余裕があったら撮ってみたりしてるんですが、動物なんかも止まっているところなら十分綺麗に撮れているなという感じです。

個人的にはこれから動物撮影から風景撮影の時期になってくるのでまた色々試しながら撮影を楽しみたいと思います。

購入はSONYストアがオススメ

ちなみにFX30を購入するならSONYストアが一番おすすめです。

アカウントを作って購入するだけで次のメリットがあります。

  • 10%OFFクーポン(初回も使える)
  • メーカー3年保証が無料
  • 定期的にクーポン配布

SONYストアの価格はパッ見だと高く感じるんですが、そこから10%OFFですし1年の無料保証が3年になるので、実はかなり安いです。

さらに「αあんしんプログラム」に入ると15%OFFクーポンやレンズの長期保証クーポンがもらえますが、こちらは月額550円かかりますので、必要に応じて考えればOKです。

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