今回はSONYα7CII用レンズの選び方についてお話していきます。
「カメラはα7CIIに決めたけどレンズ選びで悩んでる」という方は多いと思います。
SONYカメラは純正レンズに加えてサードパーティレンズも豊富で選択肢が多いです。
なので今回はα7CIIの仕様も踏まえたレンズの選び方とおすすめレンズを5本紹介します。
ちなみに今回の内容は動画にもしてあるので見やすい方でご覧ください。
レンズ選びの基本
まずはレンズ選びの基本についてお話します。
「基本はわかる」という方は次の項目からご覧ください。
レンズ選びでは次の5項目に注目してレンズを選ぶ必要があります。
- 焦点距離
- F値
- 手ブレ補正
- 最大撮影倍率
- 重さ
この5つについては言葉の意味や数値の目安を絶対に知っておいた方が良いので、しっかり理解しておいてください。
まずは焦点距離についてお話します。
焦点距離
焦点距離は写真や映像の写る範囲である「画角」を決めるものです。
画角はレンズ選びで1番重要で、これを失敗するとまともに撮影もできません。
そして、1本のレンズでどの画角にも対応することは無理なので、焦点距離選びがとても重要になってくるわけです。
レンズの焦点距離は10mmから600mmあたりまでありますが、これをまず大まかに3種類に分けます。
- 〜35mm:広角
- 35〜85mm:標準
- 85mm〜:望遠
明確に基準があるわけではなくて目安になります。
ではそれぞれの画角の特徴をお伝えしていきます。
広角
まず広角ですが、広い風景や、動画の歩き撮影、あと建物を撮ったりするのに使うことが多いです。
何か1つの被写体に注目するというより、しっかり全体を写したり、立体感を出すことに長けています。
もちろん標準や望遠でも風景を撮れます。
ただ当然撮影できる範囲が狭くなったり、圧縮効果が強まって立体感は出なくなるので頭に入れておいてください。
広角という1つの括りですが、写る範囲は結構違うので注意です。
20mm前後なら割と広く風景を写せますが、30mm前後になると広く写すという感じではなくなります。
基本的に焦点距離が大きくなるほど被写体に注目した印象になりやすいので、広角の中でもその傾向があるんです。
10mm代でポートレートを撮る人はほぼいませんが、35mmあたりで撮る人は結構出てきます。標準画角になるともっと増えます。
あと自撮りをするなら基本的に25mm以下で撮らないと窮屈な印象になりますし、広ければ広いほど腕も伸ばさずに済みます。
広角では数mmの違いで用途や印象が大きく変わるので注意してください。
同じ広角でも数mmで用途や印象が大きく変わる
標準
続いて、標準についてです。
標準も35~85mmの中で印象は全然違います。
50mmあたりまでは風景と物撮りの中間のような印象なので、よく「スナップ撮影」で使われます。
あと動画では、静止画と違って少し広めの画角で被写体をフレーミングする必要があります。
静止画でのポートレートの主流は100mm前後の「中望遠」ですが、動画では35~50mmあたりで撮る方も多いです。
広角と違ってブレやすいので、歩き撮影はジンバルがあった方が良いかもしれません。
そして50~85mmはより被写体に注目しているので、ポートレートや物撮りに使われやすくなります。
85mmと135mmはポートレートの2大画角と言われますが、85mmは被写体との距離も離れすぎないので使いやすいと思います。
あと100mm前後では被写体に近寄って撮影できる「マクロレンズ」もあったりして、物撮りにも向いている画角だと思います。
風景、物、人物など標準の用途は幅広い
望遠
そして85mmを超えた望遠画角です。
望遠も85から600mmほどということで、かなり幅広いです。
200mmくらいまではポートレートなどに使ったりして、それ以上は近寄れなかったり遠くにいる被写体を撮る画角と考えて良いと思います。
運動会などで使うなら300mmくらいで撮れると良いように思います。
野鳥や野生動物、スポーツなどを撮るなら400mm以上も撮れると良いです。
望遠レンズの焦点距離を1.4倍、2.0倍に伸ばすテレコンバーターという機材もあるので、選択肢に入れると良いと思います。
200mmくらいからは遠くの被写体を撮るのに使う
単焦点とズーム
焦点距離の解説は以上ですが、レンズには1つの焦点距離で撮影する「単焦点レンズ」と焦点距離を変えられる「ズームレンズ」があります。
単焦点レンズは画質や明るさの面でメリットがありますが、ズームと違ってレンズが複数本必要になったり交換の手間も発生します。
どちらが正解というわけでもないので、ここからの内容も踏まえてトータルで判断するしかないと思います。
両者のメリットとデメリットを理解して自分で判断する
F値
続いてF値についてです。
明るさ
F値は写真や動画の明るさを決めるもので、F値が小さいほど明るく撮れます。
そのレンズが使える一番小さいF値を「開放F値」というので、開放F値が小さいということはそのレンズは明るいということです。
明るさの目安としては
- 〜F2.0:明るい
- 〜F2.8:明るめ
- 〜F3.5:暗め
- 〜F4.0:暗い
という感じです。
先日紹介したとおり、α7CIIの暗所性能ならF2.8のレンズでも手持ちで夜景撮影できました。
ただ結構ギリギリのラインではあるので、もっと明るさに余裕が欲しいならF2以下のレンズだと安心できると思います。
あと望遠レンズに関しては暗いものが多いので、ある程度は暗さも許容しないといけないです。
夜景なども撮るなら明るいレンズが必要
ボケ
そしてF値はボケ具合にも影響します。
ボケを活かした表現をするなら開放F値が小さいものを選ぶようにしてください。
ボケは撮影距離によっても変わるので、被写体に近づけばF4レンズでもある程度はボケてくれます。
ボケの大きさはF値や撮影距離などによって決まる
手ぶれ補正
続いては手ブレ補正についてです。
レンズには手ブレ補正があるものと無いものがありますが、結論を言うと望遠レンズ以外は手ぶれ補正は要らないです。
まずSONYのカメラは、基本的にはボディとレンズ両方に手ブレ補正があっても効果が強力になるという仕様ではありません。
ボディ内補正のカメラが少なかった頃はレンズにも手ぶれ補正がありました。
ただ最近はボディ内補正を搭載している機種が多いので、手ぶれ補正がないレンズが増えています。
ただ望遠レンズに関しては今も手ぶれ補正が搭載されています。
望遠画角での撮影はブレの中でも角度ブレというのが支配的になるんですが、この角度ブレにはボディ内補正よりレンズ内補正の方が有利だからです。
なので望遠レンズには手ぶれ補正が必要ですが、広角や標準ならボディ内補正だけで十分ということです。
目安としては150mmを超えるなら手ぶれ補正があった方が良さそうな気がします。
広角や標準レンズに手ぶれ補正は不要
最大撮影倍率
続いて最大撮影倍率についてです。
最大撮影倍率は大きいほど被写体を大きく写せるというものです。
小さいものを大きく写せる「マクロレンズ」は、等倍マクロだと最大撮影倍率が1倍で、ハーフマクロは0.5倍です。
- 1倍:ほぼ最大
- 0.5倍:大きい
- 0.25倍:それなり
- 0.2倍:小さめ
個人的には0.35倍以上のレンズを1本持っておくと小物も安心できると思います。
重さ
最後に重さについてです。
α7CIIは軽いカメラなので軽いレンズと組み合わせれば撮影の負担がかなり減ります。
三脚やジンバルも小型で軽量なものが使えます。
ただ軽いレンズは暗めだったり画質が劣ったりすることがあります。
重いレンズは持ち運びの負担が増えて、フロントヘビーでバランスが悪くなるかもしれません。
ただ明るくて画質も良いレンズも多いです。
なかなか判断が難しいですが、やはりF値や焦点距離など自分に必要なレンズの性能をまず明確にするのが大事になってきます。
「その条件を満たしている中で軽いレンズは無いか」という感じで選んでいくと良いかなと思います。
まずは焦点距離やF値などの重要項目を確定させる
α7CIIの仕様を踏まえたレンズ選び
ここまでレンズ選びの基本をお話したので、続いてα7CIIの仕様を踏まえたレンズの選び方をお話します。
お伝えするのは次の4項目です。
- アクティブモード
- キットレンズはどうなのか?
- 協調制御補正
- Super35mmモード
アクティブモード
まずアクティブモードの仕様についてお話します。
アクティブモードは動画用の手ぶれ補正機能で、手持ちで歩き撮影できるとても重宝する機能です。
クロップ
ただ画角が若干狭まる仕様で、クロップ倍率を確認したら1.15倍ほどでした。
数字的には小さく感じるんですが、結構印象が変わるので、クロップ倍率を踏まえてレンズ選びするのをおすすめします。
24mmくらいの画角で撮りたいなら余裕を持って20mmにしておくとか、広角ズームレンズを持っておくのも手だと思います。
純正レンズ
そしてアクティブモードは純正レンズでないと効果を発揮しません。
今までの機種もそうでしたが、サードパーティレンズを使うと効果が著しく落ちます。
この仕様があるので僕は今純正レンズしか持っていなくて、α7CIIでの確認はできていないところです。
ただ今回、SONY公式もはっきり純正レンズでアクティブモードが性能を発揮する旨の記載をしています。
まず間違いなく同じ仕様です。
アクティブモードを使う方は純正レンズを使ってください。
画角と純正レンズかどうかに注意
キットレンズ
続いてα7CIIのキットレンズSEL2860についてお話します。
先に個人的な結論を言うと、大いにアリのレンズだと思いますが気をつけるところもありそうです。
SEL2860のスペックは
- 焦点距離:28から60mm
- 開放F値:4から5.6
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.16
- 重さ:167g
となっています。
広角から中望遠付近まで写せる画角の選択肢と、何より167gの軽さがα7CIIと相性が良いと思います。
値段も本来5万円ほどのところを、キットレンズとして買うと3万ちょっとになるのでコスパも良いです。
ただ注意したいところとして、暗いレンズなので夜景撮影などはかなり厳しいですし、ボケを活かした表現向きではないです。
あと最大撮影倍率が小さいので小物を撮るのにも向いていません。
そして特に注意したいのが広角端が28mmということです。
28mmは広角なので風景を撮ったりするのに使いそうですが、20mmや24mmと比べると結構狭いです。
自撮りなどをするには間違いなく狭いですし、アクティブモードのクロップを加えると30mmを超えます。
28mmの広さを理解した上でなら、良い選択になりそう
協調制御補正
続いて協調制御補正についてです。
α7CIIではボディの手ぶれ補正とレンズの手ぶれ補正が協調駆動する協調制御補正が使えます。
通常の手ぶれ補正より強力にブレを抑えてくれますし、動画でも使うことができます。
ただ対応しているレンズが5本だけでどれも望遠寄りなので、基本は望遠撮影用の機能と考えて良さそうです。
望遠撮影する方は対応レンズを確認した上でレンズを決めると良い
Super35mmモード
続いてsuper35mmモードについてです。
α7CIIにはAPS-C用レンズも使えるSuper35mmモードというのがあります。
レンズの選択肢が増えるとても良い機能ですし、僕もどんどん使っていく予定なんですが、フルサイズと比べると画質は若干落ちます。
なので、新しくAPS-C用レンズを購入するというより、既存のレンズを活用するという意味で使うと良い機能かなと思います。
あとはフルサイズ用レンズでも焦点距離1倍と1.5倍の2つの画角が使えるようになるので、このあたりも活用してほしいところです。
4K60P前提の方はSuper35mmでの撮影になるので、APS-C用レンズを購入するのもアリだと思います。
メリットとデメリットをしっかり押さえてレンズを選ぶ
α7CII用おすすめレンズ5選
α7CIIの仕様を踏まえたレンズの選び方をお話したので、最後におすすめレンズを5つ紹介します。
- SELP1635G
- SEL20F18G
- SEL2070G
- SEL24F28G
- SEL100400GM
SELP1635G
- 焦点距離:16-35mm
- 開放F値:F4
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.23倍
- 重さ:353g
早速1つ目ですが、広角ズームレンズSELP1635Gです。
このレンズは現状α7CIIと一番組み合わせているレンズで、かなり相性が良いです。
広角端16mmで歩き撮影すると躍動感がでますし、ブレも出にくいです。
静止画も奥行きや立体感を出す表現に使えます。
望遠端35mmはよく物撮りに使いますし、Super35mmを活用すれば53mmまで画角を伸ばせます。
最大撮影倍率0.23倍なので高くはなくて、それなりという感じですが、花を主題にして周辺の雰囲気も入れたりするには十分です。
パワーズームもついていて、フルサイズ用ズームレンズとしては軽めの353gです。
ただF4レンズなので暗い環境での撮影は厳しいと思います。
日中の風景撮影中心の方にとてもおすすめできるレンズです。
SEL20F18G
- 焦点距離:20mm
- 開放F値:F1.8
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.22倍
- 重さ:373g
続いてSEL20F18Gです。
広角単焦点で開放F1.8の明るさがあるので夜景撮影にバッチリのレンズです。
重さは373gということでSELP1635Gより重いですが、大口径レンズとしては軽いと思います。
最大撮影倍率は0.22倍なのでそれなりという感じ。
僕はこのレンズは持ってなくて、明るい広角だと「SEL24F14GM」というレンズを使っています
アクティブモードの仕様などを考えると20mmは使いやすいかもしれません。
SEL2070G
- 焦点距離:20-70mm
- 開放F値:F4
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.39倍
- 重さ:488g
続いては標準ズームレンズのSEL2070Gです。
広角20mmから中望遠70mmまで撮れて、最大撮影倍率はハーフマクロに迫る0.39倍というレンズです。
風景、物撮り、ポートレートも撮れてかなり魅力度の高いレンズです。
F4なので暗所性能には期待できないですが、ボケについては望遠側で撮れば意外とボケると思います。
1本ズームレンズを持っておきたいという時にSELP1635Gと迷う方も多いと思います。
風景や建物、歩き動画ならSELP1635Gで、物撮りやポートレートなども撮る機会があるならこっちかなという感じがします。
SEL24F28G
- 焦点距離:24
- 開放F値:2.8
- 手ぶれ補正:なし
- 最大撮影倍率:0.19倍
- 重さ:162g
続いてはSEL24F28Gなんですが、同じく「SEL40F25G」と「SEL50F25G」もおすすめです。
この3本は重さが170g前後ということで、フルサイズ用としてはかなり軽いです。
α7CIIとの相性が良いので挙げておきます。
SEL24F28Gは開放F2.8で特別明るくはないです。
ただ先日紹介したデュアルベースISOを活用すれば夜景も撮ることができて、残りの2本はF2.5なので少し明るくなっています。
軽量ジンバルにも乗るので「CRANE M2S」や「CRANE M3」「CRANE M3S」あたりと組み合わせて、24mmなら風景、40と50mmはポートレート動画などに使うと良さそうです。
最大撮影倍率は0.2倍前後であまり高くはないので、頭に入れておいてください。
SEL100400GM
- 焦点距離:100-400mm
- 開放F値:F4.5-5.6
- 手ぶれ補正:あり
- 最大撮影倍率:0.35倍
- 重さ:1395g
最後に紹介するのはSEL100400GMです。
100400GMは僕が望遠撮影に使っているレンズで、動物や野鳥の撮影に使っています。
運動会や発表会などでも使えるレンズだと思います。
ただ小型の動物や野鳥だと400mmはちょっと厳しくて、特に野鳥は600mmくらいほしくなります。
焦点距離を伸ばすテレコンを使って1.4倍なら560mm、2.0倍なら800mmまで伸ばしたりもできます。
重さがかなり増して100-200mmの画角も削られますが、テレコンによる画質や明るさの変化を避けたいならSEL200600Gも良いと思います。
ということでα7CIIのレンズ選びについて解説しました。
参考にしてみてください。
コメント