α7IVが発売されてから早くも3年ほど経ちました。
α7Vの噂も出てくるようになって、どんなスペックなのか気になっている方も多いと思います。
今回はα7III、α7IV、α7CIIなども使ってきた筆者がα7Vのスペック予想をしていきます。
この記事を書いているのは写真家のtomoです。
撮影した写真はX(旧Twitter)で紹介されています。
α7Vのスペックを考える前に
α7Vのスペックを考えるには旧モデルα7IVについての理解が必要です。
α7IVに足りなかったものを補えているかが焦点になるからです。
ということでまずはα7IVのスペックのおさらいです。
α7IVのスペック概要
α7IVのスペック概要は次のとおりです。
- フルサイズ
- 3300万画素
- 最大常用ISO51200
- 4K60P(クロップ)
- 手ぶれ補正5.5段
- 4:2:2 10bit
- XAVC S,HS,SI
簡単に言うと「ごくごくスタンダード」な機種です。
特化した性能はありませんが、幅広い撮影に対応できて安定感があるという感じ。
α7IIIと比べると画素数が増え、被写体認識「鳥」も追加され、ネイチャー系にも使いやすくなりました。
動画では「4K60P」や編集耐性のある「4:2:2 10bit」も使えるようになりました。
写真も動画もこれ一台で撮れると大きな話題になったカメラです。
α7IVに足りないもの
発売当時は目を惹くスペックでしたが、3年も経つと色々物足りなくなってきます。
他メーカーを含め、カメラの性能が3年で大きく進歩したことが理由です。
センサー性能はあまり変わってないのでソフトや機能面が大きいと思います。
現状、α7IVに足りないと言われているものを挙げていきます。
- AIAF
- 連写速度
- 歪み低減
- 4K120P
- RAW動画
- バリチルモニター
AIAF
被写体認識性能が著しく上がるAIAFですが、α7IVはAIチップを搭載していないので使用不可です。
α7IVを小型化したα7CIIやα6700、ZV-E1にも載っている機能。
どうにかしてほしいというユーザーは多いと思います。
連写速度
α7IVの連写速度は最速で10コマ/秒で、これは当時から遅い数値です。
他のメーカーではスタンダード機でもメカシャッター14コマ、電子20コマくらいは可能だったりします。
連写を全く使わない人もいますが、使う人にとっては大きなポイントです。
歪み低減
α7IVのローリングシャッター歪みはかなり大きいです。
電子シャッターや4K動画でカメラを振ったりすると、盛大に歪みが出ます。
歪みの大きさはセンサーの読み出し速度が遅いのが原因です。
部分積層や積層などの高速センサーにしない限り、このあたりの改善は難しいと思います。
4K120P
α7IVは4K120P撮影ができません。
それどころか4K60Pも1.5倍クロップ(画角が狭まる)される仕様。
動画のフレームレートもセンサーの読み出し速度次第なので、既存のセンサーだと60Pまでになってしまいそうです。
RAW動画
α7IVでは動画のRAW収録ができません。
最近は高品質の映像を撮るためにRAW動画撮影できる機種も増えています。
RAW動画はサイズが大きいので内部収録できる機種は限られています。現状SONYのミラーレスにはありません。
ただHDMI経由でレコーダーに外部出力できる機種は多くなってきています。
α7Vも最低でも外部出力に対応する必要はありそうです。
バリチルモニター
α7IVのモニターはバリアングルタイプです。
モニターのタイプには大きく「バリアングル」と「チルト」がありますが、その特徴を両方併せ持つのが「バリチル」です。
正確には4軸マルチアングルタイプと言います。
カメラ本体が大きく重くなったりはしますが、バリチルにしてほしいと思っている人は多いと思います。
加えて、α9IIIやα1IIでは駆体の形状も刷新されたのでそれを採用するかどうかもポイントです。
α7Vのスペック予想①
α7IVのスペックのおさらいをしたので、本題のα7Vのスペックについてお話していきます。
結論としては、上記のα7IVに足りないものが追加されていれば十分のように思います。
これをもとに「理想スペック」を考えてみました。
- 画素数3300万
- 最大常用ISO51200
- 手ぶれ補正8段
- 20コマ/秒
- 4K120P
- 歪み低減
- RAW収録
- AIAF
- バリチルモニター
ただ実際のところ、次の3つはセンサーが変わらないと達成が難しいと思います。
- 20コマ/秒
- 4K120P
- 歪み低減
20コマ秒
電子シャッターであれば連写速度を上げること自体は難しくはなさそうです。
ただ、そもそも連写が必要なのは被写体か撮影者が動く状況なので、結局歪みが問題になります。
「連写はできるけど歪む」では意味がないので読み出し速度が求められます。
4K120P
動画のフレームレートは読み出しが早ければ高めることができます。
α7IVでは4K120Pを撮れないどころか4K60Pもクロップあり。
クロップをなくすだけでなく4K120Pまで撮るにはセンサーを変える必要がありそうです。
α7SIIIのように画素数を減らせば対応できると思いますが、スタンダード機なので2400万画素は欲しいところ。
歪み低減
ローリングシャッター歪みを抑えるにも、センサーの読み出し速度が必要です。
センサーが情報を読み出す時間が長いから被写体や撮影者が動くと歪みになるんです。
読み出しが早ければ歪みにくいですし、α9IIIのようなグロバールシャッター機は歪みが全く発生しません。
α7Vのスペック予想②
α7Vのスペック予想2つ目です。
こちらは「IMX366AJK」というセンサーの情報がもとで噂になっているスペックです。
積層ではない裏面照射型のセンサーと思われます。
- 4400万画素
- 20コマ/秒
- 4K120P・8K30P
4400万画素
画素数はα7IVからさらに増えてα7Rシリーズに寄っています。
ここまで高画素だと最大常用ISO感度は32000あたりに落ちそうな気がします。
スタンダード機なので高感度耐性を求める人もいそうですが、画素数をここまで上げてしまって良いのでしょうか。
20コマ/秒
連写速度は大幅にアップして20コマとなっています。
メカシャッターでこの数字は無理のような気がするので電子シャッターと思われます。
ただ上記したとおり、連写できても歪んでは意味がないので読み出し速度の改善はしてほしいです。
裏面照射型で画素数が増えてるなら、むしろ読み出しは遅くなってしまいそうですが、本当に実現できるのでしょうか。
4K120P・8K30P
α7IVより画素数も増えているのに4K120Pが撮れるのかは大きな疑問です。
ただ動画のフレームレートを上げるには読み出しの方法を変えるのも1つの手段です。
α7IVも読み出す範囲を狭める(クロップをする)ことで4K60Pを可能としていました。
他にも複数の画素を1つに合成するピクセルビニングなどもあるので、このあたりの工夫もされるのでしょうか。
8K30Pも歪んでしまっては使いづらいので、読み出し速度が気になるところです。
α7Vのスペックはセンサー次第
ここまでお伝えしたとおり、α7Vはセンサー次第でスペックも変わります。
センサーが変わらないならα7IVにAIAFをつけて、ボディやモニターを変えたくらいになりそう。
センサーが変わるとしたら次のセンサーが候補にあがりそうです。
積層型センサー(ExmorRS)
現状あるセンサーではα9シリーズやα1シリーズに搭載している「積層型センサー」が高速です。
積層型なら連写速度もフレームレートも歪みもほぼ解決すると言っていいです。
ただ値段が跳ね上がるので、スタンダード機に搭載するのはちょっと考えづらいかもしれません。
部分積層型センサー(Exmor◯)
NikonのZ6IIIに搭載している「部分積層型センサー」も読み出しが早めです。
積層型ほどではありませんが、α7IVやα7RVなどに搭載している現状のセンサー(ExmorR)よりは確実に速いです。
連写20コマ/秒や4K120P(クロップ)あたりは対応できそうな気がします。
歪み低減に関しては積層型ほどではないので、小鳥の飛翔などでは歪むと思います。
部分積層型あたりが一番リアルかなと思いますが、SONY機で採用されるかも不明ですし値段もIVよりはかなり上がりそうです。
2層トランジスタ画素積層型(ExmorT)
これはまだスマホにしか搭載されていないセンサーです。
どちらかというと高感度(ノイズ)耐性のあるセンサーというイメージです。
これが採用されるとまた違うスペックになりそうな気がします。
まとめ
今回はα7Vのスペックに求めるものについてお話しました。
現状多くの方が必要としているスペックは
- 画素数3300万
- 最大常用ISO51200
- 手ぶれ補正8段
- 20コマ/秒
- 4K120P
- 歪み低減
- RAW収録
- AIAF
- バリチルモニター
という感じじゃないでしょうか。
ただ連写や4K120P撮影、歪み低減を考えると現状のセンサーでは厳しそうです。
逆にセンサーを積層型などに変えると値段が上がってしまいます。
SONYが「スタンダードモデル」をどのように位置付けて、性能と価格のバランスを取るかが重要になりそうです。
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